国内法人における3Dプリンターの導入実態調査(2019年5月調査)

2019年06月17日

■2018年の国内3Dプリンター市場規模は330億円(前年比18.4%増)
■導入率の伸びは鈍化、メリットを得た利用者が本格運用を開始
■造形物の強度向上や3Dデータ作成のサポートが課題

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は6月17日、国内法人における3Dプリンターの導入実態に関する調査結果を発表した。国内法人の34,776人を対象にWebアンケートを実施し、回答者の中から、さらに3Dプリンター機器の導入または3Dプリント出力サービスの(※1)の利用について「決裁権がある」および「選定に関与する」、「利用・運用する」担当者600人を対象に詳細な調査を実施した。

 調査を集計・分析したところ、2018年の国内3Dプリンター全体の市場規模は330億円(前年比18.4%増)となった。2019年5月現在、国内法人における「デスクトップ3Dプリンター」の導入率は4.0%で、「産業3Dプリンター」(※2)の導入率は3.5%だった。2019年は試験的に導入していた利用者が減り、3Dプリンターの特性やメリットを享受した企業等が本格運用に入るフェーズだと推察する。

 ※1 3Dプリント出力サービスとは、施設で3Dプリンター機器が借りられるセルフサービスや3Dデータを送るだけで出力企業が3Dプリンターで出力してくれるサービスを指す。
※2 卓上型のものを「デスクトップ3Dプリンター」、卓上以外の大型のものを「産業3Dプリンター」と定義する。

2018年の国内市場規模は330億円

 今回の調査において、2018年における国内3Dプリンター市場全体の規模は前年比18.4%増の330億円となった。セグメント別にみると、2018年の「デスクトップ3Dプリンター」は5.8億円、「産業3Dプリンター」は136.1億円で、「3Dプリント出力サービス」の実績は56.4億円となった。2021年の市場規模は、2017年比2.4倍の673億円と予測する。

 

導入率の伸びは鈍化、メリットを得た利用者が本格運用を開始

 2019年5月現在、デスクトップ3Dプリンターの利用率は4.0%と2018年1月の前回調査から0.7ポイント増加し、検討率は2.2%(前回調査比0.8ポイント減)となった。一方、産業3Dプリンターの利用率は3.5%と前回から0.4ポイント減少、検討率は2.0%(前回調査比1.1ポイント減)。

 デスクトップ3Dプリンターの導入・検討率を従業員規模別に見ると、1~99人の中小企業の利用率は減少。一方、100~999人の企業は「自社保有」が前回調査比1.5ポイント増の4.3%、1,000人以上の大企業の「自社保有」は前回調査比2.0ポイント増の5.1%となった。従業員規模が大きい企業ほど、自社に3Dプリンターを導入する傾向にある。産業3Dプリンターの導入・検討率は、1~99人の企業が1.6%(前回調査比0.4ポイント増)、100~999人の企業が5.5%(前回調査比2.2ポイント増)、1,000人以上の企業が5.1%(前回調査比0.3ポイント増)という結果になった。2019年は試験的に導入していた利用者が減り、3Dプリンターの特性やメリットを享受した企業等が本格運用に入るフェーズであると推察する。

試作品製造としての利用が多く6割に達する

 3Dプリントする造形物は、「試作品、試作型」(66.0%)のみ前回調査から2.5ポイント増加したが、「模型」が24.1%(16.1ポイント減)、「金型、治具」が16.6%(14.7ポイント減)という結果になった。最終製品を造形する割合は7.2%と前回調査から8.6ポイント減少。模型や金型、最終製品に期待して試験導入していた利用者が減ったためと分析する。具体的な造形物を聞いたところ、何らかの部品やパーツが最も多く、次いで自動車や建築、人体や動物などの模型が多かった。

造形物の強度向上や3Dデータ作成のサポートが課題

 3Dプリンターおよび3Dプリント出力サービスにおいては、デスクトップ3Dプリンターは「操作性の良さ」(27.7%)、産業3Dプリンターは「手頃な運用コスト(機器の維持費、メンテナンス費用など)」(23.5%)、3Dプリント出力サービスは「造形物の精度の高さ(表面の状態や色など)」(27.4%)が最も重視されている。一方、デスクトップ・産業ともに「造形物の強度が低い」が問題となっていることがわかった。造形物の精度は向上しているが、「強度の向上」が課題となっている。3Dプリント出力サービスは「3Dデータの準備に手間がかかる」(26.8%)が最も高く、3Dデータの作成段階からサポートを必要していることがわかった。

 今回の調査結果から3つの課題が浮かび上がった。1つ目は「造形物の強度の強化」で、3Dプリントした造形物を最終製品として扱えるようにするためには必要不可欠だ。2つ目は問題点として上位項目に挙がっている「3Dデータ作成のサポート」。産業3Dプリンター利用者が感じる問題点を従業員規模別に見ると、「3Dデータの準備に手間がかかる」は1~99人の企業(n=49)で18.4%、100~999人の企業(n=76)は30.3%、1,000人以上の企業(n=117)は24.8%といずれでも上位項目に挙がっている。3つ目は「手頃な運用コストの設定」だ。機器本体の維持費、メンテナンス費用などをはじめ、造形材料の低価格化が長期的な3Dプリンターの利用に寄与すると分析する。

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<調査概要>
1.調査対象  :3Dプリンター機器の導入または3Dプリント出力サービスの利用において
「決裁権がある」、「選定に関与する」、「利用・運用する」立場
2.回答件数  :34,776社
3.調査方法  :Webアンケート
4.調査期間  :2019年5月23日~5月24日
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調査の詳細な分析を加えたレポート「国内における3Dプリンター法人導入実態(2019年版)」を発刊いたします。
※レポートの価格、内容等詳細についてはお問い合わせください。

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