スマートフォン利用者の月額利用料金は4,458円

「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2023年1月調査)」

2023年03月01日

■スマートフォンの月額利用料金は平均4,458円、前回調査から91円減少、2020年12月時点との比較では876円減少
■スマートフォンの購入金額は平均69,661円、前回調査から8,611円増加
■スマートフォンの月間データ通信量は平均10.09GB、6年間で2.4倍に増加

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)はNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル※1(以下MNO 4社)、ワイモバイル、UQモバイル(以下サブブランド)、及びMVNO各社(以下MVNO)それぞれの音声通話サービス利用者に対するアンケート調査を実施し、携帯電話の月額利用料金と音声通話・データ通信サービスの利用実態をまとめた。

※1:楽天モバイル:2022年7月調査、2023年1月調査は自社回線のみ、2021 年12 月以前は自社回線・MVNO を含む

スマートフォン利用者の月額利用料金は4,458円

携帯電話の月額利用料金※2,3について、端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額を分析した結果、スマートフォン利用者全体では4,458円で、前回調査から91円減少し、2020年12月時点との比較では876円減少となった。

携帯電話の平均月額利用料金の推移

※2:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※3:「月額利用料金」=「通話料」+「データ通信料」
  ◇端末購入の支払が分割払いで残っているユーザーの回答には端末購入金額は含まない
  ◇消費税を含む 

楽天モバイルを含むMNO 4社のスマートフォン利用者の月額利用料金は5,073円、MNO 3社のフィーチャーフォン利用者は2,602円となった。サブブランド利用者の月額利用料金は3,183円、MVNO利用者の月額利用料金は1,961円となった。 

携帯電話の平均月額利用料金

スマートフォン利用者の端末購入金額は69,661円

端末の割引前購入金額※4,5結果はスマートフォン利用者全体で69,661円となり、前回調査から8,611円増加した。円安の影響を受け、2022年7月にiPhoneの定価が1割以上値上がりしたことが大きな要因と考えられる。5G対応・非対応による端末価格の違いをみると、5Gスマートフォン利用者は81,180円、4Gスマートフォン利用者(3Gを含む)は58,031円で、両者の差額は23,149円となった。MNO 4社のスマートフォン利用者では73,757円(前回調査比6,166円増)、MNO 3社のフィーチャーフォン利用者は22,707円(同2,913円増)、サブブランド利用者は60,835円(同16,133円増)、MVNO利用者は53,590円(同10,056円増)だった。

スマートフォンのOS別にみると、iOS(以下iPhone)では93,660円、Androidでは52,752円となった。iPhoneの方がAndroidスマートフォンよりも端末購入価格が40,908円も高いことが明らかとなった。5G対応の有無による違いをみると、5GiPhoneは107,762円で4GiPhone(78,167円)よりも約3万円高く、5GAndroidは61,553円で4GAndroid(44,575円)よりも約1万7000円高くなった。

端末の割引後購入金額※4はスマートフォン利用者全体で58,286円となり、割引前購入金額の83.7%(11,374円差)となった。5G対応・非対応でみると、5Gスマートフォン利用者は割引前購入金額の83.9%(13,061円差)、4Gスマートフォン利用者(3Gを含む)は83.3%(9,672円差)で、割引率に大きな差はなかった。OS別では、iPhoneは86.4%(12,784円差)、Androidは80.5%(10,297円差)と、Androidスマートフォン利用者の方が高い割引率で購入している傾向が窺える結果となった。

端末の平均購入金額の推移

※4:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※5:「購入金額」=定価・または割引前の端末の支払総額(消費税を含む)

端末の平均購入金額

月間データ通信量は平均10.09GB(ギガバイト)・中央値は3GB

スマートフォン利用者の月間データ通信量※6,7,8について分析した結果、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は10.09GB(ギガバイト)、中央値は3GBとなった。

有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」27.5%、「2GB」10.7%、「3GB」16.6%となり、54.8%のユーザーが3GB以下の通信量となった。中央値はこれまで長く「3GB」が続いたが、3GB未満の低容量ユーザー比率は減少傾向にあり、1年後の中央値は「4GB」となる可能性もあるだろう。なお、平均利用量に近い「10GB」までのユーザーは77.8%を占め、前回調査より1.7ポイント減少、その分、10GB超ユーザー比率が上昇した。

スマートフォンの月間モバイルデータ通信量(GB)

※6:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※7:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※8:2021年11月(調査月の前月)の利用状況から分析

