世界で比較した日本のPixel販売価格は安値でシェア急拡大

「世界のPixel販売価格調査」(2023年10月)

2023年11月21日

■日本のPixel 8の販売価格は世界20の国・地域で2番目の安さ

■日本のPixel指数は2.5%で18番目(下から3番目)と平均賃金に対しては高い

■グーグルのPixel販売戦略の課題はiPhoneユーザーの獲得

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、世界20の国・地域(以下、国と記載)※1を対象に米グーグルのスマートフォン「Pixel」の販売価格を調査し、その結果を発表した。本調査では2023 年10月4日(現地時間)に米国で発表、10月12日に発売開始したPixel 8シリーズを中心に、各国のグーグルオンラインストア(以下、グーグルストア)の価格を比較分析した。対象モデルはPixel 8シリーズからPixel 8 128GB(以下Pixel 8)、Pixel 8 Pro 256GB(以下Pixel 8 Pro)の2モデル、加えて2023年5月に発表し、7月に発売した折り畳み式のPixel Fold 256GB(以下Pixel Fold)及び2023年5月発売のPixel 7a 128GB(以下Pixel 7a)の計4モデルとした。比較分析はグーグルストアでの直販価格に各国通貨と円の為替レートを用いた円換算ベースの金額とした。

調査の結果、Pixel 8シリーズの日本での販売価格は、Pixel 8(112,900円)、Pixel 8 Pro(169,900円)で、Pixel 8は20カ国の中でオーストラリアに次いで2番目に安く、Pixel 8 Proは3番目に安い国となった。Pixel Fold(253,000円)とPixel 7a(62,700円)は最安であった。
※1:モデルや時期によって販売国・地域は異なる

Pixel 8は日本が2番目の安さ

2023年10月発売のPixel 8の販売価格は112,900円で日本は2番目に安い国だった。最安はオーストラリア(109,000円)、3番目は台湾(113,182円)、4番目はグーグルが本社を構える米国(113,588円)、5番目はカナダ(116,562円)となった。日本を除いた19カ国の平均販売価格は122,524円で日本での販売価格よりも約9,600円高く、最高値のスウェーデン(129,595円)は日本より約16,700円高くなっている。

Pixel 8 Proの販売価格は169,900円で日本は3番目に安かった。最安は台湾(163,182円)、2番目はオーストラリア(163,545円)、4番目はスイス(171,967円)、5番目は米国(172,088円)の順となった。日本を除く平均は179,490円で日本よりも約9,600円高く、最高値の英国(192,545円)は日本よりも約22,600円高い。2モデルとも日本での販売価格は20カ国の中でも2番目、3番目の安値だった。日本を除く安値の国はグーグルが本社を構える米国、加えて台湾、オーストラリアといった東アジア・オセアニア地域となっていることが明らかとなった。一方、最高値はスウェーデンや英国と欧州の国になった。

Pixel Fold/7aは日本が最安

Pixel FoldとPixel 7aの販売価格を、Pixel Foldが発表されPixel 7aが発売された2023年5月の価格と、Pixel 8シリーズが発表された2023年10月での価格で比較した。どちらのモデルも日本が最安であることは変わらず、為替相場の影響によってほかの国との価格差が大きくなった。

Pixel Foldは日本、米国、英国、ドイツの4カ国のみでの販売で、いずれの時点も日本は253,000円で最安だった。日本を除く3カ国の平均は2023年5月(280,130円)で日本よりも約27,000円高く、2023年10月(302,352円)では約49,000円高かった。最高値はいずれの時点も英国で2023年5月は296,411円、2023年10月は318,000円だった。

Pixel 7aは2023年5月時点では17カ国で販売され、2023年10月時点では20カ国に販売エリアを拡大した。日本での販売価格は、いずれの時点も62,700円で最安だった。日本を除く平均は2023年5月(73,265円)では日本よりも約10,600円高く、2023年10月(78,528円)では約15,800円高かった。最高値はいずれの時点もデンマークで2023年5月は78,412円、2023年10月は83,313円だった。

