新たな時代を築く生成AIアシスタントサービス
「Microsoft Copilot」は文章・コード・画像の生成を可能にするAI(人工知能)アシスタントだ。無料で利用を始めることができ、Microsoft 365アプリやEdgeなどのブラウザーといったMicrosoft社の主要アプリケーションと連動し、有料版ではより高速なモデルにアクセスできる。生産性向上や効率化、アウトプットの高品質化に貢献し、基盤サービス・製品としての可能性、将来性が高く評価された。
MM総研大賞
大賞
スマートソリューション部門
生成AI分野
最優秀賞
あなたの日常的な AI アシスタント
「Microsoft Copilot」は文章・コード・画像の生成を可能にするAI(人工知能)アシスタントだ。無料で利用を始めることができ、Microsoft 365アプリやEdgeなどのブラウザーといったMicrosoft社の主要アプリケーションと連動し、有料版ではより高速なモデルにアクセスできる。生産性向上や効率化、アウトプットの高品質化に貢献し、基盤サービス・製品としての可能性、将来性が高く評価された。
まず始めたのが検索エンジン「Bing」への生成AI機能の追加だ。2023年2月に登場したマイクロソフトの検索エンジン「Bing」上で利用できる「Bing Chat」がそれだ。Bingの検索アルゴリズムと米OpenAI社の言語モデルを掛け合わせることで、最新の情報やニュースをもとに回答を生成する新たなAIシステム「Prometheus」を構築した。
Chat GPTは優れた学習能力を持っているが、それ自体の知識は限られている。一方、Bingは検索エンジンとして世界中のWebサイトの情報を集約しており、どの情報が役に立つかというような情報の重要度を判断できる。言語モデルGPT-4とBingを組み合わせることで、誰もが気軽に使える生成AIサービスに仕上げ、提供を始めた。2023年11月、Bing Chatは「Microsoft Copilot」と名称を変え、機能も強化して生まれ変わった。
マイクロソフトは生成AIという新しい技術を人々に安心安全に使ってもらうため、AIの行動原則を設けている。Microsoft Copilotは検索エンジンのBingとGPT-4を組み合わせたものだが、2つの機能をただ単純につなぎ合わせたわけではない。AIは人と交流することで学習し精度を上げるわけだが、そこには危険性が存在する。サービスを提供する側として責任を持ち、安全なAIを提供することもMicrosoft Copilotの特徴のひとつだという。
Microsoft Copilotは全世界で提供しているが、グローバルと日本での展開方法でモデルの精度、品質、展開スピード、機能の差などはまったくないという。ただ、すでに実装されている機能の中でひとつだけ日本が先行しているものがあるという。それは、キャラクターを模したエージェント機能だ。
Webでの情報検索は今では一般的となっている。しかしWeb検索が登場した当時、人々は「何を聞いてよいかわからない」というところから始まった。そこで日本マイクロソフトの開発チームは人格があるような社交的なキャラクター「Mica the Fox」をつくり、それをMicrosoft Copilotのユーザーインターフェース(UI)に実装した。人がMicrosoft Copilotを利用する際にキャラクターに向かって話しかけるような感覚を覚えたり、キャラクター側から積極的に話しかけられたりするような体験をすれば、気軽に使ってもらえるのではないかということで、まず日本で開始した。
「キャラクターを用いたコミュニケーションの伝達方法は人に伝わりやすいフォーマットだと感じている」と開発をリードするWWE Japan 開発統括本部プロダクトマネージャーの山岸真人氏は話す。日本の文化がCopilot上でも世界に向けて展開されることに期待したい。
マイクロソフトが実施したユーザー調査によると、世界中で生成AIに最も期待されていることは必要な情報収集のサポートだが、日本と海外では期待する傾向が多少異なるという。海外では営業部門でのデータ分析や営業機会の特定といったインサイトに期待が集まり、一方、日本では全職種で文書の初稿作成に大きな期待を寄せているという。
日本人ユーザーは1セッションあたりでの質問が多く、世界の中で最も質問数が多い傾向にあるという。「(この結果は)Microsoft Copilotの品質と安定性が日本のユーザーに好評な結果のあらわれだ」というのが山岸氏の見解だ。
マイクロソフトはMicrosoft Copilotを通じて、人々が今日より明日もっと何かができるようになるための手助けをする。より安心安全に人々により広く使ってもらうことを目指して発展を続ける。