大賞はNTTドコモの「ahamo」

「MM総研大賞2021」審査結果を発表

2021年06月23日

■最高賞の大賞は、NTTドコモの新料金プラン「ahamo」

■スマートソリューション部門賞はIOWN Global Forum、楽天モバイル、NTT Com、NECなど11件

■話題賞はKDDI/渋谷未来デザイン/渋谷区観光協会、国土交通省

■審査委員賞はソフトバンク、富士通、PKSHA Technology/BEDORE

ⅠCT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、「MM総研大賞2021」 (審査委員長:村井純 慶應義塾大学教授)の最終審査を終え、「大賞」「スマートソリューション部門賞(分野別最優秀賞)」「話題賞」「審査委員賞」を決定した。MM総研大賞はICT分野の市場、産業の発展を促すことを目的に2004年に創設した表彰制度で今回で18回目となる。

最高賞となる大賞は、これらの中から最もICT産業の発展に寄与すると評価できる製品・サービスを選んだ。次世代のスマート社会を支える技術やサービスを表彰するスマートソリューション部門では、設定した8分野ごとに「最優秀賞」を選定。ICT分野にとどまらず社会的に大きな話題になった製品やサービスを「話題賞」として、また、審査委員から将来のICT市場にも大きなインパクトを与えると評価された商品を「審査委員賞」として、それぞれ選出した。

最終選考では村井純氏を審査委員長とする審査委員会での厳正な審査の結果、下記16の製品・サービスが選出された。

1. 大賞  

NTTドコモ『ahamo』
「大賞」はNTTドコモの新料金プラン『ahamo』に決定した。データ容量20GBで税込2,970円と、従来の大容量プランに比べ大幅な値下げを実現。開始からわずか1か月あまりでデジタルネイティブ世代を中心に100万契約を達成した。『ahamo』の発表をきっかけとして、他の移動体通信事業者やMVNO各社が相次いで従来より割安な新料金プランを導入するなど、日本の携帯市場の料金体系に大きなインパクトと変化をもたらした点が高く評価された。

 これによりスマートソリューション部門の「モバイル通信サービス分野」での最優秀賞に加え、今回選出された全16商品・サービスの中で最高の評価に値すると判断し、MM総研大賞2021の「大賞」を獲得した。NTTドコモの「大賞」受賞は、2016年の『+d』に続く2度目の受賞となる。 

2. スマートソリューション部門賞

スマートソリューション部門では8分野で、下記の11製品・サービスが最優秀賞に選出された。

■モバイル通信サービス分野 最優秀賞

5G商用サービスの開始と対応端末の増加、政府主導による競争環境の整備など、モバイル市場を取り巻く環境は大きく変化している。通信事業者各社は5Gの本格普及に向けたサービス拡充の中で、新たな料金プランにも積極的に取り組んでいる。この「モバイル通信サービス分野」で最優秀賞に輝いたのがNTTドコモと楽天モバイルである。

楽天モバイル『Rakuten UN-LIMIT Ⅵ』
楽天モバイルでは、2020年4月にMNOとして市場に本格参入して以来、「1年間無料キャンペーン」などを積極的に展開し、利用者を獲得してきた。新たな料金プラン『Rakuten UN-LIMIT Ⅵ』では、1回線目において月間のデータ利用量が1GB以下の場合、プラン料金 が0円。国内通話も「Rakuten Link」利用で無料(一部対象外番号あり)となるなど、利用状況に応じて料金が変わる柔軟でシンプルな料金プランが高く評価された。

※NTTドコモは大賞を参照

 

■次世代社会インフラ分野 最優秀賞

ビックデータの活用やAIの社会実装などに加え、これらを支える超高速ネットワークの整備が進んでいる。次世代社会を支える新たなインフラが徐々に具現化しつつある。この「次世代社会インフラ分野」で最優秀賞を獲得したのが、IOWN Global Forumの『IOWN構想』と東芝デジタルソリューションズの『量子暗号通信』である。

IOWN Global Forum『IOWN構想』
IOWN Global Forumは、NTT、インテル、ソニーの3社が2020年1月に設立した国際フォーラム。現在では国内外から多くの企業が参画し、その数は58にまで拡大している(2021年6月時点)。同フォーラムが推進する『IOWN構想』は、光を中心とした革新的技術を活用し、従来のインフラの限界を超えた高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供する次世代のコミュニケーション基盤の構想だ。次世代社会インフラとしての将来性が高く評価された。

