施工管理支援アプリは働き方改革関連法の適用後も導入が進み、 建設業全体の利用率は4割強に上昇
「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」
2026年03月12日
- 建設業の施工管理支援アプリは2024年4月の働き方改革関連法の適用後も導入が進む
- アプリ利用率は法適用直後の35%から42%に上昇、ゼネコンに絞ると49%から60%へ
11ポイントも上昇した - 事業者別シェアは建設業全体では建設システムの「デキスパート」が18%で1位、
ゼネコンではMetaMoJiの「eYACHO」が19%で1位
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、横田英明所長)は年商10億円以上の建設業を対象にWebアンケート調査を実施し、施工管理支援アプリの利用動向をまとめた。調査では建設業で同アプリを実際に利用する立場の施工管理・設計・施工従事者1,583人を対象とした。調査結果によると、施工管理支援アプリを利用しているエンドユーザーは42%だった。2024年4月の働き方改革関連法の適用直後に実施した前回調査の35%から7ポイント上昇した。現場の施工よりも施工管理業務が多いゼネコン(総合建設会社)に絞ると現在の利用率は60%に達した。前回の法適用直後の49%から11ポイント上昇した。当時は法適用までに一気に導入が進むと思われていたが、実際はエンドユーザーが使い慣れる時間なども必要なため、効率化手段の1つとしてジワジワと導入が進んでいる。また、同アプリの導入を検討中の企業も12%あり(ゼネコンでは10%)、今後も導入が進む見通しだ(データ1・2)。
事業者別シェアは、建設業全体では建設システム(KENTEM、静岡県富士市)の「デキスパート」が18%で1位、ゼネコンではMetaMoJi(東京都港区)の「eYACHO」が19%で1位となった(データ3・4)。
【データ1】施工管理支援アプリの導入利用有無・ニーズ(建設業全体)
【データ2】施工管理支援アプリの導入利用有無・ニーズ(ゼネコン)
詳細
利用率は35%から42%に増加、ゼネコンに絞ると49%から60%で11ポイント増
調査は建設業で施工管理支援アプリを実際に利用する立場の施工管理・設計・施工従事者1,583人を対象に実施した。回答者の内訳は、ゼネコンが498人で31%、サブコン(設備工事会社)が269人で17%、住宅・その他建設業が816人で52%だった。所属部門は、施工管理が64%ともっとも多く、次が設計で22%、施工が15%だった。2025年12月12~16日に実施した。
施工管理支援アプリは、建設現場で施工写真や設計図面、資料、報告書、日報の共有、さらには工程や品質の管理までするアプリで、スマートフォンやタブレットにダウンロードして利用する。施工管理業務が多いゼネコンのほか、専門分野ごとのサブコン、専門工事会社、住宅・工務店、その他建設業の施工管理担当者や現場監督が利用しており、利用者からは「データのやり取りが便利」「現場がスムーズに動く」「作業効率が良い」「残業が減った」といった声が聞かれた。
調査結果によると、施工管理支援アプリを利用している建設業のエンドユーザーは42%だった。前回調査(2024年4月の働き方改革関連法の適用直後)は35%だったが、7ポイント上昇した。また、現場の施工よりも施工管理業務が多いゼネコンに絞ると現在の利用率は60%に達し、前回調査の49%から11ポイントも上昇した。当時は法適用までに一気に導入が進むと思われていたが、実際はエンドユーザーが使い慣れる時間なども必要なため、効率化手段の1つとしてジワジワと導入が進んだようだ(データ1・2)。それ以外のサブコン・住宅・その他建設業の利用率は34%にとどまり、ゼネコンに比べると低かったが、前回調査の27%から7ポイントの上昇となった。
一方、利用を「検討中」と回答したエンドユーザーも12%あり、今後も効率化手段の1つとして施工管理支援アプリの導入が進むことが分かった(データ1)。導入が一番進んでいるゼネコンでは「検討中」は10%だが、それ以外のサブコン・住宅・その他建設業では13%とやや高く、今後はゼネコン以外にも広く普及が進む見通しとなった。今後普及が進むにつれ、「まだ考えていない」と回答した11%の層にも同アプリの導入が広がる可能性があるほか、ゼネコンの中でも今後は大手から中堅中小ゼネコンや地場ゼネコンに広がっていくとみられる。
