コストパフォーマンスに優れたフォルダブルスマートフォンが市場の成長に貢献

モトローラ・モビリティ・ジャパンは2023年11月20日、ハイエンドに位置する「razr」シリーズからフォルダブル（折り畳み）スマートフォンの「motorola razr 40／motorola razr 40s」を発表した。コストパフォ―マンスに優れ、日本でのフォルダブルスマートフォン普及に貢献した点が評価され、スマートソリューション部門のスマートデバイス分野で「最優秀賞」を受賞した。

日本向けにローカライズしたフォルダブルスマホ

モトローラ・モビリティ・ジャパンは日本市場向けに3シリーズのスマートフォンを展開している。エントリーモデルとなる「moto g」シリーズ、ミドルレンジ以上の「edge」シリーズ、そしてプレミアムモデルとなる「razr」シリーズだ。今回受賞したmotorola razr 40と、ソフトバンク向けのmotorola razr 40sの2機種は2023年8月発売の上位モデル「motorola razr 40 ultra」から日本市場向けにより一層ローカライズしたフォルダブルスマートフォンだ。高価格なイメージがあるフォルダブルスマートフォンだが、CPUやリフレッシュレートなどの一部性能のランクをあえて落とすことでコストを抑えつつ、バッテリーやカメラの性能を向上させ、電子決済「FeliCa」にも対応した。また大きな違いとしてアウトディスプレーの大きさ※1があるが、上下左右にスワイプすることで、時刻・天気・アラーム・カレンダー・ボイスメモなど小さな画面でも操作しやすいアプリの表示・利用や、音楽の再生コントロール、Wi-FiやBluetooth設定、通知の表示などが可能で、ディスプレーは小さくなったものの利便性は高い。

※1：アウトディスプレーのサイズ（razr 40 ultra・・・約3.6インチ、motorola razr 40・・・約1.5インチ）

大手通信キャリアの端末採用増を目指す

米モトローラ・モビリティは2023年に前身の企業の設立から95周年、モバイルビジネスの立ち上げから50周年を迎える老舗のスマートフォンメーカーだ。その日本法人となるモトローラ・モビリティ・ジャパンは日本の携帯電話市場でいま最も勢いのあるメーカーのひとつ。今回受賞したフォルダブルスマートフォンにも見られるが、チャレンジングな端末を投入しながらもシェアも伸ばしており、2023年度の携帯電話オープン市場で、出荷台数のメーカーシェア3位※2となった。また同社は「motorola razr 40」の製品発表会で2023年度の出荷台数は前年比94%増を見込むとしており、ますます日本市場での存在感を強めている。

2023年12月には代表取締役社長に仲田正一氏を迎えた。仲田社長によると、フォルダブルスマートフォンは使い心地の良さをもっと認知してもらうフェーズだとしており、「販売台数を取りに行くよりも、まずは手に取って触れて、使ってみていただきたい。外部ディスプレーはもちろんのこと、持ち歩く時に非常にコンパクトで胸ポケットにも入るし、広げると大きな画面になります。この良さを分かっていただく段階だと思います」と語る。仲田社長は長年にわたり通信業界で活躍してきた人物。これまで同社のスマートフォンはSIMフリー市場を主戦場としてきたが、2023年には約2年ぶりにソフトバンクが取り扱いを再開した。日本の携帯市場は9割近くが大手通信キャリアのマーケット。仲田社長は「日本でのビジネスをさらに大きくしていくために、人員も増やしているし、いろいろなキャリアさんともお付き合いを増やしていく所存で、ギアを上げていくという段階に来ています」とし、オープン市場へ注力しつつ、大手通信キャリアのマーケットへのさらなる参入を目指している。

※2：MM総研調べ