中古スマホ市場の拡大には良好なバッテリーと透明性がカギ
中古スマートフォンの購入意向調査
2025年08月19日
■中古スマホの購入意向は18.3%
■中古スマホ非購入意向者が購入を検討するための条件は「バッテリー状態(の良さ)」が1位
■次回の端末買い替えの際には現利用端末を「利用せず家で保管」が最多
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は2024年1月以降にスマートフォンを購入した15~69歳の男女に対するアンケート調査を実施し、中古スマートフォンの購入意向と、端末の買い替え後にそれまで使っていたスマートフォンの再利用や処分方法などについて確認した。その結果、中古スマートフォンの購入意向では18.3%が購入、または購入を検討する意向があることがわかった(データ1)。また、中古スマートフォンの非購入意向者(「購入したくない」と「あまり購入したくない」とした回答者)に、中古スマートフォンを購入しても良いと考える条件を聞いたところ、「バッテリーの状態が良い」が最多となった(データ2)。中古スマートフォンの需要拡大には、バッテリー性能の状態など情報開示を徹底し、購入検討者の不安や懸念を解消することが重要となるだろう。
18.3%が中古スマホの購入意向有り
今後の中古スマートフォンの購入意向について聞いた結果、「購入したい」が4.6%、「購入を検討する」が13.7%、「あまり購入したくない」が38.5%、「購入したくない」が43.2%となった。「購入したい」と「購入を検討する」を合算した結果、18.3%が購入または購入検討の意向があることがわかった。
【データ1】中古スマートフォンの購入意向(n=1,014)
非購入意向者の中古スマホ購入検討の条件はバッテリーの状態が約40%で最多
中古スマートフォンを「あまり購入したくない」または「購入したくない」とした回答者にどのような条件であれば中古スマートフォンを購入しても良いか聞いた結果、「バッテリーの状態が良い」が最多となった(データ2)。次いで「新品のスマートフォンと比較して納得のいく価格になっていた場合」、「端末がしっかりと整備されキズや汚れがほとんどない状態」と続く。
【データ2】中古スマートフォンを購入しても良いと考える条件(n=828※)
※中古スマートフォンの購入意向で、「購入したくない」「あまり購入したくない」とした回答者
下取り・売却意向は30.7%
端末の買い替え後にそれまで使っていたスマートフォンの再利用や処分方法などの意向を確認すると、「利用せず家で保管」が最多となった(データ3)。次いで「携帯電話会社の買い取りサービスに出す」、「SIMカードを差し替えて利用」が続く。また「携帯電話会社の買い取りサービスに出す」、「携帯電話会社の下取りサービスに出す(端末返却含む)」「Appleストアで下取り」「中古ショップで売却(オンライン含む)」「ネットオークション・フリマ系サービスで売却」などの下取り・売却を合計すると30.7%となった。
【データ3】買い替え後の旧スマートフォンの再利用・処分などの予定(n=1,089)
バッテリー情報は端末選定における重要な指標
中古スマートフォンを購入したくないと考える理由についても聞いた結果、「バッテリーの状態が気になる」が60.9%で最多となった。中古スマートフォンは新品と比較されるため、価格面が重要な要素であることに変わりはないが、今回の調査で中古スマートフォンに求められる要素として、キズや汚れの状態より、バッテリー性能の状態の良さの方が重要だと考える傾向が強いことがわかった。現在、中古スマートフォン事業者の間ではバッテリー性能の状態を明記することが一般的となっているが、店舗でしか記載がなくオンラインでは確認ができないことや、おおよその情報(80%台、90%台など)の記載しかないこともある。また最近では充放電回数が確認できる端末※3もある。2024年度の中古スマートフォン販売台数は321.4万台(前年度比17.7%増)で過去最高となり、引き続き増加傾向が続くと予想する。さらなる需要拡大の条件としては、中古端末購入を検討する際の懸念点であるバッテリー性能の状態の情報開示徹底が重要となるだろう。
※3:充放電回数とはバッテリーを充電・放電する回数のことで0~100%までの充電と放電を1サイクルとカウントする。例えば、100%までバッテリーが充電された端末を30%になるまで使用し、その後100%になるまで充電し70%になるまで再度利用すると合計100%放電になり1サイクルとなる。サイクル数500回程度でバッテリーの性能が80%程度になるといわれており、今後、充放電回数が表示される端末が浸透していけば、中古端末を選定する上で新たな重要な指標のひとつになるだろう。
■調査概要
1.調査対象: 2024年1月以降にスマートフォンを購入した15~69歳の男女
2.回答件数:1,089人
3.調査方法:Webアンケート
4.調査時期:2025年1月
5.集計分析:2025年2月~4月
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株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀以上にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。
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