MM総研大賞2021 〈スマートソリューション部門〉 スマートデバイス分野 最優秀賞AI搭載360度会議室用webカメラ「ミーティングオウル」
Owl Labs/ソースネクスト株式会社

2021年07月19日

発言者への自動フォーカスなど臨場感のあるWeb会議に貢献

 

コロナ禍でWeb 会議が日常的に行われる中、誰が話しているのか分かりづらい、表情が分かりづらいなどの課題が浮き彫りになっている。こうした課題解決に応える商品として支持を集めているのがAI 搭載360度会議室用web カメラ「ミーティングオウル」である。開発を担当する米国のベンチャー企業Owl Labsと、日本での販売を担当しその普及拡大に貢献しているソースネクストの両社が最優秀賞を獲得した。

 

AI が話者に自動フォーカス

「ミーティングオウル」は360度カメラ、マイク、スピーカー一体型のWeb会議用カメラだ。標準価格は126,500円(税込)。最大の特徴はカメラ、マイク、スピーカーが一体となったオールインワン型である点と、360度カメラが会議室全体を映し出し、AIが発言者を自動フォーカスする点だ。発言者を自動的に大きく映し出すので、誰が話しているのかがすぐ分かり、その表情まで捉えることができる。まるで対面しているかのような感覚で臨場感と一体感のある会議を開催することが可能だ。音声面ではエコーキャンセリングと音量均一化の機能で、会議の参加者全員の声が聞こえやすくなるよう自動調整してくれる。本体には合計8個のマイクを搭載し、半径5.5m まで認識可能であり、外部スピーカー/マイクと併することで、より広い会議室にも対応できる。

対応するWeb会議システムもZoom、Google Meet、Microsoft Teams、Cisco WebEX、Slack、BlueJeans など幅広い。カメラ、マイク、スピーカーの一体型のため持ち運びも容易で、カメラやマイクを別々に設定する手間がかからない点も大きな魅力となっている。

累計出荷台数は15,000台を突破

「ミーティングオウル」の開発メーカーは米国のベンチャー企業であるOwl Labs 社だ。2014年に設立され、ボストンに本社がある。共同創設者のCTO Mark SchnittmanとMax Makeev を含む社員の一部は、ロボット掃除機「ルンバ」を開発しているiRobot 社の元スタッフで、同社での経験やノウハウが「ミーティングオウル」の開発にも活かされているという。

日本での販売はソースネクストが担当している。同社は2020年4月に「ミーティングオウル」の日本国内での独占販売権を取得するとともに、500万ドルを出資し、資本提携も行っている。もともとソースネクストの米国チームのメンバーの中に、Owl Labs と過去に取引経験を持った社員がいたという。2020年2月頃、新型コロナウィルスの感染拡大が大きな社会問題となる中、今後Web会議の重要性が高まることを社内で検討していたときに、Owl Labs 社と「ミーティングオウル」が浮上。その後、Owl Labs 社との協議を経て、戦略的なパートナーシップの締結に至ったという。

販売ルートは大手ディストリビューター経由のB to B販売が多く、そのほか、家電量販店、自社やAmazonなどのオンラインショップでも販売している。ユニークなTVCMやタクシー広告などで製品の認知度も上昇。2020年7月の発売開始から、導入企業数は大手企業などを含め着実に伸びており、2021年6月時点で累計出荷台数は15,000台を突破した。

オンライン会食など利用シーンも広がる

ソースネクストでは翻訳機(POCKETALK)、ソフトウェア販売と並ぶ第3の事業の柱として、テレワーク関連製品の販売に注力している。その中核的な商材として「ミーティングオウル」の販促を今後も強化していく方針だ。会議室での利用がメインとなっているが、学校やレストランでのオンライン会食など、新たな利用シーンも広がりつつある。利用者から寄せられる声や要望もOwlLabs社にフィードバックされ、搭載されているAI 機能の継続的な向上につながっている。今後も機能や品質に加え、導入後の生産性やコミュニケーションの質の向上にどれだけ貢献できているかといった点も重視しながら販促に取り組んでいく考えだ。

MM総研大賞について

「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2021年度の今回が18回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

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