MM総研大賞
大賞
スマートソリューション部門
次世代モビリティ分野
最優秀賞

電動垂直離着陸機(eVTOL)

SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型) 株式会社SkyDrive

世界へ羽ばたく国産の「空飛ぶクルマ」

SkyDrive(愛知県豊田市)が開発する電動垂直離着陸機(eVTOL)「SKYDRIVE(SkyDrive 式SD-05 型)」は、ヘリコプターと比べて静粛性や軽量化による利便性、機体構造がシンプルゆえの経済性などが期待されている。開催中の大阪・関西万博では公開デモフライトを実施しており、新たなモビリティ誕生の「産声」として注目を浴びた。世界でeVTOL の開発競争が激しくなる中、世界で張り合える国産機としての将来性と革新性が高く評価された。これによりスマートソリューション部門の次世代モビリティ分野での「最優秀賞」に加え、すべての技術・サービスの中で最高評価に値すると判断され、MM総研大賞2025 の「大賞」を獲得した。

「モビリティ革命」の旗手に

私たちが日常的に使う移動手段と言えば、電車やバス、自家用車など地上の移動が中心だ。そこに「空」が加わったらどうなるだろうか。道路やトンネル、橋などは要らず、遠回りしなければ行けなかった場所へも最短距離でアクセスでき、渋滞にも悩まされない。それが現実となる「モビリティ革命」が刻一刻と迫ってきている。SkyDriveはいわゆる「空飛ぶクルマ」の開発を進めている、モビリティ革命の旗手を担う日本企業のひとつである。SkyDriveが考える空飛ぶクルマとは、現在私たちが乗っている地上のクルマのように誰もが日常的に使える乗り物、として捉えている。

そもそも空飛ぶクルマは、ヘリコプターと比べて①電動なので環境に優しい②騒音が3分の1以下③垂直に離着陸できるうえ重量が軽いため、ビルの屋上など離着陸可能な場所が増える④電動化により部品点数が10分の1程度になり、機体コスト・整備コストが下がる――などのメリットが挙げられる。

「乗りたい!」と思われるような機体を開発

空飛ぶクルマの開発競争は、米国や中国を中心に激しくなっている。その競争の中で、SkyDriveは小型の機体を中心に開発している。他社の小型機は定員が2人の機体が中心で、そこにパイロットが搭乗すると、客として乗れるのは残り1人になってしまう。一方のSKYDRIVEは3人乗り。日本のタクシーの平均乗車人数が約1.4人ということを踏まえると、そのニーズの大半をカバーできるというのもSKYSRIVEのアドバンテージと言える。乗ってみたくなるような機体のデザインを意識しながら開発しているのもポイントのひとつだ。

現在開催中の大阪・関西万博では4月にデモ飛行を実施しており、メディアや一般来場者から大きな注目を集めた。SkyDriveの福澤知浩代表取締役CEOは「万博の反響も含めて、空飛ぶクルマを知っている人がだんだん増えています。見た目も含めて、『乗ってみたい』と多くの方に思ってもらえると、このモビリティの大きな革命が進んでいくと思います」と強調する。

SkyDriveの福澤知浩代表取締役CEO

誰でもいつでも気軽に使える空の移動手段へ

電気自動車(EV)などと同じく、普及に向けてバッテリー性能の向上は大きなカギとなっている。ただ、現在の航続距離の15kmでも、例えば、東京駅を出発すると東京ディズニーランドや羽田空港にアクセスが可能だという。
正式受注はこれからだが、すでにアジアを中心にプレオーダーが384件入っている。SkyDriveは早ければ2026年に型式証明の取得を、そして大阪エリアでは2028年をメドに商用でのサービス開始を目指している。初期はパイロットが搭乗するが、いずれは自動運転に置き換えていく。まずは観光利用のほか、山間部や離島などのいわゆるラストワンマイル輸送など、比較的短距離で輸送人数の少ない移動を担うモビリティへと開発を進めていく。いずれ都心部も含めて街中に多くの空飛ぶクルマのエアポートが整備されれば、誰でもいつでも気軽に使える移動手段になるだろう。また、人を運ぶだけでなく、モノを運ぶ物流においても活用が見込まれる。

街のいたるところが空飛ぶクルマのエアポートに

移動が苦にならず、景色なども含めて移動が楽しいと思えるようなモビリティ社会を構築していくために、SkyDriveは邁進(まいしん)していく。SkyDriveは、将来的に半分以上の乗り物が空を飛ぶと見据える。その未来では、国内にとどまらず、世界各地でSkyDriveの機体が飛んでいることを期待したい。

受賞製品・サービス一覧

2025年 大賞

スマートソリューション部門
次世代モビリティ分野 最優秀賞

次世代モビリティ分野 最優秀賞

SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)

株式会社SkyDrive

2025年

スマートソリューション部門
AI分野 最優秀賞

AI分野 最優秀賞

watsonx

日本アイ・ビー・エム株式会社

2025年

スマートソリューション部門
AI分野 最優秀賞

AI分野 最優秀賞

「Stargate Project」や「クリスタル・インテリジェンス」など、AGI、ASIの実現に向けた取り組み

ソフトバンクグループ株式会社

2025年

スマートソリューション部門
半導体分野 最優秀賞

半導体分野 最優秀賞

NVIDIA Blackwell

NVIDIA

2025年

スマートソリューション部門
光通信サービス分野 最優秀賞

光通信サービス分野 最優秀賞

All-Photonics Connect powered by IOWN

NTT東日本株式会社/NTT西日本株式会社

2025年

スマートソリューション部門
光通信インフラ分野 最優秀賞

光通信インフラ分野 最優秀賞

光海底ケーブル事業

日本電気株式会社

2025年

スマートソリューション部門
非地上通信分野 最優秀賞

非地上通信分野 最優秀賞

au Starlink Direct

KDDI株式会社

2025年

スマートソリューション部門
衛星データ分野 最優秀賞

衛星データ分野 最優秀賞

「Marble Visions」の取り組み

株式会社NTTデータ/株式会社Marble Visions

2025年

スマートソリューション部門
地域モビリティ分野 最優秀賞

地域モビリティ分野 最優秀賞

「KANSAI MaaS」

関西MaaS協議会

2025年

スマートソリューション部門
DX支援分野 最優秀賞

DX支援分野 最優秀賞

BluStellar

日本電気株式会社

2025年

スマートソリューション部門
DXソリューション分野 最優秀賞

DXソリューション分野 最優秀賞

未来のコンビニ「Real×Tech Convenience」などにおける協業

三菱商事株式会社/KDDI株式会社/株式会社ローソン

2025年

スマートソリューション部門
スマートデバイス分野 最優秀賞

スマートデバイス分野 最優秀賞

コストパフォーマンスの高いスマートフォンなどの製品群

小米技術日本株式会社(シャオミ・ジャパン)

2025年

スマートソリューション部門
次世代ロボット分野 最優秀賞

次世代ロボット分野 最優秀賞

ミミズ型管内走行ロボット「Sooha<sup>🄬</sup>」

株式会社ソラリス

2025年

スマートソリューション部門
最優秀賞

最優秀賞

リサーチや執筆のためのAIアシスタントツール「NotebookLM」

グーグル合同会社

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