AI活用拡大に向けてICTインフラ再構築、NaaSへの期待高まる

「国内企業のネットワーク/セキュリティ運用に関する調査」

2026年02月26日

■AIを活用するために4割以上の企業がICTインフラの見直しに着手

■AI活用の拡大でデータトラフィック急増とセキュリティ対策が大きな課題に

■ネットワークの柔軟性とセキュリティの統合運用で高まるNaaSへの期待

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、Webアンケート調査を通じ、国内企業における通信ネットワークやセキュリティ運用の動向に関する調査結果をまとめた。本調査では、企業の「ネットワーク」「ITサービス」「AI」について、導入の決定権者及び導入方針や要件定義に深く関与する担当者753人から回答を得た。

AIを活用するために4割以上の企業がICTインフラを見直し

企業においてAI活用が進む中、ネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティなどのICT(情報通信技術)インフラの見直しに着手する動きが広がっている。AI活用の検討に伴い「すでにICTインフラの見直しを進めている」と回答した企業の割合は15%、「近いうちに見直しを検討する」が27%に達した(データ1)。4割超が見直しに動いているが、従業員規模別に見ると傾向はより明確になる。1,000人超では50%と過半数が見直しに動いており、101~1,000人以下では40%、100人以下では32%だった。

         

AI活用の拡大でトラフィック急増とセキュリティ対策が大きな課題に

AI活用を進める上で懸念される課題について従業員規模別に分析したところ、いずれの規模においても上位3項目は「セキュリティ対策への不安」「情報漏えい・データ取り扱いに関する不安」「トラフィック(通信量)の急増」で共通していた(データ2)

1,000人超の大企業では「セキュリティ対策への不安」(47%)が最多となり、101~1,000人の企業では「トラフィック量の急増への不安」(46%)が最も多かった。100人以下の中小企業では「トラフィック量の急増」「情報漏えい・データ取り扱いに関する不安」(いずれも36%)が同率で最多となっている。

AI活用の拡大に伴い、データの送受信が飛躍的に増加することに対する懸念に加え、機密情報や個人情報を扱う機会が増えることで、通信インフラへの負荷や情報管理体制への懸念が高まっているとみられる。AI活用の推進と同時に、ネットワーク基盤の強化とセキュリティ対策の高度化が不可欠であることが浮き彫りとなった。

※「100人以下」は1~10人規模を除く

重要な情報をAIに組み込むことで広がるセキュリティの懸念

個人情報や財務情報、契約情報など重要なデータをAIに組み込んで利用することについて確認したところ、約4割が「危機感を感じており、セキュリティ対策をしている」と回答した(データ3)。従業員規模が大きくなるほど対策を実施している比率は高く、AI活用が進む中で、特に大企業ではガバナンスや情報管理体制の整備が並行して進められていることがうかがえる。一方、危機感を抱きながら十分な対策に至っていない企業や、危機感が明確でない企業も一定数存在する。

ネットワークの柔軟性とセキュリティの統合運用で高まるNaaSへの期待

ネットワーク基盤の強化とセキュリティ対策の高度化が求められるなかで、AI時代の次世代ICTインフラとして注目されるのが、ネットワークをサービスとして利用する「NaaS(Network as a Service)」である。NaaSはセキュリティ機能とネットワーク機能を一体化し、クラウド型で柔軟に拡張できる。サービスプロバイダーのポータルを通じてネットワークの帯域拡張や設定変更ができるほか、ルーターやスイッチ、ファイアウオールといった機能をクラウド経由でオンデマンドに利用できる。個別設定が必要な従来型ネットワークとは異なり、需要に応じて柔軟に最適化できる。

今回の調査ではNaaSに「非常に関心/期待がある」「関心/期待がある」と回答した企業は全体で53%に達した。1,000人超の大企業では6割に達する(データ4)。さらに注目すべきはネットワークとセキュリティを一体で運用したい企業ほど、NaaSへの関心が高い点である。全体の53%に対し、統合運用の意向がある企業では71%が関心・期待があると回答した(データ5)

企業が求めているのは単なる回線提供ではなく、ネットワークとセキュリティを統合的に制御し、需要に応じて柔軟に運用できるモデルである。AI活用の進展によりトラフィックは増大し、通信経路は複雑化、セキュリティ対策は高度化していく。企業が抱える「増え続ける通信量」「高度化するセキュリティ要件」「運用負荷の増大」という三重の課題に対し、NaaSは解決策となり得る。AI時代においてネットワークは単なる通信基盤ではなく、企業の競争力を左右する「戦略インフラ」と言えるだろう。

渡辺克己執行役員研究部長は次のように総括する。「AI活用の拡大は、帯域の可変性やクラウド接続、セキュリティ統合を含めたネットワーク全体の再設計を企業に求めている。従来型サービスとNaaSの二者択一ではなく、既存基盤を活かしながら段階的にサービス化・高度化していく移行戦略が重要であり、その実現手段の一つとしてNaaSの活用が現実的な選択肢となる」とコメントしている。

 

■調査概要
調査対象:企業の「ネットワーク」「ITサービス」「AI」について、導入の決定権者及び導入方針や要件定義に深く関与する担当者
回答件数:予備調査26,685人、本調査753人
調査手法:Webアンケート
調査期間:2026年1月29日~2月2日

■報道に際しての注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
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■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀以上にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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