生徒数、進学実績とも年々増加が続く
「N高等学校」と「S高等学校」(以下、N/S高)は学校教育法第一条に定められた高等学校で、全日制と同じ高校卒業資格を取得することができる。必修授業はネット学習、スクーリング、テストの3つだ。2023年度の大学合格実績※1は、国公立大学(東京大学、京都大学など)が172人(前年度比59人増)、主要私立大学(早稲田大学、慶応義塾大学など)が1981人(同414人増)となり、その数は年々増加している。海外の大学も150人(同98人増)で全国2位の合格者数だ。大学の世界ランキング「Times Higher Education Ranking 2024」で上位200位に入るトップスクールには43人が合格している※2。
※1 国内の大学合格実績は2024年4月30日時点。増加数は2022年度(2023年4月28日時点)との比較
※2 海外の大学の合格実績は2024年5月31日時点。増加数は2023年4月28日時点との比較
開校時で1482人だった生徒数も右肩上がりに増え、2019年には1万人を突破、定員増に対応するため2021年4月にS高を新設した。2024年3月末時点ではN/S高合わせて28,403人に達し、日本最大の高校となった。
N高の校長である奥平博一氏によれば「社会的評価が低かった当時の通信制高校のイメージを変えたい」とする強い思いが設立の原動力になったという。不登校となった生徒の受け皿としてだけではなく、自分の意志で通信制を選択し努力している生徒も数多くいる。何より誰に強制されるわけでもなく、時間を自由に使えるという利点もある。専門性を高め、より自由な学び方を求めるニーズも存在する。こうした思いを持った奥平氏が声をかけたのがドワンゴの創始者である川上量生氏だ。ドワンゴが運営する「ニコニコ動画」は視聴者と配信者の双方向コミュニケーションであり、このノウハウに代表されるドワンゴのIT技術、KADOKAWAの豊富なコンテンツを使えば通信制教育をさらに進化させられると考えたからだ。