タクシー配車アプリ利用率トップは5都府県すべて「GO」

「モビリティサービスに関する調査」(タクシー配車アプリ編/2024年6月)

2024年08月28日

■「GO」の利用率は東京都で70%、愛知県で68%と2位に30ポイント以上の差をつける
■「Uber Taxi」は愛知県、京都府、福岡県で2位、「DiDi」は東京都、大阪府で2位
■利用者の満足度は64.5%、不満も6.8%と少なく、利用率・利用意向も増加基調

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、東京都・愛知県・大阪府・京都府・福岡県に住む15~79歳の男女4万5037人を対象にWebアンケート調査を実施し、タクシー配車アプリに関する利用実態をまとめた。調査結果によると、利用経験のあるタクシー配車アプリでは「GO」が調査対象となった5都府県すべてでトップとなった。東京都と愛知県では2位に30ポイント以上をつけている。最大手としての知名度だけでなく、ほぼ全国にサービスエリアを広げており、普段使いだけでなく、旅行先や出張先でも同じサービスを利用できる点などが支持を集めているようだ。

【データ1】5都府県別の利用経験のあるタクシー配車アプリ(上位5サービスのみ掲載/複数回答)

「GO」の利用率が5都府県でトップ、2位をUber TaxiとDiDiが競う

タクシー配車アプリを「利用したことがある」と回答した人は、東京都が16.2%と最も高かった※1。京都府が13.9%、大阪府が12.6%と続いた。愛知県と福岡県は10%を下回った。

タクシー配車アプリを「利用したことがある」と回答した人に、利用したことのあるタクシー配車アプリを聞いたところ、5都府県すべてで「GO」がトップだった(データ1)。東京都と愛知県では、2位とそれぞれ30ポイント以上の差が開いている。「Uber Taxi」は愛知県、京都府、福岡県で2位につけ、「DiDi」は東京都、大阪府で2位につけた。

上位3アプリをみると、福岡県では1位のGO(56.0%)と3位のDiDi(41.0%)までの差が15ポイント以内となっており、他の4都府県と比較して利用の差は小さい。また、東京都では、2位のDiDi(34.0%)から4位のUber Taxi(29.0%)までが5ポイント以内の僅差で並んでいる。

※1:2024年7月9日「モビリティサービスに関する調査」(2024年6月時点)を参照(https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=633

潜在ユーザーの掘り起こしが利用者増加のカギに

タクシー配車アプリの利用経験者(「利用したことがある」と回答)は12.7%で、「利用したことはないが利用してみたい」とする潜在ユーザー層は12.8%となった。両者の合計値は25.5%で、前回実施した2023年6月調査※2との比較では、3.3ポイント増となった(データ2)。前回調査は、東京都・愛知県・大阪府の3都府県のみを対象としており、今回の調査とは厳密に比較はできないが、同じ3都府県の比較でも利用率と利用意向ともに伸びており、潜在ユーザーの掘り起こしが期待できる。

※2:2023年8月30日「モビリティサービスに関する調査」(タクシー配車アプリ編)(https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=595

【データ2】タクシー配車アプリの利用率と利用意向

その一方で「移動手段としてタクシーを利用しない」、「利用イメージが湧かない」、「仕組みやメリットがわからない」などの未利用者が大勢を占めており、こうした層に今後も継続的に利用イメージやメリットを訴求し続けていく必要があるだろう。実際にタクシー配車アプリを利用したことがある人に、サービスの満足度を確認したところ、「満足している」と回答した人は64.5%を占め、「不満である」と回答した人はわずか6.8%だった。タクシー配車アプリの提供会社も、新規ダウンロード登録者や友達紹介キャンペーンなどで割引クーポンをプレゼントするなどして、初回利用のハードルを下げるなどの取り組みを積極的に行っている。

利用のきっかけとしては、便利さとともに「道路で手を挙げて乗る『流し』では捕まらなくなったから」との回答も多かった(データ3)。必要に迫られてタクシー配車アプリを利用する人が増えることで、さらに迎車依頼が増えて「流し」のタクシーが減るというサイクルが出てきていると考えられる。

【データ3】タクシー配車アプリを利用したきっかけ

■調査概要
調査対象:東京都・愛知県・大阪府・京都府・福岡県に住む15~79 歳の男女4万5037人
調査方法:Webアンケート
調査期間:2024年6月7~11日


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