フリマやシェアリング等のコンシューマーアプリの利用実態調査

フリマアプリ利用者の88.8%が「メルカリ」

2019年09月18日

■ 利用率トップは「フリマアプリ」。2位は「スマホゲーム」、3位は「QRコード決済」

■ モノを限定した「カーシェア」「シェアサイクル」は、利用率2.0%弱、利用意向は2倍以上

■ フリマアプリ利用者の88.8%が「メルカリ」

■ アパレルを中心としたサブスクリプションの利用率は1.7%、利用意向は10.5%

MM総研(東京都港区、所長・関口 和一)は9月18日、全国の20代から60代の男女1,061人を対象に実施した「フリマやシェアリング等のコンシューマーアプリ」に関する利用実態調査の結果をまとめた。調査はインターネットアンケート・サービス「NTTコム リサーチ※」の会員モニターを使った。

利用率トップは「フリマアプリ」。2位は「スマホゲーム」、3位は「QRコード決済」

フリマやシェアリング等のコンシューマーアプリ16種類の利用有無、利用意向を聞いたところ、回答数に占める利用率でトップは「フリマアプリ」の21.1%だった。次いで「スマホゲーム(GPS連動型(※)以外)」19.3%、「QRコード決済」16.6%と続く。カーシェア、シェアサイクルはそれぞれ1.9%、1.4%だったが、利用意向の項目で見ると全体の4.7%、3.2%を占めた。【図1】 
(※)GPS連動型…「ポケモンGO」などの位置情報を利用したゲーム

利用率1位のフリマアプリは、経済産業省『電子商取引に関する市場調査』によると2018年度の推定市場規模は6,392億円に上り、2017年度と比較して132%の規模となった。スマホ1つで手軽に始められる点や、自分には不要な物を現金などに変えられる点が人気を集めている。フリマアプリの登場で消費者がモノやサービスの提供者にもなり、消費のあり方も徐々に変わってきている。中古品には消費税がかからないこともあって、今後も順調に伸びていくことが予想される。

2位のスマホゲームは従来のゲーム機のような専用ハードが不要となり、通勤・通学中や空き時間などに利用できる手軽さが受けている。ゲームのコンテンツも質が向上し、「課金あり」のケースが多くなった。最近注目の「eスポーツ」の種目になっているタイトルもあり、人気に拍車がかかりそうだ。

3位のQRコード決済は、キャッシュレス化推進役となった政府の働きかけが大きく影響。2020年の東京オリンピックまでに主要施設では「100%のキャッシュレス決済対応」が実現できるよう、決済端末の設置を急いでいる。PayPayなどの大型キャッシュバックキャンペーンも相次ぎ、事業者間のユーザー獲得も激しい。利用意向を聞いた回答項目では「QRコード決済」が1位になった。


【図1】利用しているサービス/今後利用したいサービス

フリマアプリ利用者の88.8%が「メルカリ」

利用率1位の「フリマアプリ」について利用のパターンを質問したところ、フリマアプリ利用者の70.5%が「出品も購入もどちらもする」と回答した。逆に「出品のみ」は6.7%。利用の有無を年代別で見てみると、20代の利用率が最も高い35.9%だった。世代が高くなるにつれ利用率が下がっていく。【図2】

【図2】フリマアプリの利用有無

前回調査時(2018年2月調査)の「フリマアプリ・オークションサイトの利用動向調査」のデータと比較してみると、利用率は若い世代だけでなく概ね40代や60代も伸びてきていることがわかった。30代が5.2ポイント、40代は10.1ポイント、60代は5.9ポイントとそれぞれ増えた。20代と50代はいずれも微減。
(※前回調査時とは条件を調整したうえで比較。詳しくは補足資料参照)

利用しているフリマアプリについて聞いたところ(複数回答)、「メルカリ」が88.8%で圧倒的に多い。次いで「ラクマ」48.7%、「ヤフオク!(フリマ利用)」35.3%となった。【図3】
販売手数料の安さではラクマが優位に立つものの、メルカリとのユーザー数の差などが大きく響いた結果といえる。ヤフオク!のフリマ利用は、ヤフオク!のオークション利用者がフリマの機能をそのまま利用しているケースが多い。