東芝デジタルソリューションズ『量子暗号通信』
理論上盗聴が不可能とされ、量子コンピュータ時代のセキュリティ問題を解決する量子暗号通信。東芝は20年以上にわたる研究開発で世界トップの技術を保有する『量子暗号通信』の技術を用い、理論上盗聴が不可能な新時代のセキュア通信を事業化。多重化および長距離モデルの量子鍵配送製品を開発した点が先進性、将来性の高さとして評価された。

 

■次世代インターコネクトサービス分野 最優秀賞

NTTコミュニケーションズ 『Flexible InterConnect』
企業を取り巻くネットワーク環境は年々多様化しており、マルチクラウドやハイブリッドクラウド環境での運用など、その利用形態も複雑化している。こうした環境下での効率的な運用・管理を支援する「次世代インターコネクトサービス分野」で最優秀賞に輝いたのが、NTTコミュニケーションズの『Flexible InterConnect』である。企業とクラウド、データセンターなどをオンデマンドかつ閉域でセキュアに接続する。ニューノーマル時代のICTに必要な「変化への適応」「分散化への対応」「安心・安全」を簡単に実現できると多くの企業に選ばれている点が高く評価された。

 

■デジタルツイン分野 最優秀賞

Cognite AIデータプラットフォーム『Cognite Data Fusion』
現実に存在する工場や製造設備などをそのまま仮想空間上に再現させる技術が産業分野におけるデジタルツインである。製造現場におけるプロセスの最適化や設備の遠隔監視を実現するソリューションとして導入に向けた動きが加速している。この「デジタルツイン」分野では、CogniteのAIデータプラットフォーム『Cognite Data Fusion』が最優秀賞を獲得した。産業設備などに存在する様々に分断されたデータや3Dデータ、ロボットにて撮影した画像データなどを統合、紐づけを実現するデータ統合プラットフォームだ。動的な仮想モデル・デジタルツインの構築を支援し、生産量の最大化、メンテナンスの効率化等の実現に貢献する点が高く評価された。

 

■働き方/学び方改革ソリューション分野 最優秀賞

グーグル・クラウド・ジャパン『Google Workspace』
コロナ禍で新たな生活様式への転換が進む中で、特に大きな変化が起きているのが働き方や学び方だろう。この新常態への変化・対応を支援する「働き方/学び方改革ソリューション分野」で最優秀賞に選出されたのが、グーグル・クラウド・ジャパンの『Google Workspace』だ。グループウェアとして利用可能な組織向けオンラインアプリケーションセット。オフィスで使う機能が揃ったクラウドサービスの提供により利用者のコロナ禍での業務効率を向上させたことが高く評価された。

 

■セキュリティ分野 最優秀賞

NEC 本人確認サービス『Digital KYC』
eコマース市場の拡大の中で、スマートフォンによるオンライン決済が急拡大している。一方で個人情報の流出や不正利用などをいかに防止するかも重要な課題となっている。この「セキュリティ分野」ではNECの本人確認サービス『Digital KYC』が最優秀賞を獲得した。世界No.1の精度を誇るNECの顔認証技術を活用した、スマートフォン完結型の本人確認サービス。信頼性の高さに加え、キャッシュレス決済サービスで広く利用されるようになってきたことが高く評価された。

 

■スマートデバイス分野 最優秀賞

「スマートデバイス分野」の受賞企業は2件で、Owl Labs/ソースネクストと日本マイクロソフトが受賞した。いずれもコロナ禍での働き方改革や学び方改革を支えるデバイスを提供している。

Owl Labs/ソースネクスト AI搭載360度会議室用webカメラ『ミーティングオウル』
コロナ禍で急速に導入が進んだのがWeb会議システムである。社内会議や取引先との打ち合わせなどもその多くがWeb会議で行われるようになった。一方で、日常的にWeb会議を行うなかで、誰が話しているのか分かりづらいなどの課題も浮き彫りになっている。こうした課題解決に応える商品として支持を集めているのがAI搭載360度会議室用webカメラ『ミーティングオウル』である。開発を担当する米国のベンチャー企業Owl Labsと、日本での販売を担当しその普及拡大に貢献したソースネクストが受賞企業となった。同製品は360度カメラ、マイク、スピーカー一体型のWeb会議用カメラだ。AI機能で話者を自動フォーカスし、その表情まで捉えることができる。Web会議のニーズに応える商品として高く評価された。

