スマートフォンの月額利用料金は4,476円で底打ち反転に
「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2024年1月調査)」
2024年02月15日
■スマートフォンの月額利用料金は平均4,476円(前回2023年7月比159円増加)、各社の新プランとデータ通信量の増加により底打ち反転となる
■スマートフォンの購入金額は平均74,336円(同3,998円上昇)。中高価格帯が人気
■スマートフォンの月間データ通信量は平均11.08GB(同0.75GB増加)。中央値は依然3GB
■スマートフォンの利用時間(通話時間を除く)は週平均1,215分(約20時間)
■スマートフォンの週間通話時間はMNO 4社 40.6分、サブブランド 33.3分、MVNO 19.8分
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)はスマートフォン及びフィーチャーフォンそれぞれの音声通話サービス利用者に対するアンケート調査を実施し、携帯電話の月額利用料金と音声通話・データ通信サービスの利用実態をまとめた。
スマートフォン利用者の月額利用料金は4,476円
携帯電話の月額利用料金※1,2,3について、端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額を分析した結果、スマートフォン利用者全体では4,476円で、前回調査から159円増加した。
※1:2024年1月の有効回答数:9,155
※2:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※3:「月額利用料金」=「通話料」+「データ通信料」
◇端末購入の支払が分割払いで残っているユーザーの月額利用料金には端末購入金額は含まれていない
◇消費税を含む
MNO4ブランドのスマートフォン利用者の月額利用料金は5,210円、楽天モバイルを除くMNO のフィーチャーフォン利用者は2,575円となった。サブブランド利用者の月額利用料金は3,226円、MVNO利用者の月額利用料金は2,001円となった。2023年に登場した各社の新プランが上昇に寄与したと分析する。
スマートフォン利用者の端末購入金額は74,336円
端末の割引前購入金額※4,5,6はスマートフォン利用者全体で74,336円となり、前回調査から3,998円増加した。円安・物価高騰の影響を受け、スマートフォン本体の価格が上がっていることや、売れ筋モデルの変化により2万~3万円台の低価格帯比率が減少して6万円台以上の中高価格帯比率が上昇したことが要因と分析する。5G対応・非対応による端末価格の違いをみると、5Gスマートフォン利用者は84,391円、4Gスマートフォン利用者(3Gを含む)は56,773円で、5G対応の方が約2.8万円高くなった。MNO 4ブランドのスマートフォン利用者では79,906円(前回調査比4,348円増)、MNOのフィーチャーフォン利用者は21,360円(同1,235円減)、サブブランド利用者は63,927円(同3,359円増)、MVNO利用者は56,869円(同2,873円増)だった。
※4:2024年1月の有効回答数:9,155
※5:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※6:「購入金額」=定価・または割引前の端末の支払総額(消費税を含む)
月間データ通信量は平均11.08GB(ギガバイト)、中央値は3GB
スマートフォン利用者の月間データ通信量※7,8,9,10,11は、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は11.08GB(ギガバイト)、中央値は3GBとなった。有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」25.5%、「2GB」10.4%、「3GB」17.2%となり、53.1%のユーザーが3GB以下の通信量となった。平均値は増加傾向にあるが、中央値は依然として「3GB」であり二極化が進行している。平均利用量に近い「10GB」までのユーザーは75.7%を占め、前回調査より1.8ポイント減少、その分、10GB超ユーザー比率が上昇した。
※7:有効回答数:17,694
※8:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※9:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※10:2023年12月(調査月の前月)の利用状況から分析
※11:「通信量がわからない」を除く
MNO 4ブランドのスマートフォン利用者の月間データ通信量※12,13,14,15,16は「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は13.11GBとなった。サブブランド利用者は6.28GB、MVNO利用者は5.67GBで、MNO4ブランドのデータ利用量はサブブランドの2.1倍、MVNOの2.3倍であった(。年代別にみると、20代以下(18.40GB)、30代(15.17GB)、40代(11.63GB)、50代(9.13GB)、60代(5.74GB)となり、若年層ほど平均データ通信量が多い結果となった。
※12:有効回答数:17,694
※13:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※14:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※15:2023年12月(調査月の前月)の利用状況から分析
※16:「通信量がわからない」を除く
1週間の通話時間はMNO 4社 40.6分、サブブランド 33.3分、MVNO 19.8分
スマートフォン利用者に携帯電話番号とIP電話・アプリ電話それぞれの音声通話時間※17を質問した。その結果、1週間の平均通話時間は携帯電話番号からの場合、MNO 4社は21.2分、サブブランドは15.4分、MVNOは5.9分となった。IP電話・アプリ電話からの場合は、MNO 4社は19.4分、サブブランドは17.9分、MVNOは13.9分となった。携帯電話番号とIP電話・アプリ電話からの通話時間を合算すると、MNO 4社は40.6分、サブブランドは33.3分、MVNOは19.8分となった。