また、1つのアプリで取引しているユーザーよりも、複数のフリマアプリを使い分けているユーザーの方が多かった。それぞれのアプリの特徴に合わせて用途分けするなど賢い使い方が浸透している。


【図3】利用しているフリマアプリ

アパレルを中心としたサブスクリプションの利用率は1.7%、利用意向は10.5%

サブスクリプションサービスについても、聞いてみた。レンタルとの違いは、レンタルは1回ごとに利用料金が掛かるのに対し、サブスクリプションサービスでは、月額料金を払うことでサービスが受け放題になる。例えば、音楽のサブスクリプションでは月額1000円程度で4000万曲~5000万曲のなかから好みの曲を聞き放題。ファッションのサブスクリプションでは月額7000円程度で、服やバッグを何度でも取り替えて利用できる。利用頻度が高いほどメリットが出てくるサービス形態だ。

利用率を見てみると回答全体のうち「すでに利用している」は1.7%。「今後利用したい」10.5%、「どちらともいえない」23.2%となった。一方で、「あまり利用したくない」19.7%、「まったく利用したくない」45.0%と、利用に否定的な人がまだまだ多いのが実情だ。【図4】

サブスクリプション型のサービスについて意見を聞いてみると、「物を増やしたくないので、自分には合っている」「定額でさまざまなものが試せて得」といった前向きな声が寄せられた。一方の反対意見は「月額料金が割高」「(服など)自分で購入して所有したい」「(服など)借り物は気を遣う」など、料金に対して自分が享受できるメリットが少ないことを理由に挙げている。

サブスクリプション利用の有無・動向を年代別にみる。「すでに利用している」「今後利用したい」の2つを合わせて「利用者&予備軍」とすると、20代の「利用者&予備軍」は19.4%。30代は16.8%。40代は10.0%。50代は9.3%。60代は5.6%となり、フリマアプリ同様に年代が上がるにつれ、比率は下がってくる。サブスクリプションにも多種多様なサービスが現れ始めている。音楽や動画などの「エンタメ」や服やバッグと言った「ファッション」だけでなく、中には定額で「ラーメンが1日1杯無料」「自動販売機の飲み物が1日1本無料」などの飲食型サブスクリプションを展開する動きも現れた。サブスクリプションは新しい消費スタイルだが、サービスの幅が広がっていけば消費者の生活の中に溶け込んでいく余地はあるだろう。


【図4-1】サブスクリプションの利用有無・意向


【図4-2】サブスクリプションの利用有無・意向(年代別)

〔補足資料〕前回調査時(2018年2月6日)との比較

※前回調査時は、「フリマアプリ・オークションサイト」の括りで、20歳以上就業者限定だったので、前回分は「フリマアプリ」の利用者、今回は「就業者」に絞って比較している。
特に若い世代での利用率だけでなく、この1年半で40代や60代の利用率が伸びてきていることがわかった。具体的には20代は1.4ポイント減と僅かながら減少したものの、それ以外の世代では30代が5.2ポイント増、40代は10.1ポイント増、50代は0.1ポイント減、60代は5.9ポイント増と概ね向上した。

 

※調査データの詳細は「フリマやシェアリング等のコンシューマーアプリの利用実態調査」として販売しています。

【レポート詳細はこちら】
詳細レポートでは、各種年代・性別などの属性で「フリマアプリで出品/購入するもの」「フリマアプリの利用頻度」などを比較分析しています。また、シェアリングなどの各サービスごとの利用率や意向も年代別などで分析。その他「フリマアプリでの年間利用金額」「フリマアプリを利用しない理由」等のデータもまとめています。

 

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  • 調査概要
  • 1. 調査対象:全国の20代~60代の男女
  • 2.回答件数:1,061件
    ※男女比 男性(49.3%) 女性(50.7%)
    ※年代構成 20代(19.4%)/30代(20.2%)/40代(19.8%)/50代(20.4%)/60代(20.3%)
  • 3. 調査方法:Webアンケート
  • 4. 調査期間:2019年7月22日(月)~7月23日(火)
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※NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(https://www.nttcoms.com/)が提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
なお、2013年12月9日に、モニター基盤の拡大を機にサービス名称を「gooリサーチ」から「NTTコム リサーチ」と名称を変更し、サービスを提供しています

 

 


■注意事項
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■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

 

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