MM総研大賞2021 〈スマートソリューション部門〉 働き方/学び方改革ソリューション分野 最優秀賞Google Workspace
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

2021年07月19日

デジタル時代の働き方の最前線「Google Workspace」

 

グーグル・クラウド・ジャパンの「Google Workspace」はグループウェアとして利用可能な組織向けオンラインアプリケーションセット。大容量メールやファイルストレージ、カレンダーやビデオ会議などの機能をフルクラウドで提供する。オフィスで使う機能が揃ったクラウドサービスの提供により利用者の業務効率を向上させたことが高く評価された。  

 

構造化しないデータ保有で差別化

Google Workspaceは大容量でのGmailやカレンダー、ドライブ(ファイルストレージ)、Meet(ビデオ会議)、ドキュメント/スプレッドシート/スライド(オフィスソフト)など12のコアアプリケーションと60を超えるGoogleのサービスをフルクラウドで提供するグループウェア。2020年の10月に「G Suite」をリブランドし誕生した。無料で利用できる機能がほとんだが、有償版では以下のような特徴がある。

 ①組織で使うことを前提としており、同じグループで簡単に「共有」できる
 ②フルクラウドサービスのためGoogleの強力なセキュリティ基盤をそのままビジネス利用できる
 ③デバイスやユーザーごとに細やかな組織管理機能が使える
 ④Gmailで独自ドメインが使える

こうした点が評価され、600万社以上で使われるサービスに成長した。日本国内でも全日本空輸や損害保険ジャパンなどの大手企業からベンチャー企業までユーザー層は広い。

初期費用は不要で、アカウント単位の月額料金を支払えば利用可能だ。料金プランは7種類あり、ドライブのストレージ容量やMeetの最大参加人数と録画の有無、高度なセキュリティ機能の有無などの違いで選択できる。最も安いプランでは1ユーザー月額料金680円で利用できる。

用途の売りは「円滑なコミュニケーションツール」。例えば1つのスプレッドシートを複数人で(オンラインで会話をしながら)同時編集したり、メールで来た内容をそのままスケジューラーやWeb会議予約と連動して登録したりする。

一番の差別化ポイントはシンプルな使いやすさを優先した設計思想。中でもデータの持ち方だ。これまで企業は組織ごと階層別に構造管理されたデータを持つことが基本だった。しかし、検索エンジンで成長してきたグーグルでは情報の透明性を高めることが設計思想にあり、フォルダ分けをしなくても利用しやすいように、検索エンジン同様に文字で検索することで簡単に必要資料にアクセスができる。検索はひらがな、カタカナ、漢字、英語の表記を自動変換し、ドキュメント/スプレッドシート/スライドの中身・メール・PDFファイル・画像ファイルに記載された文字など多くの種類のファイルの中身までも横軸で検索できる。この機能はGoogleの検索エンジンの技術を流用したもので、ユーザーがGoogle Workspaceを利用する一番のモチベーションになっている。Google検索と同じ感覚で直感的に利用できるとデジタルネイティブ世代からシニア層まで好評だ。

また、各ツールの細かい部分でAI機能を実装している。ユーザーの権限設定に応じ、自動でメールの内容を解釈し、短く適切な返信文を提案したり、画像ファイルをアップロードすると、画像上のテキストを自動でOCR解析し、画像に記載された文字までも検索するといったAI活用ができる。ビジネス版ではこれらの情報が広告など外部に利用されることはない。

翻訳機能で海外とのWeb会議も便利に

今後の開発の方針としては2021年内に新たな体験「smart canvas」「スペース」を追加するなど大幅アップデートを計画している。追加機能の一例は@マークのメンションを使って外部の情報を組み込める機能だ。例えばオフィスソフトのファイル上で複数のアプリを行き来することなくほかのファイルのプレビューをしたり、参加メンバーの情報を参照したり、Web会議にリンク付けしたりする。翻訳機能もリリースされ、今後Web会議で日本語字幕機能の実装も予定している。

MM総研大賞について

「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2021年度の今回が18回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

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■MM総研について
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