GIGAスクール買い替え需要により2期連続で増加

「2025年度上期 タブレット端末出荷台数調査」

2025年12月09日

■2025年度上期のタブレット出荷台数は371万台(前年度同期比22.8%増)

■アップルのiPadが229万台(シェア61.7%)で上期として16期連続1位

■2025年度通期は864万台(前年度比29.9%増)と予測。下期もGIGA需要がけん引

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2025年度上期(2025年4~9月)の国内タブレット端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。2025年度上期出荷台数は371万台(前年度同期比22.8%)となり、上期としては2期連続の増加となった。小中学校に1人1台ずつ端末を配布する「GIGAスクール構想」の特需により過去最高を記録した2020年度から5年経過に伴う買い替え需要により400万台以上が期待されていたが、その規模には達しなかった。メーカー別出荷台数ではアップルが16期連続で1位を獲得。シェアは61.7%で、2位以下との差を広げて圧倒的な強さを示した。同社の上期シェアが60%以上となるのは2011年度以来の14年ぶりとなる。台数・シェア拡大の要因としては、タブレットを活用するGIGA市場※1でiPadが支持を集めているためと分析する。

MM総研では2025年度通期の出荷台数は前年度比29.9%増の864万台と予測。2025年度下期はGIGA市場における買い替え需要がピークに達するとみている。
※1:GIGA市場の端末はタブレット市場に分類されるiPadのほか、本リリース対象外のパソコン市場に分類されるChromebook、Windowsパソコンがある

上期メーカー別出荷台数はアップルが16期連続1位を堅持

2025年度上期のメーカー別出荷台数シェア1位はアップルで、上期として16期連続で1位を獲得した。出荷台数は229万台で、シェアは61.7%だった。

2位と3位は前年と変わらず、2位はNECレノボ、3位はSurfaceシリーズを展開するマイクロソフト、4位はDynabook、5位はLIMNOと続き、上位5メーカーで83.5%を占める結果となった。4位のDynabookは法人向けWindowsタブレットが増加、5位のLIMNOは通信教育サービス用の学習タブレット端末が堅調でそれぞれランクインした。

2025年度通期は864万台と予測

MM総研では2025年度通期のタブレット出荷台数を864万台(前年度比29.9%増)と見込む。2025年度下期は小中学生向けGIGAスクール端末の買い替え特需がピークに達し、通期では上期よりもプラス成長が拡大する見通しだ。2026年度以降もその恩恵は継続するため急激に落ち込むことはないが、2028年度にかけての減少トレンドは避けられないだろう。2030年度は第3次GIGAスクール需要のピークが期待されることで、2029年度と2030年度は再び増加に転じると予測する。総じて2020年度以降のタブレット市場はGIGAスクール需要に大きく影響を受ける格好で推移している。

スマートフォンでは折りたたみ形状の製品が増加しており、サムスン電子は広げるとタブレットの形になる3つ折りスマートフォン「Galaxy Z TriFold」を2025年12月に発売する。今後は折りたたみスマートフォンとの競争も必至となるなか、タブレットもテクノロジーの進化による新たな価値提供を実現するユーザー訴求が求められるだろう。

 

【タブレット端末の定義】 以下を条件にMM総研による分類
①Wi-FiもしくはWi-Fi+3G回線(以上)の通信機能を搭載
②動画・音楽・電子書籍・学習機能などのコンテンツが利用可能
③6インチ以上のディスプレーを搭載(※2)
④以下のOSを搭載(iPadOS・Android・Windows(※3))
⑤携帯キャリアや端末メーカーがタブレット端末と位置付けている製品
※2:6インチ台の携帯キャリア向けセルラー端末はタブレットに含めない
※3:Windows RTもしくはWindows 8以降のOS搭載のスレート型パソコン(コンバーチブル除く)
注:今後の製品状況などにより変更する可能性があります。 

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株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀以上にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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