日本マイクロソフト『Surface Go 2』
在宅勤務やオンライン授業が日常化するなかで、セカンドPCとして、コストパフォーマンスの高いPCへのニーズが高まっている。特に、Web会議などでのパフォーマンスの高さに加え、必要に応じて外に持ち出し利用できる携帯性の高さが求められている。こうしたニーズに応える製品として多くのユーザーの支持を集めたのが日本マイクロソフトの『Surface Go 2』だ。Surfaceシリーズの中で最も低価格かつコンパクトな2-in-1PCで、テレワークや教育用PCとして十分利用できる性能を低価格で実現したことが高く評価された。

 

■ヘルスケアICT分野 最優秀賞

MICIN オンライン診療サービス『curon(クロン)』
外出自粛が続くなかで、オンライン診療を提供する医療機関が増加している。オンライン診療に対する認知度も急速に高まっており、厚生労働省も利用拡大に向けた環境整備に取り組んでいる。この「オンライン診療サービス分野」で最優秀賞に輝いたのが、MICINのオンライン診療サービス『curon(クロン)』だ。スマートフォンなどで診察が受けられるオンライン診療サービスで、コロナ禍の中で場所を選ばず遠隔地からの受診を可能にし、医療の継続に貢献している。サービスの先進性、受容性の高さが評価された。

 

3. 話題賞

「話題賞」は国土交通省と、KDDI/渋谷未来デザイン/渋谷区観光協会の2件となった。

国土交通省『PLATEAU(プラトー)』
スマートシティをはじめとするまちづくりに欠かせないのが、地図データなどをもとに作成する3D都市モデルの活用だ。話題賞を受賞した国土交通省の『PLATEAU(プラトー)』は、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクトとして2020年夏より本格的に始動。サイバー空間に都市を再現し、まちづくりや防災政策などに活用するのが狙いだ。開始1年で全国56都市のモデルを公開するなどその実績が評価された。

KDDI/渋谷未来デザイン/渋谷区観光協会『渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト』
KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会を中心に、様々な企業・団体が加わり、新たな文化創造の取り組みとして推進しているのが『渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト』である。オンライン上でイベントが実施可能な「バーチャル渋谷」など、エンターテイメント領域を中心にau 5GやAR/VRなどの先端テクノロジーを活用した様々な取り組みが大きな話題を集めている。本格的な5G時代の到来に向けた取り組みとして高く評価された。

 

 4.審査委員賞

審査委員が、商品の持つ将来性の高さや技術力の高さなどをもとに選定する審査委員賞では、下記3件が選出された。

ソフトバンク『Smart City Platform』
ソフトバンクは、東京・竹芝を新たな拠点として、東急不動産との共創によるスマートシティづくりに取り組んでいる。ビルや街のデータをリアルタイムに収集し、活用するためのデータプラットフォーム『Smart City Platform』によりビル内外のあらゆるデータを活用してスマートビルを構築すると同時に、モビリティやVR、5Gなど幅広い領域で最先端のテクノロジーを検証している。こうしたスマートシティのモデルケース構築に向けた取り組みが高く評価された。

富士通『AI体操採点システム』
様々な競技種目の中には技の高度化や複雑化に伴い、人間の目だけでは公正な判断が難しいケースが増えている。こうした課題に対し、審判員の判断を支援する、AIを活用した採点システムの開発が進められている。富士通の『AI体操採点システム』は、3Dセンサーでのデータ取得、骨格認識、DBマッチングまでの一連の処理が可能で、国際体操連盟で2019年より採用されている。採点の公平性に貢献する点が高く評価された。

PKSHA Technology/BEDORE
『機械学習、ディープラーニング技術を活用したアルゴリズム
プロダクト』
PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)は、アルゴリズムの研究を行う技術者・研究者により創業。アルゴリズム領域の最先端技術の開発からその応用までをワンストップで行っており、自然言語処理、画像認識に加え、『機械学習・ディープラーニング技術を活用したアルゴリズムプロダクト』を提供している。同社の自然言語処理部門であるBEDORE (べドア)が提供する汎用型対話エンジン「BEDORE」は、接客・​コールセンター・FAQ対応などのカスタマーサービス領域での採用が進んでおり、国内のAI実装に貢献した点が高く評価された。

 

