世界・国内ともにサムスン電子が市場をリード

「折りたたみスマートフォン市場規模の推移・予測(2024年10月時点)」

2024年10月09日

■2023年の折りたたみスマートフォン出荷台数は世界で1600万台、日本では22.5万台

■メーカーシェアはサムスン電子が世界(65.6%)、日本(60.4%)ともに圧倒的な1位

■市場拡大にはアップルの動向がカギ。日本では2028年度に181万台と予測

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は10月9日、折りたたみスマートフォンの世界及び日本における出荷台数について分析するとともに、一般消費者(1468人)にWebアンケート調査を実施し、折りたたみスマートフォンの認知・利用実態と購入意向を明らかにした。MM総研では、折りたたみスマートフォン(以下、一部折りたたみスマホと記載)を①ディスプレー自体が折りたためる端末②横開き、縦開きの両方を含む――と定義する。2024年10月時点、日本で販売されている折りたたみスマートフォンは二つ折り形状にとどまっているが、2024年9月には中国ファーウェイが三つ折り端末を発売した。今後はロール型(巻き型)などの新たな形状が登場することも予想される。なお、海外ではフォルダブルスマートフォンと称される。

2023年の折りたたみスマホ出荷台数は世界で1600万台、日本では22.5万台

MM総研の調べでは、2023年(1~12月)の世界スマートフォン出荷台数は11億5000万台で、そのうち折りたたみスマートフォンは1600万台と全体の1.4%であった。一方、日本の2023年度(2023年4月~2024年3月)スマートフォン出荷台数は2547.2万台で、そのうち折りたたみスマートフォンは22.5万台と全体の0.9%であった。

世界・日本の折りたたみスマホ出荷台数1位はサムスン電子で、ともにシェア6割超

2023年の世界折りたたみスマートフォン出荷台数をメーカー別にみると、サムスン電子がシェア65.6%の1位となった。2位はファーウェイ、3位は2020年にファーウェイから分離・独立したHonor(オナー)となった。上位3メーカーは韓国、中国メーカーが占めており、折りたたみスマートフォンは世界の中でも韓国・中国での需要が高いようだ。理由としては、自国メーカーの人気が後押ししているためと分析する。

2023年度の日本での折りたたみスマートフォン出荷台数をメーカー別にみると、サムスン電子がシェア60.4%で1位となった。以下、2位はZTE、3位はモトローラ、4位はグーグルの順となり、4社で100%を占める。日本では2019年10月にサムスン電子が初の折りたたみスマートフォンとしてGalaxy Fold(横開き)を投入、2020年2月にはGalaxy Z Flip(縦開き)が続いた。2024年7月には各シリーズ6作目の端末を発売した。世界市場、日本市場ともに同社がパイオニアとしてけん引している。

日本における折りたたみスマホの認知度は75.7%

2024年8月に実施したアンケート調査の結果、折りたたみの認知・利用状況は「①利用中もしくは利用したことがある」が0.5%、「②購入を検討したことがある」が9.7%、「③聞いたことがある程度」が65.5%、「知らない・わからない」が24.3%となった。①~③をあわせた認知度としては75.7%で、4人に3人は認知していることが明らかとなった。

折りたたみスマホの購入意向は30.3%

折りたたみスマートフォンの認知・利用状況に関係なく今後の購入意向について質問した。その結果、「購入したい」が6.5%、「検討したい」が23.8%、「購入したくない」が44.3%、「その他・わからない」が25.5%となった。検討を含めた購入意向は30.3%とポテンシャルは高いことが明らかとなった。

 

日本での折りたたみスマホ出荷台数は2028年度に181万台に拡大と予測

今後は国内・海外を問わず折りたたみスマートフォンへの参入メーカーが増加する可能性は高いだろう。ただ、日本市場を展望するうえで、現状がAndroidメーカーのみである点は留意する必要がある。日本はスマートフォンユーザーの約半数がiPhoneという、世界有数のiPhone大国であるためだ。世界のスマートフォン出荷台数で1位、2位を争うアップルは、今後折りたたみスマートフォン市場に参入してくる可能性は十分にあるだろう。日本市場にとどまらず、世界における市場の拡大にはアップルの動向が大きなポイントといえる。

MM総研では、今後の市場動向を展望し国内の折りたたみスマートフォンの出荷台数を予測した。2024年度は35万台(前年度比55.6%増)を見込む。以降も増加傾向となり2028年度には2023年度比8倍の181万台に成長することが見込まれる。折りたたみ形状はフィーチャーフォンに慣れ親しんだ経験のある40代以上、テクノロジー志向の若年層を中心に徐々に普及が進むだろう。折りたたみスマートフォン市場の拡大が新しいスマートライフの実現をもたらすことに期待したい。

 

■Webアンケート調査概要
1. 調査対象:15~69歳の男女
2. 回答件数:1468人
3. 調査方法:Webアンケート
4. 調査時期:2024年8月

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