月間モバイルデータ通信量※9,10,11の推移をみると増加傾向が続いている。平均値は2017年2月調査(4.22GB)、2018年4月(5.70GB)、2019年2月(6.05GB)、2020年2月(6.94GB)、2020年12月(7.56GB)、2021年7月(8.72GB)、2021年12月(8.95GB)、2022年7月(9.34GB)、2023年1月(10.09GB)で推移。2021年12月調査から約1年で1.14GB(12.7%)増加、約6年前の2017年2月調査と比較すると約2.4倍に増加した。

※9:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※10:通信量はモバイル通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※11:「通信量がわからない」を除く

スマートフォンによるWi-Fiデータ通信量は10.64GB

スマートフォン利用における月間Wi-Fiデータ通信量を分析したところ、「わからない」を除き、Androidユーザーは9.9GB、iPhoneユーザーは11.4GBと分析した。全体では10.64GBで、月間モバイルデータ通信量の平均(10.09GB)と合わせた月間総通信量は約20.73GBとなる。2021年12月時点の通信量よりも4.11GB減少した。データ通信量の構成比としてはモバイルデータ通信量の48.7%に対し、Wi-Fi通信量は51.3%となり、1:1に近づいている。

スマートフォンの月間Wi-Fiデータ通信量(GB)

1週間の通話時間はMNO 4社 39.9分、サブブランド 38.6分、MVNO 20.1分

スマートフォン利用者に携帯電話番号とIP電話・アプリ電話それぞれの音声通話時間※12を質問した。その結果、1週間の平均通話時間は携帯電話番号からの場合、MNO 4社は19.8分、サブブランドは18.2分、MVNOは8.4分となった。IP電話・アプリ電話からの場合は、MNO 4社は20.1分、サブブランドは20.4分、MVNOは11.7分となった。携帯電話番号とIP電話・アプリ電話からの通話時間を合算すると、MNO 4社は39.9分、サブブランドは38.6分、MVNOは20.1分となった。

※12:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

通話時間の推移(2018年4月~2023年1月)をみると、携帯電話番号とIP電話・アプリ電話からの総通話時間は、MNO4社では2019年2月以降減少が続いており、サブブランドとMVNOについては2021年7月以降横ばいの傾向となっている。 

スマートフォン利用時間は1,144分/週

スマートフォンの1週間あたり利用時間※13,14は1,144分(19時間4分)となった。個別にみると、MNO 4社は1,178分、サブブランドは1,105分、MVNOは1,047分となった。

スマートフォンの利用時間(分/週)

※13:通話時間を除く
※14:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

 

SNS、音楽配信サービス、有料動画配信サービスについて、サービスごと※15の利用率、利用者の平均利用時間※16についても分析した。SNS全体の利用率は76.3%で、1週間あたりの利用時間は94分だった。音楽配信サービスは51.1%、118分、有料動画配信サービスは63.5%、151分となった。

SNSでは「Twitter」の利用率が59.8%で最も高く、1週間あたりの利用時間は102分となった。次いで「Instagram」の55.9%(59分)、「Facebook」の36.7%(113分)、「TikTok」の20.4%(110分)、「Pinterest」の13%(73分)の順となった。

音楽配信サービスでは「YouTube Music」の利用率が30.3%で最も高く、1週間あたりの利用時間は97分。次いで「Apple Music」が23.7%(135分)、「Spotify」が21.6%(151分)、「Amazon Music Unlimited」が15.1分(125分)、「LINE Music」が12.1%(140分)となった。

有料動画配信サービスでは「Amazonプライムビデオ」の利用率が37.5%で最も高く、1週間あたりの利用時間は145分となり、次いで「YouTube Premium」が17.9%(205分)、「Netflix」が15.4%(216分)、「Hulu」が6.6%(166分)、「Disney+」が6.6%(134分)となった。

※15:利用率上位5項目を抜粋
SNS(全6項目)
「Twitter」、「Facebook」、「Instagram」、「TikTok」、「Pinterest」、「その他」
音楽配信サービス(全9項目)
「Spotify」、「Apple Music」、「YouTube Music」、「Amazon Music Unlimited」、「Rakuten Music」、「LINE Music」、「AWA」、「auうたパス」、「その他」
有料動画配信サービス(全15項目)
「Amazonプライムビデオ」、「Netflix」、「Hulu」、「YouTube Premium」、「Paravi」、「ABEMAプレミアム」、「NHKオンデマンド」、「FODプレミアム」、「TELASA」、「テレ東BIZ」、「dTV」、「Disney+」、「DAZN」、「U-NEXT」、「その他」
※16:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

 

■調査概要
1. 調査対象:15~69歳の男女
2. 回答件数:プレ調査24,765人/本調査1,378人
3. 調査方法:Webアンケート
4. 調査時期:2023年1月

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