出荷台数は3年連続減少も、金額は2年連続で成長

「2023年暦年 国内パソコン出荷台数調査」

2024年03月12日

■2023年の国内パソコン出荷台数は前年比3%減の1093.5万台

■出荷金額は高性能化が進み、同3.2%増の1兆2520億円と2年連続の成長

■2024年はOS更新とGIGAスクールの需要顕在化で同4.8%増の1145.9万台に

概要

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は2023年(2023年1~12月)の国内パソコン出荷台数を調査し、その結果を発表した。出荷台数は1093.5万台(前年比3%減)と、3年連続の減少となった。メーカー別ではNECレノボが268.8万台、シェア24.6%と首位。富士通クライアントコンピューティング(FCCL)がシェア14.4%となり3位に浮上した。

出荷金額は前年比3.2%増の1兆2520億円となった。出荷平均単価は11万4499円で、2022年の10万7594円から6905円上昇した。2年連続で単価が10万円台となった。

【データ1】国内パソコン出荷台数シェア(2022年/2023年) ※詳細データは補足データを参照

NECレノボがトップを堅守

メーカーシェア首位のNECレノボは268.8万台を出荷、シェアは24.6%となった(データ1)。2位は日本HP、3位にはひとつ順位をあげたFCCLが入った。2023年は部品不足や不安定だった中国生産が落ち着いたが、円安によるパソコン平均価格の上昇の影響もあり、個人市場を中心にパソコン需要は伸び悩んだ。一方で、その他メーカーに含まれるASUSの携帯ゲーム用PCが10万円前後の手ごろな価格帯も相まってヒットし、首位のNECレノボが大企業向けにChromebookの大口案件を獲得するなど、利用者の用途にあわせた中位価格帯の製品が需要開拓につながるケースもみられた。

 

【補足】国内パソコン出荷台数シェア詳細(2022年/2023年) 

【データ2】国内パソコンの出荷金額と平均単価の推移

出荷金額は1兆2520億円で前年を3.2%上回った。出荷平均単価は11万4499円と、2年連続で10万円を超えた。円安による部品や海外生産コストの上昇とハイスペックなモバイルノートパソコンの需要増が重なり、単価を押し上げている。24年はAI(人工知能)処理をパソコンで実行するAI-PCが各社から本格的に登場し、さらに平均単価を押し上げる可能性がある(データ2)

 

データ3】国内パソコンのルート別出荷台数

2024年は4.8%増の1145.9万台と予測、法人向けが復調

2024年のパソコン出荷台数は前年比4.8%増の1145.9万台を見込む(データ3)。2023年は当初1086万台と予想したが、ほぼ予測通りに1093.5万台に着地した。2024年は、個人向けの縮小が続くとみられる。消費の矛先がレジャーなど外出に向いていることに加え、円安に起因したパソコン価格の上昇が買い替えを鈍らせている。法人向けは2023年も若干減少したが、2025年に予定されるWindows OSの更新需要やGIGAスクール端末の入れ替え需要が2024年から徐々に発生することが見込まれ、出荷台数は増加する。

2024年は各メーカーから、AI処理を高速化するAI-PCが多くラインアップされる一年となる。グループウエアや業務用アプリと組み合わせた生成AIの利用で仕事の生産性を高める効果が期待される。さらに画像、映像生成に高い効果を発揮するAI-PCがAI利用のすそ野を広げるか注目が集まる。

 

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