カーシェア利用率トップは「タイムズカー」

「モビリティサービスに関する調査」(カーシェア編)

2023年08月24日

■3都府県すべてで「タイムズカー」の利用率がトップに、大阪府では7割超

■レンタカーと比較した「コスパ」や利便性の高さが利用のきっかけに

■主な利用シーンは休日の外出や旅行

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、東京都・大阪府・愛知県に住む15~79歳の男女1万7809人を対象にWebアンケート調査を実施し※1、カーシェアに関する利用実態をまとめた。

調査結果によると、カーシェアを「利用したことがある」と回答した人がトップに挙げたカーシェアサービスは、3都府県すべてでタイムズモビリティ(東京都品川区)の「タイムズカー」だった(データ1)。3都府県すべてで2位だったオリックス自動車(東京都港区)の「オリックスカーシェア」にそれぞれ大きく差を付けている。愛知県を中心に展開している名鉄協商(名古屋市)の「カリテコ」を利用したことがあると答えた人は、愛知県が28.0%と、東京都、大阪府にそれぞれ10ポイント以上の差を付けており、愛知県単体で見るとタイムズカー、オリックスカーシェアに次いで3位だった。「モビリティサービスに関する調査」は7月20日にリリースを発表し※2、カーシェアの認知率は58.4%、「利用したことがある」と答えた人は6.4%だった(参考1)。

【データ1】利用したことのあるカーシェアサービス(※上位5サービスのみ掲載/複数回答)

レンタカーと比較した「コスパ」や利便性の高さが利用のきっかけに

カーシェアを利用したきっかけは、「レンタカーよりも安いと思ったから」が35.1%で最も多かった(データ2)。「短時間でも利用できるから」(33.1%)と「24時間365日いつでも利用できるから」(31.3%)がそれに続くなど、利便性の高さをきっかけに利用し始めた人が多いことがわかる。

【データ2】カーシェアを利用したきっかけ(複数回答)

主な利用シーンは休日の外出や旅行

カーシェアの利用シーンで最も多かったのは「休日に出かける際の移動時」の36.7%(データ3)。次いで「旅行や観光先での移動時」が34.4%で、3番目に多い「仕事中の移動」(20.3%)と10ポイント以上の差がある。利用頻度については、「年に数回程度」が48.1%と最も多く(データ4)、休日の外出時や旅行での利用が中心で、普段使いまでには広がっていないことがわかる。

【データ3】カーシェアの利用シーン(複数回答)

【データ4】カーシェアの利用頻度

現状の移動手段に不満がない点が利用への障壁に

カーシェアを利用したことがない人に利用しない理由を聞いたところ、「現在ある移動手段に不便を感じていないから」が28.8%で最も多かった(データ5)。次いで、「利用する場面のイメージが湧かない、必要ない」が26.3%と、3番目に多い「料金が高い、料金を払ってまでは利用したくない」を10ポイント以上離している。その他、登録手続きや決済方法などは特に大きな障壁とはなっていないようだ。

【データ5】カーシェアを利用しない理由(複数回答)

レンタカーではなく自己所有の代替に

カーシェアを利用したことがある人のうち、「サービスに満足している」との回答が6割以上で、「不満がある」と回答した人は5%未満だった。利用ユーザーはカーシェアのメリットを十分享受できていると考えられる。

クルマを所有する際の購入費や維持費などと比べて、安価にクルマを利用できる点がカーシェアの大きなメリットのひとつ。レンタカーと違い、カーシェアは月額制のサービスも少なくないが、「レンタカーよりも安いと思ったから」が利用を始めたきっかけとして最も多いほか、利用シーンも旅行や休日の外出が中心であることを踏まえると、レンタカーの代わりに使われていることが考えられる。ただ、今後、サービスがさらに普及すれば、レンタカーの代替というより、自己所有の代替となることも予想される。普段使いでも利用してもらえるよう、日常に身近な異業種と連携したクーポンなどを出していくことにより、利用シーンや利用ユーザーの幅も広がっていくはずだ。

【参考1】 カーシェアの認知率と利用率

※1 調査概要
調査対象:東京都・大阪府・愛知県に住む15~79歳の男女1万7809人
調査方法:Webアンケート
調査期間:2023年6月9日~同12日 

※2 2023年7月20日発表 「モビリティサービスに関する調査」(2023年6月時点)
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=585

当該調査についての詳細は、市場分析レポートを販売する予定です


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