中古スマホ販売台数は321.4万台で6年連続過去最高

2024年度 中古スマートフォン市場規模の推移・予測

2025年07月24日

■2024年度の中古スマートフォン販売台数は321.4万台(前年度比17.7%増)で過去最高

■2029年度には中古スマートフォン販売台数400万台を突破

■大手キャリアの認定中古品が市場で存在感を高める

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2024年度の中古スマートフォン国内市場規模の推移・予測を発表した。Webアンケートによるユーザー調査と中古端末販売事業者への取材などに基づき、MM総研が推計した。主要な取引チャネルの一つであるオンラインフリーマーケットサービス(以下、フリマサービス)のデータについては、中古スマートフォンのECサイト「にこスマ」を運営する伊藤忠グループの株式会社Belong(東京都港区、西村耕一郎代表取締役社長、以下 Belong)のデータを参考にMM総研が推計している。

2024年度は321.4万台、2029年度は400万台突破と予測

2024年度の販売台数は321.4万台(前年度比17.7%増)と過去最高を更新した。2008年度に調査を開始して以来、2017年度と2018年度の2年間を除いて中古スマートフォン市場は右肩上がりで成長しており、今後も変わらず成長トレンドが続くものとみている。円安や物価高騰が続く中、通信費を抑制しようと動きが中古スマートフォンの購買意欲にも影響している。また大手キャリアが取り扱う中古スマートフォン(認定中古品)や、AppleによるiPhone整備済製品、BelongがGoogleと提携して取り扱うGoogle 認定再生品などのメーカーによる認定中古品の台数が増えたこと、法人の中古需要が増えたことも影響している。都心の一部店舗では海外旅行者による中古スマートフォン購入も増えてきている。2029年度には400万台を突破し、2030年度には450万台規模になると予測する。

中古スマートフォン販売台数の推移・予測

キャリアの中古市場本格参入で市場拡大へ

中古端末取り扱い事業者に取材する中で、変わらずに課題だとして声が挙がるのは端末仕入れだ。中古端末取り扱い事業者はそもそも商品となる中古スマートフォンを仕入れられなければ売ることもできないため、様々なキャンペーンを実施して端末を集めることに注力している。そうした状況の中で大手キャリアによる中古スマートフォン市場での存在感が徐々に強くなってきている。

これまで新品スマートフォンを利用してきたユーザーの多くは、スマートフォンを買い替える際に古いスマートフォンを利用せず自宅に保管※1したり、自宅でWi-Fiにつないで利用したりしていた。近年では大手キャリアは端末購入プログラムによって新品スマートフォンを安くユーザーに提供する代わりに、一定期間後に端末を返却してもらうという循環を構築しており、従来よりも効率的に中古端末を仕入れることができるようになった。それに加えて、楽天モバイル※2を除く大手キャリアでは認定中古品を取り扱っており、その販売台数も年々伸びている。大手キャリアが販売する中古スマートフォンの認知が広がり、中古端末のセキュリティや清潔感などに関するマイナスイメージが緩和されれば、スマートフォン購入の際に新品だけでなく中古も選択肢として考える層が増えてくるだろう。大手キャリアがユーザーから回収した端末のうち、どれだけ国内中古市場に流通していくかが今後の市場拡大に影響を与えるものとみている。

※1:全く利用されずに家で眠っている状態の端末で退蔵携帯とも呼ばれる
※2:楽天モバイル自身は認定中古品を販売していないが、楽天市場(楽天モバイル公式 楽天市場店)で中古端末を販売している


■中古スマートフォンの定義下記条件を満たすスマートフォン販売台数
① 一度は購入された端末であり、店舗やインターネットを介した売買により取引される端末
② 有償・無償を問わず家族・友人・知人間での取引は含まない
③ 中古事業者間同士の取引や海外輸出向けの端末取引台数は含まない
④ 法人市場のレンタルビジネスは含まない

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