日本のPixel指数(Pixel 8価格÷平均賃金)は2.5%

国や地域で価格設定が異なるPixelの購入のしやすさを比較するため、それぞれの国のPixel 8の販売価格が年間の平均賃金に占める比率をPixel指数として算出した。なお、平均賃金はOECD(経済協力開発機構)によるデータを参照(出典1)。OECD加盟国以外はIMF(国際通貨基金)による一人当たりGDPを代替データとして活用した(出典2)。同指数は値が小さいほどPixelが購入しやすいといえる。

日本のPixel指数は2.5%で、20カ国のうち指数の小さい順で18番目、大きい順では3番目と下位にランクされた。最も小さいのはスイスで0.77%、2番目はシンガポール(0.98%)、3番目は米国(1%)、4番目はデンマーク(1.27%)、5番目はオーストラリア(1.29%)の順となった。最も大きいのはポルトガルで4.02%となった。2番目に高いのはスペイン(2.7%)となった。

日本のPixelシェアは拡大傾向

MM総研による国内スマートフォンの出荷台数調査(2023年度上期)において、Pixelシェアは12.4%と急激に拡大した。グーグル純正のAndroidスマートフォンとして、日本市場における最初の販売モデルは2018年のPixel 3で、NTTドコモとソフトバンクにより取り扱いが開始された。その後、ドコモが新モデルの採用を見送るなか、新たにKDDIが加わりKDDIとソフトバンクでの販売により徐々に台数・シェアを伸ばしてきた。2023年発売のPixel 7aではドコモが再び取り扱いを開始することで、2023年度上期の躍進につながった。ドコモがメインで使用する5G周波数帯「n79」は世界的にみても稀有なバンドで、グーグルもこれまで非対応だったが、今回、n79に対応するPixel 7aを投入した。このことからもグーグルの日本市場攻略に向けた意気込みがうかがえる。

グーグルによる積極的な販売施策がiPhone一強の日本市場を崩せるか

日本のスマートフォン市場は約50%がアップルのiPhoneであり、世界有数のiPhone人気国といえるだろう。グーグルは過去にもNexusシリーズや現在も販売を継続しているAndroid Oneシリーズといった、Android純正スマートフォンを京セラやシャープなどに製造委託することでAndroid OS市場の拡大を試みてきた。現在、Pixelシリーズは端末メーカーとしてグーグルが前面に立った真の純正Androidスマートフォンとして、世界市場で販売を強化している。グーグルの目的はAndroid OSシェアの拡大、つまりiPhoneユーザーの獲得といえるだろう。しかしながら、2023年度上期の国内メーカーシェアをみると、iPhoneシェアは前年同期比でプラスとなっている。グーグルはシェア2位に躍進したものの、結果的にはほかのAndroidメーカーからシェアを奪う結果となってしまっている。今後はAndroid市場全体を盛り上げつつ、いかにiPhoneユーザーを獲得するかが課題となるだろう。2023年内には電気通信事業法の関連省令が改正され、端末セット値引き額が最大4万円に引き上げられる見通しである。iPhoneとPixelはともに高価格帯の端末に属することから、この改正が競争環境にどのような影響をもたらすのか興味深い。MM総研では、国内・海外を問わずスマートフォンの販売価格や市場動向について調査分析を進めていく。

■調査手法
「販売価格」:グーグルストアでの直販価格
      (消費税などの税金を含む。米国はニューヨーク州、カナダはオンタリオ州として計算)
「為替」:各Pixelの発売(発表)時点
「対象国・地域(全20)」2023年10月のPixel 8販売価格が安い順(”/”は同額の意)
 オーストラリア、日本、台湾、米国、カナダ、スイス、シンガポール、ノルウェー、ドイツ/オーストリア/フランス/スペイン/オランダ/イタリア/ベルギー/アイルランド、英国、デンマーク、ポルトガル、スウェーデン。(Pixel 7aのみプエルトリコも対象) 

出典1:OECD(経済協力開発機構)「平均賃金」
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/average-wages-japanese-version.htm
現地通貨による平均賃金を採用 

出典2:IMF(国際通貨基金)「一人当たりGDP
https://www.imf.org/external/datamapper/PPPPC@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD
一人当たりGDPの購買力平価(PPP)換算の米国ドル金額に2023年9月13日時点の為替をかけて算出 

参考1:MM総研「2023年度上期 国内携帯電話端末の出荷台数調査」
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=602

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