MM総研大賞2020 〈スマートソリューション部門〉スマートデバイス分野「Chromebook」
グーグル合同会社

2020年09月11日

「GIGAスクール構想」の主力端末「Chromebook」

 

GoogleのChrome OSを標準搭載するノートPC「Chromebook」はクラウドベースの設計が特徴で、ファイルをすべてクラウド上で管理しChrome OSとWebブラウザGoogle Chromeで動作する。この統一ブランドを冠して、教育、法人、および一般のユーザーに向けてそれぞれ端末を展開している。教育向け端末においては、日本国内では6メーカー14機種を展開している。遠隔授業や“未来の学び”をめざす教育市場で高い評価を得ており、小中学生へのIT端末普及をめざす政府の「GIGAスクール構想」が動き出す中で、最も教育現場での導入が進んでいる。こうした貢献が評価され、スマートデバイス部門の「最優秀賞」を受賞した。

〈教育機関向けChromebook は、国内で6 メーカー14 機種を展開〉

出所: Google HP(http://services.google.com/fh/files/misc/giga_package.pdf)

世界の教育現場で4000万台利用

Googleは、教育分野でGoogle for Educationというソリューションを展開している。2020年3月 GIGA スクール構想の実現に向け「Google GIGA School Package」を発表した。端末のChromebook、クラウド型コンソールG-Suite for Education、管理者・教員向け研修プログラムKickstart Programの3つから構成されるパッケージで、教育現場のICT導入を支援する。

2019年12月、政府はすべての小中学生にIT端末を配布することをめざした「GIGA スクール構想」を発表しており、自治体でIT端末の導入が進んでいる。現在、Chromebookは導入端末OSを選定し終えた自治体のIT端末数の半数(2020年7月現在)を占めているとみられ、教育現場で高い評価を得ている。なお、Chromebookは教育分野において約4000万台利用されている。

「端末管理にかかる時間を60%削減」との評価も

教育現場で評価されている背景には、①クラウドネイティブな端末とソリューション設計、②端末価格が比較的安い、③端末管理の容易さから教育ICT環境を整備できる――点が指摘できる。

端末価格について言えば、各自治体が端末購入時に支給される補助金が1台当たり4.5万円のところ、Chromebookはそれを下回る価格で提供されている。G-Suite for Educationは無償提供で、クラウド型管理コンソールChrome Education Updateは1台当たり4,200円の買い切りとなり、ランニングコストが発生しない仕組みだ。自治体はコンテンツ、ネットワークといったICT利活用推進に注力する必要があり、基盤運用を将来にわたって低価格に抑えられるChromebookは大きなメリットとなる。

端末管理の容易さも魅力だ。Chrome Education Upgradeでは何千台の端末を1台で管理、設定できる。Webベースのため管理用ソフトウェアのインストール、管理サーバーからのツール配布なども不要。OS更新も自動でアップデートされるが、データサイズが小さいため短時間で完了する。「Chromebookは端末管理にかかる時間を約60%削減した」との海外調査結果もあり、教育現場に大きな負担をかけずに運用できる。

新常態をめざして

「Chromebookは子供たちの学びを創造的に発展させるツールになる」との期待も高まっている。GIGA スクール推進に向けた政府の後押しもあり、教育現場における主力端末の地位はしばらく揺るぎそうもない。

MM総研大賞について

「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2020年度の今回が17回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

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