※17:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
スマートフォン利用時間は1,215分/週
スマートフォンの1週間あたり利用時間※18,19は1,215分(20時間15分)となった。個別にみると、MNO 4社は1,280分、サブブランドは1,128分、MVNOは1,071分となった。
※18:通話時間を除く
※19:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
SNS、音楽配信サービス、有料動画配信サービスについて、サービスごと※20の利用率、利用者の平均利用時間※21についても分析した。SNS全体の利用率は81.6%で、1週間あたりの利用時間は115分だった。音楽配信サービスは57.6%、155分、有料動画配信サービスは70.5%、159分となった。
SNSでは「X(旧 Twitter)」の利用率が58.5%で最も高く、1週間あたりの利用時間は128分となった。次いで「Instagram」の58.5%(119分)、「Facebook」の33.7%(61分)、「TikTok」の26.2%(119分)、「Pinterest」の11.2%(77分)の順となった。
音楽配信サービスでは「YouTube Music」の利用率が27.9%で最も高く、1週間あたりの利用時間は121分。次いで「Spotify」が25.1%(184分)、「Apple Music」が22.6%(191分)、「Amazon Music Unlimited」が16.5%分(136分)、「LINE Music」が8.3%(154分)となった。
有料動画配信サービスでは「Amazonプライムビデオ」の利用率が40.1%で最も高く、1週間あたりの利用時間は145分となり、次いで「Netflix」が18.5%(222分)、「YouTube Premium」が13.5%(260分)、「U-NEXT(旧 Paraviを含む)」が8.0%(154分)、「Disney+」が7.0%(196分)となった。
今回調査では、通信料金と端末代金の完全分離を定めた2019 年10月の省令改正などにより、減少傾向にあったスマートフォン月額利用料金が上昇に転じた。2023年に各社が導入した新プランと堅調に増加するデータ通信量が寄与したと分析する。新プランでは携帯キャリアが注力する金融サービスとの連携強化も目立っている。物価高騰が続く日本経済において、ブランドやプラン選択の幅が広がったことはユーザーにとって歓迎されており、今後の月額利用料金やデータ通信量がどのように変化していくのか興味深い。MM総研では今後も定期的に調査・分析を継続していく。
※20:利用率上位5項目を抜粋
SNS(全7項目)
「X(旧 Twitter)」、「Threads」「Facebook」、「Instagram」、「TikTok」、「Pinterest」、「その他」
音楽配信サービス(全10項目)
「Spotify」、「Apple Music」、「YouTube Music」、「Amazon Music Unlimited」、「Rakuten Music」、「LINE Music」、「AWA」、「auスマートパスプレミアムミュージック(旧 auうたパス)」、「dヒッツ」、「その他」
有料動画配信サービス(全15項目)
「Amazonプライムビデオ」、「Netflix」、「Hulu」、「YouTube Premium」、「U-NEXT(旧 Paraviを含む)」、「ABEMAプレミアム」、「NHKオンデマンド」、「FODプレミアム」、「TELASA」、「テレ東BIZ」、「Lemino(旧 dTV)」、「Disney+」、「DAZN」、「smash.」、「DMMプレミアム(DMM TV)」、「ベースボールLIVE」、「バスケットLIVE」、「SPOTV NOW」、「J SPORTSオンデマンド」、「楽天TV」、「NBA LEAGUE PASS(BASIC PASS含む)」、「その他」
※21:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
参考1:「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2023年7月調査)」
参考2:スマートフォンサービス利用実態(2023年7月調査)
■携帯キャリアのブランド定義
MNO4ブランド:NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイル
※楽天モバイルは2022年7月調査以降はMNOのみ、2021年12月以前はMVNOを含む
サブブランド:ワイモバイル(ソフトバンク)、UQモバイル(KDDI)
MVNO:MNO4ブランド及びサブブランド以外
■利用者アンケートの調査概要
1. 調査対象:15~69歳の男女
2. 回答件数:プレ調査24,414人/本調査1,593人
3. 調査方法:Webアンケート
4. 調査時期:2024年1月
■報道に際しての注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
2. 報道機関が引用する場合は、出典を「MM総研」と明記してください(MMは全角)。数値などは表ではなくグラフ化して掲載してください。
3. 報道機関以外が本プレスリリースの内容を引用・転載する場合は、MM総研による承諾が必要です。
4. MM総研の独自調査結果であり、公的機関の統計や企業の公表数値等と異なることがあります。また、作成時点におけるものであり、今後予告なしに変更されることがあります。
5. 本データを報道以外の以下用途で無断利用することを固く禁じます。
-プロモーション(広告・販売促進資料・ホームページ掲載・チラシなど外部に発信する資料・データ)
-セミナー・講演会
-その他、営業目的・営利目的での使用
6. 調査の詳細、研究員コメント、データ利活用などについては、担当者までお問い合わせ下さい。
■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀以上にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。
本件に関するお問い合わせ先
(株)MM総研
担 当 : 横田、篠崎、原、村田
所在地 : 105-0011 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー
連絡先 : 03-5777-0161