以上、MM総研大賞2021は、大賞 兼 スマートソリューション部門賞1件、スマートソリューション部門賞10件、話題賞2件、審査委員賞3件の合計16件となった。

 

 [参考] これまでの「大賞」受賞企業は、以下の通り。

MM総研大賞2004 松下電器産業(Panasonic)『DIGA』 (DVDレコーダー)
MM総研大賞2005 シャープ『AQUOS』 (液晶テレビ)
MM総研大賞2006 アップルコンピュータ『iPod + iTunes Music Store』
MM総研大賞2007 JR東日本『Suica』『モバイルSuica』とPASMO協議会「PASMO」の共同受賞
MM総研大賞2008 ソニー 有機ELテレビ『XEL-1』 (有機ELテレビ)
MM総研大賞2009 トヨタ自動車『Prius』
MM総研大賞2010   日本経済新聞社『日本経済新聞電子版』
MM総研大賞2011 パナソニック『エコナビ』
MM総研大賞2012 サムスン電子ジャパン『GALAXY』
MM総研大賞2013 JR東日本『Suica』
MM総研大賞2014 エネット『EnneSmart』
MM総研大賞2015   ソフトバンクロボティクス『Pepper』
MM総研大賞2016 NTTドコモ『+d』
MM総研大賞2017 日立製作所 IoTプラットフォーム『Lumada』
MM総研大賞2018 NEC 次世代イノベーションプラットフォーム『SX-Aurora TSUBASA』
MM総研大賞2019 富士通 次世代アーキテクチャ『デジタルアニーラ』
MM総研大賞2020   富士通 スーパーコンピュータ『富岳』

以上

 

「MM総研大賞2021」概要

【参考1】 MM総研大賞2021の開催主旨

「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2021年度の今回が18回目になります。優れたICTの技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

 

【参考2】 表彰対象

1.スマートソリューション部門  (8分野)
  ①モバイル通信サービス分野
  ②次世代社会インフラ分野
  ③次世代インターコネクトサービス分野
  ④デジタルツイン分野
  ⑤働き方/学び方改革ソリューション分野
  ⑥セキュリティ分野
  ⑦スマートデバイス分野
  ⑧ヘルスケアICT分野

2.話題賞

3.審査委員賞

4.大賞

 

【参考3】 評価基準 /評価方法

◆スマートソリューション部門
スマート社会の核となるスマートソリューションが対象。その対象となる製品・サービス事業全般に対する「認知度」、「信頼性」、「使いやすさ」、「先進性/革新性」、「独創性」、「価格妥当性」、「市場性」に加え、将来性を図る評価軸として、「基盤製品・サービスとしての可能性」(※一つの製品・サービスの上に大きな付加価値市場ができ上がる基盤サービス・製品となる可能性)などの項目を評価基準とする。個人消費者およびビジネスユーザーを対象としたインターネットアンケート(1,500件)、またノミネート企業に対するMM総研研究員による取材活動等による評価を材料として、最終的には外部有識者からなる審査委員会の協議により、受賞企業を決定する。

◆話題賞
「話題賞」は、ICT産業に大きなインパクトを与え、大きな話題を集めた製品・サービスを対象とする。2020年度の話題性などに加え、今後のICT業界全体への影響度の大きさも評価基準とする。個人消費者およびビジネスユーザーを対象としたインターネットアンケート(1,500件)を基に選出された製品・サービスに関し、外部有識者を含む審査委員会が、「話題性」や「今後のICT業界への影響度」などを選考基準に、「話題賞」を選定する。

◆審査委員賞
「審査委員賞」は、ICTの分野で、卓越した技術で「先進性」「革新性」などに優れ、さらに将来のICT市場にも大きなインパクトを与えると各審査委員から評価された商品を対象とする。

◆大賞
スマートソリューション部門賞、話題賞、審査委員賞に選出された製品・サービスの中から、外部有識者を含む審査委員会が、「スマート社会への貢献度」「今後のICT業界への影響度」などを選考基準に、大賞を選定する。

 

【参考4】 審査委員

審査委員長    村井純           慶應義塾大学教授
審査委員     天野肇       特定非営利活動法人ITS Japan 理事
審査委員     篠﨑彰彦      九州大学大学院 経済学研究院 教授
審査委員     林千晶       株式会社ロフトワーク 取締役会長
審査委員     西田宗千佳     フリージャーナリスト
審査委員     作山哲二        MM総研 研究課長


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