MM総研大賞2022 <スマートソリューション部門>ローカル5G分野 最優秀賞マネージド・ローカル5Gサービス「ギガらく5G」
東日本電信電話株式会社

2022年07月22日

本格的な5Gスタンドアローン機能を
ワンパッケージで提供

 

NTT東日本では「ギガらくWi-Fi」などの企業のネットワーク環境をその導入から保守・運用までを一括してサポートするサービスを提供してきた。「ギガらく5G」は、本格的な5Gスタンドアローン機能と事前手続きから設計・構築・運用までをワンパッケージにしたマネージド・ローカル5Gサービス。導入しやすい手頃な料金となっており、産業DXや地域課題解決に貢献するサービスとして評価された。


ギガらく5G のサービスイメージ

トータルITOをワンパッケージにして手頃な料金で提供

企業や自治体が無線免許を取得して専用の5Gネットワークを構築するローカル5G。オフィスや店舗、工場などの施設内や、屋外の特定エリアに高品質なワイヤレスネットワークを整備できる制度として期待されている。NTT東日本は、2019年12月の制度開始以来、東京・調布にローカル5Gオープンラボを開設し、産学共同で検証を進めるとともに、約2年間で200社程度の企業とローカル5Gの様々なユースケースに取り組んできた。その活動の集大成として、2022年5月に「ギガらく5G」を提供開始し、ユーザーがローカル5Gを導入する際の課題を解決するサービスとして市場の期待も大きい。

ローカル5Gの導入には、ワイヤレスネットワークの構築や保守・運用の専門知識に加え、通信機器の導入コストや運用コストが導入のハードルになっていた。「ギガらく5G」は、キャリアグレードの本格的な5Gスタンドアローン機能と電波シミュレーションから電波免許の取得、ネットワーク設計、システム構築、更には導入後の運用・サポートまでのトータルITOをワンパッケージにして提供。NTT東日本がトータルITOとして提供することで、ワイヤレスネットワークの専門知識を持つ人材がいない企業や自治体でも導入できるようにした。

基地局、コアネットワークなどの通信システム費用、工事費用、運用保守費用など、ローカル5Gにかかる5年間のトータルコストを従来価格の約5分の1となる約2000万円程度での提供を実現。コストパフォーマンスが高い通信機器の採用と、コアネットワーク機能の大半をNTT東日本のデータセンターに置くことで低廉化を実現した。料金メニューは、「サブスクリプション型」と「一括支払い型」の2パターンあり、「サブスクリプション型」の場合、最小構成であれば約30万円/月で利用が可能。

アップリンク最大466Mbpsを実現

「ギガらく5G」は、アップリンクの通信割合を増やす「準同期(TDD1)」に対応し、最大466Mbps、実行速度424Mbpsのアップリンク通信を可能にした。この機能は4K/8Kなどの高画質カメラで撮影した映像の遠隔地への送信などで効果を発揮する。Wi-Fiでも理論上は可能だが、無線免許が必要ないWi-Fiは電波干渉によって通信が安定せず、画質が乱れる懸念がある。現場の高精細映像を中央監視役へアップロードして分析するニーズは様々な業種で利用が見込まれる。今後ローカル5Gが普及するひとつのきっかけになるのではないか。

最初の試験導入ではアンテナ1本のスモールスタートが可能だ。本格導入を決めたタイミングでアンテナを増設するなど、拡張性が高いサービスとなっている。また、コアネットワーク機能の一部であるUPF(User Plane Function)をユーザーの5Gサービスエリア内に置くことで、既存のLAN環境への接続も実現した。

ローカル5Gで地域課題の解決に貢献

NTT東日本では、ローカル5Gオープンラボを起点に、地域課題の解決に向けて様々な業種の企業や団体とユースケースの創出に取り組んできた。高精細映像を活用した現場把握や遠隔制御は、農業や製造・物流、建設・交通などの分野で利用が拡大しており、工場や物流施設でのAIを活用した検品の自動化、自動運搬車の複数台制御、建設現場での重機の遠隔操作、空港や敷地内での自動運転バスなど、ローカル5Gの利用ニーズの裾野は広がっている。今後もパートナー企業と協力して、産業DXの加速と地域課題解決を目指す。

 

MM総研大賞について

「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2022年度の今回が19回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

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