スマートソリューション部門
非地上通信分野
最優秀賞

次世代衛星通信サービス

Starlink Business / Satellite Mobile Link KDDI株式会社

「空が見えれば、どこでもつながる」を実現する次世代衛星通信サービス

KDDIが提供する「Starlink Business / Satellite Mobile Link」は米スペースX社※の通信衛星網「Starlink」を活用し、従来の衛星通信サービスより大幅に高速かつ低遅延のデータ通信を実現する。日本初の認定インテグレーターでもあるKDDIはすでに様々な場面でStarlinkを活用しており、2024年1月の能登半島地震での災害支援で高い有効性も評価され、スマートソリューション部門の非地上通信分野で最優秀賞を受賞した。

※Space Exploration Technologies(米カリフォルニア州、イーロン・マスクCEO)

日本初の認定インテグレーターに選定

StarlinkはスペースXが運用する低軌道衛星通信。衛星の高度は約550kmで、従来の高度3万6000kmにある静止軌道衛星に比べて地表からの距離が約65分の1と近く、大幅な高速伝送と低遅延を実現している。Starlinkの衛星はすでに6000基以上が打ち上げられており、この衛星の多さも高速かつ安定した通信を可能としている。スペースXは今後もさらに多くの衛星を打ち上げていく予定だ。

スペースXがStarlinkを全世界で展開していくにあたり、各国の法制度への対応や地上局といわれる衛星と地上のネットワークをつなぐゲートウエイを設置していく必要がある。そこで、日本での展開においては、衛星関連の法制度に関する十分な知見と60年を超える衛星通信の運用経験を兼ね備えるKDDIとパートナーとして提携することとなった。

KDDIに限らず携帯電話の通信キャリアはバックホール回線と呼ばれる基地局とセンター局を結ぶ回線には光ファイバーを使っているが、山間部や離島など光回線が引けないところでは既存の静止衛星の回線を使ってカバーしていた。しかし、既存の静止衛星の回線では回線が細く、速度や安定性に課題があった。KDDIとしてはau基地局のバックホール回線にStarlinkを使うことで、山間部や離島など、満足する通信環境が整っていなかったエリアにおいて、都市部と同じような通信品質を整えていくという狙いがあった。こうした経緯もありKDDIは2021年9月にStarlinkをau基地局のバックホール回線に利用するとも発表している。そして現在に至るまで日本で初めての「認定インテグレーター」として、日本国内でのStarlinkサービスの提供を担っている。

様々な場面で活用されるKDDIのStarlinkサービス

KDDIが提供するStarlinkサービスには「Starlink Bussines」と「Satellite Mobile Link」の2つがあり、いずれも法人や自治体向けに提供している。Starlink BussinesはStarlinkをそのままインターネットアクセス回線として利用できるサービス形態だ。空が開けている場所であればどこでも設置可能で、ユーザーはStarlink端末とWi-Fiもしくは有線で接続することができる。ユースケースとして企業・自治体のBCP(事業継続計画)対応、自然災害対応、山間部などの不感地域でのフィールドワーク、大規模イベントでの通信混雑回避など幅広く利用されている。海上で利用できる点も特徴で、船舶向けの「Starlink Bussinesマリタイムプラン」も提供している。

Satellite Mobile LinkはStarlinkをau基地局のバックホール回線として利用したauエリアを構築するソリューションだ。従来通信設備を設置することが難しかった山間部や島しょ地域に設置することでauの4G/LTE通信を利用することができるようになる。通信可能範囲は数km程度と広く、全ての通信キャリアが完全に圏外になってしまうような人里離れた場所でも、携帯電話番号による音声通話や緊急通報、高速データ通信が利用可能になるため、建設業界やエネルギー・インフラ業界などで活用され、現場作業の効率化と安全性の向上に貢献している。

社会課題の解決にも期待されるStarlink

2024年1月1日に発生した能登半島地震は最大震度7を記録、被災地に甚大な被害をもたらした。通信の面でも基地局損壊、停電、回線断により多くの基地局がダウン、通常稼働時の約80%のエリアで通信障害が発生した。通信復旧のため各通信事業者が様々な復旧活動を実施したが、大きな力を発揮したのがStarlinkだった。KDDIはスペースXと協力し被災地支援団体や企業などに提供したほか、自衛隊と協力して避難所にStarlinkによるフリーWi-Fiスポットを設置した。Starlinkのアンテナは小型かつ軽量で運びやすく、短時間で設置しWi-Fi環境構築が可能であることや、低遅延かつ高速な通信を提供できる点が緊急時の通信復旧手段として高く評価された。

BCP以外でもStarlinkが活用される場面は増えてきている。特に期待されているのが海上での利用だ。海上は陸地から離れると、携帯電話の電波が届かないため通信環境が悪く、既存の静止衛星の通信ではインターネットや通話の利用に難がある状況が続いていた。船舶業務を行う旅客船、漁船、貨物船や調査船では人材不足が深刻化しており、その理由の一つが通信環境にある。航海に出る数十日間、外界から隔絶されてしまうことは特に若い人材の採用に大きなネックとなっていた。Starlinkによる海上での通信環境の整備は人材の採用、定着にも効果を発揮すると期待されている。

受賞製品・サービス一覧

2024年

大賞

スマートソリューション部門

最優秀賞

生成AI分野 最優秀賞

Microsoft Copilot

マイクロソフト

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

日本語LLM分野 最優秀賞

tsuzumi

日本電信電話株式会社

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

日本語LLM分野 最優秀賞

cotomi

日本電気株式会社

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

非地上通信分野 最優秀賞

Starlink Business / Satellite Mobile Link

KDDI株式会社

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

中小企業DX分野 最優秀賞

おまかせITマネージャー

東日本電信電話株式会社

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

MaaS分野 最優秀賞

GunMaaS

群馬県・前橋市・群馬県新モビリティサービス推進協議会

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

デバイス分野 最優秀賞

motorola razr 40/motorola razr 40s

モトローラ・モビリティ・ジャパン合同会社

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

クラウド分野 最優秀賞

さくらのクラウド

さくらインターネット株式会社

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

教育DX分野 最優秀賞

N中等部/N高等学校
S高等学校

学校法人角川ドワンゴ学園

2024年

スマートソリューション部門

最優秀賞

モビリティ革新分野 最優秀賞

自動運転プラットフォーム

株式会社ティアフォー

2024年

審査委員特別賞

審査委員特別賞

QRコード

株式会社デンソーウェーブ