Microsoft Office製品を軸に進化するソフトウェアサービス

Microsoft 365は、Microsoft Officeアプリケーションに高機能なクラウドサービス、デバイス管理、セキュリティを組み合わせたマイクロソフトが提供する統合型SaaSだ。利用金額は、Microsoft 365 Business Basicが1ユーザーあたり月額540円からと、同様の機能を用途別に複数サービス契約するよりも低コストで導入可能だ。

Microsoft 365に含まれるのは、Microsoft Teamsをはじめ、多くのビジネスパーソンになじみ深いExcelやPowerPoint、OutlookといったOfficeアプリケーション、クラウドストレージのSharePoint Online、メールや予定表のExchange OnlineといったOfficeサービスなど多岐にわたり、企業や教育機関など、組織の運営や連携に欠かせない機能を備える。SaaSの特性を活かし、今や利用者個人の働き方に関する洞察（インサイト）や、繰り返し作業の効率化など、日々機能強化と利便性改善が行われている。

2020年3月にOffice 365のブランドを刷新し、個人向けOffice 365 SoloはMicrosoft 365 Personalに、法人向けのOffice 365 Business PremiumをMicrosoft 365Business Standardに変更するなどした。従来のOfficeを中心としたソフトウェアのSaaS化ではなく、マイクロソフトが持つソフトウェア技術の総力を集め、サービスとして日々進化させている。そのような決意のこもった名称変更と感じるのだ。

いつでもどこでも、利用端末を問わずコラボレーションに参加できるMicrosoft Teams

コラボレーションプラットフォームMicrosoft Teams（以下、Teams）はMicrosoft 365のアプリケーションの一つ。Microsoft 365で提供されるExcel、PowerPoint、SharePoint、OneDrive、OneNoteなどのハブとして機能するツールだ。社内外のコラボレーションを効率的に行うために必要なチャット、ファイル共有、Web会議機能などを提供する。近年、競合製品が増えているが、同社ならではの特徴は、Microsoft 365で提供する自社アプリに加え、他社のアプリもTeams上で連携活用できる点だろう。Teamsをプラットフォームとして活用し、機能ごとにアプリを切り替える必要がなく、複数ツールをバラバラに利用するストレスからの解放と生産性向上に確実に寄与する。

チャット、通話、Web 会議、ファイル共有などを一サービス上で完結

現状、多くのコミュニケーションツールの利用が増加しているが、Microsoft 365及びTeamsの利用者数も急増している（図1）。他アプリとの連携を先に紹介したが、そもそもTeamsはチャット、通話、Web 会議、ファイル共有などを一つのツールからできる点が他のサービスとの違いだ。また、連携する600以上のアプリを企業やユーザーの使い方に合わせ自由にカスタマイズ可能な点も特徴だ。

新常態をめざして

MM総研大賞審査委員会は、Microsoft 365が、新常態下の日本のすべての組織に、より効率的に、創造的に進歩するための強力なツールとなると期待して選出をした。日本マイクロソフトも、日本の組織が、これまでの常識や慣習にとらわれず新常態を創り上げることに貢献したいと考え、ツール開発に加えて、自社実践やユーザー事例等を通じ、新しい働き方や組織運営などのノウハウを広く共有していきたいとしている。

MM総研大賞について

「ＭＭ総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、ＭＭ総研が2004年に創設した表彰制度です。2020年度の今回が17回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

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■ＭＭ総研について
株式会社ＭＭ総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。