カーシェア利用率トップは5都府県すべてで「タイムズカー」

ＩＣＴ市場調査コンサルティングのＭＭ総研（略称MMRI、東京都港区、関口和一所長）は、東京都・愛知県・大阪府・京都府・福岡県に住む15～79歳の男女4万5037人を対象にWebアンケート調査を実施し、カーシェアサービスに関する利用実態をまとめた。

調査結果によると、カーシェアサービスを「利用したことがある」と回答した人は、5都府県すべてで10%未満だった（データ1）^※1。東京都が8.0%で一番多く、大阪府が6.3%と続いた。愛知県が3.0%と5都府県の中で最も低かった。一般財団法人自動車検査登録情報協会（東京都千代田区）によると、2023年3月末時点での自家用車の世帯当たり普及台数は、愛知県は47都道府県中30位で、今回の調査対象エリアでは最も高かった（福岡県：39位、京都府：44位、大阪府：46位、東京都：47位）。このことから、カーシェアの利用率は自家用車の保有率と相関関係があるとみられる。

※1:2024年7月9日「モビリティサービスに関する調査」（2024年6月時点）で公表済
（https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=633）

【データ1】5都府県別、カーシェアサービスの利用率

5都府県すべてでサービス利用率トップは「タイムズカー」

カーシェアサービスを「利用したことがある」と回答した人に、利用したことのあるカーシェアサービスを聞いたところ、5都府県すべてでタイムズモビリティ（東京都品川区）の「タイムズカー」が最も多かった（データ2）。いずれも6～8割近くで、2位以下をほぼ２倍以上引き離している。オリックス自動車（東京都港区）の「オリックスカーシェア」は東京都、大阪府、京都府でタイムズカーに次いで2位となっている。愛知県を中心に展開している名鉄協商（名古屋市）の「カリテコ」は、愛知県では33.0%で2位につけた。

【データ2】5都府県別、利用したことのあるカーシェアサービス（上位5サービスのみ掲載/複数回答）

利用者の約7割がサービスに満足

カーシェアを利用したことがある人のうち、サービスに「満足」「やや満足」と回答した人は67.0%に上り、「不満」「やや不満」と回答した人は4.2%にとどまっている（データ3）。利用者はカーシェアのメリットを十分享受していると考えられる。

2023年に実施した前回調査^※2と比較したところ、利用のきっかけや利用シーン、利用頻度などに大きな変化は見られなかった。「レンタカーよりも安いと思ったから」が利用を始めたきっかけとして最も多いほか、利用シーンも旅行や休日の外出が多く、レンタカーと同じような使われ方が中心で、日常の買い物など自己所有の代わりとしての使われ方は引き続き浸透していないとみられる。

貸出拠点数や車両数も増えているほか、各種割引やポイント施策、観光スポットなどとの連携施策などで、各社とも利便性や魅力の向上に努めている。自家用車を所有する際の購入費や維持費などと比べて、安価にクルマを利用できる点がカーシェアの大きなメリットのひとつ。自動車の販売価格は上昇傾向にあり、この傾向が続けば、カーシェアへの注目度がより高まり、ユーザーが増えていくことも考えられるだろう。

※2:2023年8月24日「モビリティサービスに関する調査」（カーシェア編）
（https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=593）

【データ3】 カーシェアサービスの満足度

■調査概要
調査対象：東京都・愛知県・大阪府・京都府・福岡県に住む15～79 歳の男女4万5037人
調査方法：Webアンケート
調査期間：2024年6月7～11日

■注意事項
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