業務ソフトウェアの利用動向調査
ー大企業のRPA導入率は検討中含めると7割超える
2018年11月19日
■ RPAは大企業の3割がすでに利用、導入予定を合わせると7割を超える
■ 中小企業の業務ソフト利用率は1割から3割程度、大企業に比べて普及に遅れ
■ 大企業ではSAP、COMPANYなどの統合管理型ERPパッケージの導入が進む
MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は11月19日、国内法人における業務ソフトウェアの利用動向について調査結果を発表した。全国の企業・団体の役員・社員、自営業者73,444名を対象にWebアンケートを実施し、「財務・会計」、「人事・給与」、「就業管理」、「販売管理」、「生産管理」の各業務におけるERPパッケージや専用ソフトウェアの利用状況を調査。企業規模別(中小=従業員数1~99名、中堅=100~999名、大企業=1,000名以上)にまとめた。
バックオフィスの業務を自動化するツールとして注目される「RPA」は、従業員数1000名以上の大企業の3割がすでに利用。導入検討中の企業を合わせると7割を超える。
従業員数100名未満の中小企業は、業務ソフトウェアを利用する企業は「財務・会計」が3割程度、「就業管理」や「生産管理」が1割程度だった。紙台帳で管理、税理士などに外部委託、一般の表計算ソフトを利用する企業が多く、専用のシステムやソフトウェア、クラウドサービスの活用が遅れている。
従業員数100~999名の中堅企業や1000名以上の大企業では、「財務・会計」が5割程度、最も利用率が低い「生産管理」が3割程度だった。自社開発システムを構築して業務を効率化する企業も多い。
RPAは大企業の3割がすでに利用、導入予定を合わせると7割を超える
認知技術を活用して定型的な作業を自動化する「RPA」 (Robotics Process Automation)が注目されている。「RPA」の利用状況を調査した結果、すでに利用している企業は、中小企業3%、中堅企業17%、大企業37%だった。大企業では導入を検討中の35%を合わせると72%の企業が「RPA」に興味を持っていることが分かった。「RPA」で自動化する業務は、「人事・給与」、「財務・会計」、「就業管理」で、バックオフィスの業務効率化、省人化を目的として導入する企業が多い。
利用中および導入予定の「RPA」ツールは、NTTデータの「WinActor」が最も多く導入シェア1位を獲得。次いで、RPAテクノロジーズの「BizRobo」が続いた。上位2社の製品がそれぞれ2割程度の導入シェアを占めるが、その他に「UiPath」、「Advanced Process Automation」、「Autoブラウザ名人」等を利用する企業も多い。
中小企業の業務ソフト利用率は1割から3割程度、大企業に比べて普及に遅れ
中小企業における業務ソフトウェア利用率は、「財務・会計」が34%と最も高く、次いで「人事・給与」24%、「販売管理」17%と続き、「就業管理」、「生産管理」は12%だった。
紙台帳管理や税理士等に外部委託する企業が「就業管理」では5割程度、他の業務でも3割を超えた。政府は中小企業の労働生産性を向上させるために、IT導入補助金制度などの支援策を打ち出している。しかし、現状では、中小企業のIT活用は遅れており、依然として大きな課題があることが分かった。
業務ソフトウェアの業務別トップシェア製品は、弥生の「弥生会計」、「弥生給与」、オービックビジネスコンサルタントの「就業奉行iシリーズ」、「弥生販売」、OSKの「生産革新シリーズ」。それぞれの業務に特化した専用ソフトウェアで企業の規模や業態、システム運用形態に合せて豊富な機能が提供されている。
大企業ではSAP、COMPANYなどの統合管理型ERPパッケージの導入が進む
中堅企業の業務ソフトウェア利用率は、「財務・会計」55%、「人事・給与」50%、「就業管理」39%、「販売管理」36%、「生産管理」29%。大企業では、「財務・会計」54%、「人事・給与」45%、「就業管理」42%、「販売管理」34%、「生産管理」31%。自社開発システムを利用している企業が多く、「販売管理」や「生産管理」では40%を超えた。
業務別トップシェア製品は、中堅企業では「勘定奉行iシリーズ」、「人事奉行iシリーズ/給与奉行iシリーズ」、「就業奉行iシリーズ」、「商奉行iシリーズ/蔵奉行iシリーズ」、「生産革新シリーズ」。オービックビジネスコンサルタントの「奉行iシリーズ」が4分野でトップシェアを獲得した。
大企業では、「財務・会計」、「販売管理」、「生産管理」の各業務でSAPの「SAP/S4」がトップシェア。「人事・給与」、「就業管理」は、ワークスアプリケーションズの「COMPANY」がトップシェアだった。複数部門の業務を統合管理するERPパッケージソフトウェアの導入が進んでいる。
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<調査概要>
1.調査対象 :全国の会社・団体の役員・社員、自営業者
2.回答件数 :73,444名
3.調査方法 :Webアンケート
4.調査期間 :2018年9月11日~9月18日
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調査の詳細な分析を加えたレポート「業務ソフトウェアの利用動向調査」を発刊いたします。
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