MM総研大賞2022 <スマートソリューション部門>クラウドストレージ分野 最優秀賞クラウドストレージサービス「Box」
株式会社Box Japan

2022年07月22日

日本市場にマッチしたクラウドストレージ

 

Box Japanが提供する「Box」は、“使いやすさ”と“セキュリティ”を兼ね備えた、法人向けに特化したプラットフォームサービスだ。コンテンツの作成から共有、共同編集、電子サイン、分類、保存まで、多様なコンテンツのライフサイクル全体をサポートし、単なるクラウドストレージではなくコンテンツ管理ができる「コンテンツクラウド」と呼ばれている。コンテンツ管理の重要性が高まるなかで、導入企業が世界中に増加していることに加え、社内外とのコラボレーションやセキュリティ対策など独自の機能を多数備える点が高く評価され、スマートソリューション部門クラウドストレージ分野で最優秀賞を受賞した。

世界売上の18%を日本市場が占める

Boxは2005年にアメリカで個人向けサービスとしてスタートしたが、2009年に法人向けサービスを開始。クラウドを活用したコンテンツ管理へのニーズが年々高まるなかで、コロナ禍の在宅勤務やテレワークの普及も追い風となり、法人需要が世界的に増加している。全世界での導入社数は11万社以上、2022年1月期の世界売上高は8億7000万ドルとなり、日本円にして1000億円を超える規模に成長した。

日本でも2013年にBox Japanを設立以降、右肩上がりの成長を続けている。2019年の導入企業数は約5000社だったが、2021年には1万2000社以上へと拡大。日本の売上高はグローバル売上高の18%を占めるまでに成長した。コロナ禍でのワークスタイルの多様化、企業のDXへの動きなどがこの飛躍的な導入企業の増加につながっている。

パートナーとの連携でユーザーニーズに対応

Boxが日本市場で成長を続けている理由の一つが、市場ニーズに合わせてグローバルから機能強化リクエストを許容したためだ。多くのシリコンバレー企業は本社が機能強化点を独占的に決めるのに対し、Boxは日本のニーズに対して柔軟に対応している。こうした機能強化を含め、ユーザーニーズに対応する上で重要な存在となるのが販売パートナーだ。

日本市場での成長要因として、パートナー販売をメインとした点も非常に大きい。当初は直販も試みたが、クラウドへの抵抗感が大きかったことに加え、各企業の課題や悩みが分からない限り企業ニーズに即した提案が難しく、新興企業がそこまでの信頼関係を築くことは容易ではなかった。一方、パートナー企業となったSIerは、既に顧客企業と信頼関係を構築し、顧客の課題について多くの情報を持っていた。SIerからすれば、法人向けのクラウドストレージは市場に少なく、かつオンプレサーバーに代わる製品として非常に魅力的なものであった。こうしてパートナー企業のBox採用が加速し、間接販売メインへとシフトしていった。パートナー企業は、自社の製品と組み合わせてユーザーニーズに応える開発パートナーとしての側面も担っており、Boxとの関係では互いに良い相乗効果を生んでいるという。

あらゆるアプリコンテンツの一括管理を実現

Boxの最大の特徴は、あらゆるアプリケーションのコンテンツをBoxの中で作成から、共有、共同編集、電子サイン、分類、保存まで、全てのライフサイクルをサポートできる点だ。法人企業では様々なSaaSを利用しているが、コンテンツはアプリごとに保存されているため、作成したコンテンツの保存先が分からなくなるケースが多い。また、セキュリティレベルも異なるためポリシーの一元化が難しい、別のSaaSに移行したくてもファイル移行が難しく躊躇しがちなど、コンテンツ管理に多くの課題を抱えている。

これに対しBoxは、いかなるアプリケーションのコンテンツもBoxというプラットフォーム上で一元管理でき、セキュリティも同一ポリシーかつ、同じ強度で守ることができる。SaaSを乗り換える際もデータを全てBox上に格納しておけばAPIで切り替えるだけなので、すぐに新たなSaaSを利用できる。Boxは、コンテンツをダウンロードせずBox上での利用を推奨している。Box上で使い勝手が悪くないようにローカル上で作業しているようなUIを実現する機能も付けている。仮にダウンロードしたとしても作業中はBox上で共同作業できないようにロックをかける機能もあり、ストレスない作業が可能だ。

セキュリティレベルは常に更新している。直近では日本の官公庁・自治体向けの基準であるISMAPや、病院向けのガイドライン(3省2ガイドライン)のリファレンスも発表した。今後日本の中小企業に加え、官公庁、病院関連、銀行はじめ金融関連業界での導入拡大を目指していく方針だ。

 

MM総研大賞について

「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2022年度の今回が19回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

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