MM総研大賞2022 話題賞DX推進のためのオンデマンド型クラウドサービス「Azure Functions」
日本マイクロソフト株式会社

2022年07月22日

サーバーを意識せずに開発可能に

Azure Functions は、マイクロソフトが提供するクラウドサービス。プログラムのビルド、デバック、デプロイといった動作や、アクセスが急増した場合の自動スケーリング、設定された時間にバッチを実行する処理、さらにログデータの収集などを、サーバーの調達や構築、保守を行う必要なく、実行することができる。Azure上でコードを実行すれば、WebAPIやWebサービスを効率的に作成できる点などが高く評価され、話題賞を受賞した。

Azure Functions

必要最低限から利用が可能

Azure Functionsは、記述するコードと管理するインフラストラクチャーを減らし、コストを節約できるクラウドソリューション。関数や機能を処理しない場合にはサーバーでの待機を必要としないことから「サーバーレスコンピューティング」と呼ばれ、アプリケーョン開発などで必要な関数をクラウド上で利用することから、FaaS(Function as a Service)とも呼ばれている。

リクエストやイベントが発生した時にのみ処理を実行するイベントドリブン型で、プログラムを動かしていない時間は課金されず、負荷に応じて自動的にスケールアウトするため拡張性も高く、非常に使い勝手が良いと好評だ。

以前は構築するアプリケーションにしたがって、サーバー、ストレージ、ミドルウェアや開発言語の選択のほか、必要な費用の予測が必要だった。システム稼働後も、ストレージの容量やネットワークの最適化が必要だったが、Azure Functionsを使えば、フルマネージドサービスとしてサーバーなどの開発環境が提供される。ユーザーはサーバー構築やアプリケーションに大量のリクエストが来た場合への対応策やハード障害について心配する必要なく、アプリケーションのロジックを書くことに集中できるようになった。

連携サービスと対応環境の多さがウリ

リクエストやイベントは時刻の指定やデータベースへの追加、HTTP要求など11種のトリガーに対応し、Web APIのビルド・デプロイやファイルのアップロードを検知しての処理、タスクのスケジュール処理、IoTデータストリーム処理、データのリアルタイム処理などで使われる。

その接着剤のような使い勝手の良さからユースケースが非常に幅広いことが特徴だ。使える環境はVisual Studio Code、コマンドプロンプトまたはターミナル、Visual Studio 2019、EclipseやMavenなど。対応するプログラミング言語もC#、Java、JavaScript、PowerShell、Pythonなど多様だ。こうした使いやすさはユーザーの幅広さにも繋がっている。マイクロソフトのサービスの中でも大企業から中小企業まで裾野が広く、個人で使われるケースも多い。使われる業種もIT系のみならず、さまざまで、自社製品の中に当たり前に組み込まれることが多いためユースケースは追いきれないほど存在するとしている。特にコストをうまく落としてサービス運用したい人の間で評価が高い。開発期間の短縮につながったという声も多いようだ。

料金プランは従量課金プラン、Premiumプラン、App Serviceプランの3種類。最もスタンダードな従量課金プランでは実行回数100万回まで無料。以降100万回につき0.20ドル程度。使用メモリでは400,000GB秒までは無料で以降1GB秒につき0.000016ドル程度と安価な価格で利用可能だ。

同サービスはグローバル共通のサービス提供となり、更新頻度も年に何度も細かいアップデートを繰り返している。コミュニティからの動作要望の反響が多く今後もコミュニティからの意見を聞きながら、改良を続けていく方針だ。

 

MM総研大賞について

「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2022年度の今回が19回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

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■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。