ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2014年9月末時点)

 

2014年11月26日

■ 2014年度上期のFTTH純増数は71.3万件と前年度をやや下回る
■ 2014年度末のFTTH契約数は2,679万件と5.6%の年間成長を予測
■ FTTH市場は2018年度中に3,000万件を超える見込み

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は11月26日、2014年9月末のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。2014年9月末時点のFTTH(光回線サービス)の加入件数は2,609.0万件で、2014年度上期(4~9月)の半年間で71.3万件増加した(図表1)。NTT東西のフレッツ光が前年同期間の純増数を上回ったものの、FTTH市場全体の上期の純増数としては前年同期間の75.7万件をやや下回る伸びとなった。2014年度後半からNTTが開始を予定する光回線のサービス卸の展開に伴い、一部の需要拡大が見込まれるもののモバイル端末や高速モバイル通信利用者の拡大で固定回線の需要が鈍り、MM総研としては2014年度の年間のFTTH成長率は5.6%とやや鈍化を予測する。

光回線サービス事業者の動向
■NTT東日本のシェアが4割を下回る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 NTTのフレッツ光は2014年9月末の東西合計の加入件数が1,845.5万件で、FTTH市場におけるシェアは合わせて70.7%。2014年3月末から0.4ポイント減少した(図表1)。
 NTT東日本は2014年7月1日より最大通信速度1Gbpsの「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ」および「フレッツ 光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ」を開始。新サービスやキャンペーンの訴求を中心に新規の顧客獲得を進めたものの、上期の純増数は16.0万件(前年同期は23.5万件)にとどまった。2014年9月末の契約数は1,034.7万件(シェア39.7%)となり、シェアが4割を下回った。
 NTT西日本は、「どーんと割」や「Web光もっと2割」などの長期利用割引施策を継続的に展開し、2014年6月30日に800万件を突破。2014年9月末の契約数は810.8万件(シェア31.1%)となった。上期純増数は24.5万件で前年同期(13.7万件)を大幅に上回った。
 NTTは2014年12月以降、フレッツ光を卸提供する「光コラボレーションモデル」を推進し、NTTドコモやISPをはじめとする多様な業種・業態のプレイヤーと新規需要を創出する計画となっている。

 KDDIグループは「auスマートバリュー」をトリガーに新規獲得と解約抑止を継続。2014年9月末334.4万件(シェア12.8%)となった。システム変更に伴う開通遅延等の影響により、上期の純増数は10.8万件と前年度同期の22.2万件から51%減少。auスマートバリューでは提携事業者を継続して増やすほか、子会社ケーブルTVとのクロスセルも進めてマルチネットワークによるインターネットビジネスを拡大していく。

 関西地域を中心に展開するケイ・オプティコムは、課金開始月より3ヵ月間の料金を無料にする「スタートダッシュ割」など、料金施策の継続展開で獲得を進めた結果、2014年6月2日に150万件を突破。9月末で151.0万件(シェア5.8%)となった。2014年6月からKDDIの回線を利用して提供を開始した低価格SIM・格安スマホの「mineo(マイネオ)」も堅調に推移し、9月末3.2万件となった。2014年度10万件を目標にモバイルで全国展開を進める。

 マンション全戸一括加入型の光回線サービス最大手のアルテリア・ネットワークスは、2014年9月末56.9万件(シェア2.2%)となった。首都圏のマンションを中心に全戸一括加入型サービス「UCOM光 レジデンス」や任意加入の受注増加により、契約数を伸ばした。電力一括受電サービス「とくエネ」など付加価値の提供を一層進める。


ISP事業者の動向
■Yahoo! BBのシェアが初めて1割を超える
 2014年9月末のISP事業者のFTTH契約数シェア(図表2)では、首位OCNが24.0%となった。シェアをやや落としたものの、依然として2位以下に大きく差をつけている。
 2位のYahoo! BBは2014年度上期(4~9月)の純増数が13.4万件で、シェアが10.1%と初めて1割を超えた。BIGLOBE のシェアは8.8%で、3位を守った。
 4位のSo-netは堅調に顧客を拡大し、シェアが8.0%となった。自社構築の「NURO光」をはじめ、マルチキャリア対応により積極的に獲得を進めている。
 ISP各社はNTTの光卸を活用して、自社ブランドの光サービスを提供する準備を進めている。2014年12月以降、インターネット接続サービスに加えて光回線や低価格SIMなどとの一体型のサービス提供が増える見込み。



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