独自サービス型SIM市場は2半期連続のプラス成⻑に

「国内MVNO市場調査(2022年9月末時点)」

2022年12月14日

■2022年9月末の独自サービス型SIMの回線契約数は1284.8万回線(前年同期⽐3.7%増)

■楽天MNOの0円廃止を受け、上位MVNOの新規契約が増加

■携帯電話(3G、LTE、5G)契約数に占める独自サービス型SIMの⽐率は6.3%で変化なし

■2023年3月末の独自サービス型SIMの回線契約数は1340万回線と予想(前年同期⽐6.4%増)

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関⼝和⼀所⻑)は国内MVNO市場の 2022年9月末時点での実績を発表した。調査結果によると、独自サービス型SIMの回線契約数は1284.8万回線となり、前年同期⽐で3.7%増となった。楽天モバイルの0円廃止、IoT向け用途の好調を背景に2半期連続のプラス成⻑を記録(データ1)。携帯電話(3G、LTE、5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数⽐率は、2021年9月末から横ばいの6.3%で推移した(データ2)

2022年9月末時点での独自サービス型SIM市場の事業者シェア1位は「IIJmio」などを提供するインターネットイニシアティブで、回線契約数は258.9万回線(シェア20.2%)。0円プランを廃止した楽天モバイルからの移⾏とIoT用途を含む法人向け回線が好調で、1年間で32.7万回線純増した。2位はNTTレゾナントで186.3万回線(同14.5%)。3位はオプテージで122.4万回線(同9.5%)だった(データ3)

MM総研では 2023年3月末の独自サービス型SIMの回線契約数を1340万回線(前年⽐6.4%増)と予測する。スマートフォン向け用途では、大手通信事業者(MNO)によるサブブランド、オンライン専用プランの拡販強化、端末値下げなどの影響が大きいものの、価格優位性を武器として上位事業者が販売数を伸ばしていることから、若⼲のプラスになる⾒込み。なお、IoT向け用途はこれまでの予測よりも普及スピードは緩やかになるものの、引き続き大幅な成⻑が⾒込まれる(データ4)

※独自サービス型SIM=MVNO事業者がSIMカードを活用して独自の料⾦プランで提供する回線サービス(プリペイドは含まない)

【データ1】 独自サービス型 SIM の市場規模

携帯契約数に占める独自サービス型 SIM ⽐率は 6.3%、サブブランド 2 社の合計回線 数が独自サービス型 SIM の総計を上回る

2022年9月末時点の携帯電話(3G、LTE、5G)契約数は2億313.5万回線。独自サービス型SIMの回線契約数は携帯電話市場全体から⾒ると構成⽐で6.3%と2022年3月末から横ばいで推移(データ2)※1。
携帯電話市場全体が緩やかに成⻑するなかで、独自サービス型SIMも楽天モバイルの0円廃止による顧客流⼊、ドコモショップにおけるOCNモバイルONEの販売好調に加え、IoT用途での導⼊が進んだことから横ばいを維持する結果になった。

なお、サブブランドも引き続き大幅に回線数を増加させた。楽天モバイルの影響で多くの顧客が流⼊しているほか、大手キャリアのメインブランドからの移⾏ユーザーを効率よく獲得している。2022年9月末時点のサブブランド(Y!mobile+UQ mobile)契約数⽐率は前年同期の5.4%から7.0%に拡大。
サブブランド2社の合計回線数は独自サービス型SIMの総計を上回る状況になった。また、NTTドコモのオンライン専用プラン「ahamo」が300万回線超となったほか、KDDIのpovoが200万件に迫る勢いを⾒せており、独自サービス型SIMの対抗軸となるサービスが好調を維持している。

※1. 2020年9月末より楽天モバイルを全体回線数に含め算出し直した。

【データ2】携帯電話(3G、LTE、5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数⽐

インターネットイニシアティブが首位を維持

2022年9月末時点で独自サービス型SIM市場の事業者シェア1位は「IIJmio」・「BIC SIM」などを提供するインターネットイニシアティブの20.2%(258.9 万回線)。2位は「OCNモバイルONE」などを提供するNTTレゾナントの14.5%(186.3万回線)。3位は「mineo」を提供するオプテージの9.5%(122.4万回線)。4位は「BIGLOBE SIM」などを提供するビッグローブの6.7%(86.3万回線)。

シェア1位のインターネットイニシアティブ(IIJ)は、2021年4月に提供を開始した料⾦プラン「ギガプラン」が好調で、0円プランを廃止した楽天モバイルユーザーの受け皿となり、個人向けサービスにおいて四半期連続の純増を記録。IoTを含む法人分野でも1年で30万に迫る純増を記録しており、個人・法人ともに順調に回線数を伸ばした。

2位のNTTレゾナント(※2022年7月のNTTグループの事業再編によりNTTコミュニケーションズの事業を承継)は、オンラインショップを通じたスマホ端末のセット販売が堅調に推移しているほか、2021年10月から開始した「ドコモのエコノミーMVNO」が好調であった。

3位のオプテージは、2021年4月に提供を開始した料⾦プラン「マイピタ」および、2022年3月に開始した、ランチタイム(12時〜13時)の速度が制限される代わりに、その他時間帯が容量制限なしで利用できる「マイそく」が好評で契約数を伸ばした(データ3)

2022年5月に楽天モバイルが0円プランの廃止を発表して以降、100万を超す解約ユーザーが発生した。独自サービス型SIMの提供事業者の中でも特にシェア上位3事業者は、これら解約ユーザーの受け皿となり契約数を伸ばすことに成功した。

 

【データ3】独自サービス型SIMの事業者シェア

※NTTレゾナントにはNTTコミュニケーションズが提供する分が一部含まれる

IoT 用途拡大で再び成⻑路線へ

2023年3月末時点の独自サービス型SIM市場は1340万回線になると予測する(データ4)。IoT用途では、これまでの予測より普及スピードは緩やかになるものの、引き続き市場の拡大が⾒込まれ、2025年3月末時点の IoT向け回線⽐率は48.2%に達すると予測する。

【データ4】独自サービス型SIM市場予測


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