ティアフォーは2018年に米Apex.AI、英Linaroと共同で自動運転OSの業界標準を目指す世界初の国際業界団体「The Autoware Foundation(AWF)」を設立し、Autowareの 権利をAWFに譲渡した。Autowareは無償のオープンソースソフトウエアになったことで開発が促進され、いまや全世界20カ国以上で利用されている。スタートアップとしての成長は著しく、CEOの加藤氏を中心に数人のメンバーでスタートしたティアフォーは今や社員数300人を超え、三菱商事やいすゞ自動車、スズキ、ブリヂストン、ヤマハ発動機など多くの企業が同社に出資している。創業以来の累計資金調達額は381億円を超える。
オープンソースとなったAutowareの開発を主導しながら、ティアフォーは自社製品として自動運転を開発・導入するために必要なプラットフォームを提供している。例えば、自動車メーカーには自動運転ソフトウェアと開発・運用ツールを提供し、自動運転車両を求めている自治体や交通事業者には同社製の車両と併せて初期の導入から継続的なサービス運用まで支援するなど、幅広いソリューションを提供している。特定の用途や車両に特化した自動運転車両やソリューションが多い中、バスやタクシー、物流系の車両など様々な用途でシステムを搭載できるよう工夫している。その汎用性を支えているのがオープンソースでの開発で、仕様を完全公開しAWFなどのコミュニティを通じて他社と協力しながらソフトウェアを作っていける点が強みだ。