建設業全体では「デキスパート」、ゼネコンでは「eYACHO」が1位を獲得
事業者別シェアは、専門工事会社を含む建設業全体では1位が建設システムの「デキスパート」で18%、2位がアンドパッド(東京都千代田区)の「ANDPAD」で17%、3位がMetaMoJiの「eYACHO」で16%と続いた。3位までは1ポイント差ずつのほぼ横並び状態だった。
4位はスパイダープラスの「SPIDERPLUS」で12%、5位はルクレ(東京都港区)の「蔵衛門」で10%となった。また、順位変動は、前回4位だったアンドパッドの「ANDPAD」がシェアを10%から17%に急拡大し2位にランクインした。その分、スパイダープラスの「SPIDERPLUS」は前回2位から今回は4位にランクダウンした(データ3)。
【データ3】施工管理支援アプリの導入ユーザーが最も頻繁に利用する製品(建設業全体)
ゼネコンでは1位はMetaMoJiの「eYACHO」で19%、2位が微差で建設システムの「デキスパート」で19%、3位がルクレの「蔵衛門」で12%と続いた。4位はアンドパッドの「ANDPAD」で11%、5位はスパイダープラスの「SPIDERPLUS」で9%となった(データ4)。
また、順位変動は、前回も今回も1位がMetaMoJiの「eYACHO」、2位が建設システムの「デキスパート」という状況は変わらなかった。2社のシェアはそれぞれ19%で、第2陣営の12%以下とは明らかに差がある。また、第2陣営では、3位は前回4位だったルクレの「蔵衛門」がややシェアを伸ばしてランクアップし、4位はアンドパッドの「ANDPAD」がややシェアを伸ばして順位をキープした。一方で、スパイダープラスの「SPIDERPLUS」は前回3位から今回は5位にランクダウンした(データ4)。
【データ4】施工管理支援アプリの導入ユーザーが最も頻繁に利用する製品(ゼネコン)
スマートデバイスでは「eYACHO」が1位、「ANDPAD」「SPIDERPLUS」が続く
今回は建設現場で持ち歩いての利用が可能となるスマートデバイス利用の場合と、机上など決まった場所で操作するパソコン利用の場合とで事業者別シェアの違いを確認した(データ5)。スマートデバイスの利用に限定すると、アプリ導入ユーザーは413人となり、1位はMetaMoJiの「eYACHO」でシェア21%となった。同率2位はアンドパッドの「ANDPAD」とスパイダープラスの「SPIDERPLUS」でそれぞれ18%となった。一方、パソコン利用の場合は、パッケージソフトやアプリの導入ユーザーは253人となり、1位は建設システムのパッケージソフト「デキスパート」でシェア38%となった。2位以降はシェア14%以下のため大きな差がついた。スマートデバイス利用とパソコン利用では使用するアプリやソフトが異なることが分かった。
【データ5】スマートデバイス利用者/PC利用者別の最も頻繁に利用する施工管理支援アプリ
建設業には多数の工程と専門分野があるため、一言で施工管理業務をIT(情報技術)で効率化するといっても施工管理支援アプリでカバーすべき範囲は多岐にわたる。建設現場で施工写真や設計図面、資料、報告書、日報を共有することがベースとなるが、そのリアルタイム性、書き込み、共有のしやすさ、使いやすさ、自動化の追求、多数の工程や専門分野ごとの品質管理にも対応するなど、まだまだ発展の余地は大きい。そのため、施工管理支援アプリの市場には、特にスマートデバイス利用の分野で多数の事業者が参入しており、今後も新たな差別化機能を追加し切磋琢磨しながら建設業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めていくこととなろう。
以上
■調査概要
1.調査対象:建設業で施工管理支援アプリを実際に利用する立場の施工管理・設計・施工従事者
2.回答件数:1,583件
3.調査方法:Webアンケート
4.調査時期:2025年12月12~16日
■注意事項
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■MM総研について
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