PCサーバー出荷台数は3年連続の減少

「2021年度国内PCサーバー出荷台数調査」

2022年06月24日

■ 2021年度の出荷台数は37万2258台と前年度比で8.4%の減少

■ 半導体や部品不足によるサーバー供給の遅れが響く

■ 出荷金額も2550億円と前年度比で8.2%の減少

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2021年度国内PCサーバー出荷台数を調査し概要をまとめた。2021年度の国内PCサーバー出荷台数は37万2258台(前年度比8.4%減)となった(データ1)。新型コロナウイルスの流行で商業施設やオフィスの利用が減少したこともあり、店舗などの施設やオフィスでのオンプレミスサーバー※1需要が伸び悩んだ。さらに半導体や中国の都市封鎖の影響を受けサーバー供給が遅れたことが影響した。

出荷金額は2550億円で同8.2%の減少となった(データ2)。第4四半期に入り、国内大手メーカーでは部品不足や物流費の高騰を背景にサーバー価格の値上げを実施しているが、単価上昇にはつながらなかった。2022年度以降は値上げにより平均単価が上昇していく可能性がある。

※オンプレミスサーバー・・・サーバー利用者が管理する施設内(社内のサーバールームやデータセンターなど)に設置、運用されているサーバーのこと

【データ1】2021年度国内PCサーバー出荷台数実績と予測

新型コロナ流行でオンプレミスサーバー出荷は減少

2021年度は、台数、金額とも前年度比で減少となり、2019年度以降、3年連続の減少となった。新型コロナウイルスの流行で、施設に直接設置するオンプレミスサーバーの需要は減少し続けている。在宅勤務や企業・行政サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)によるクラウドシフトは続くとみられるが、クラウドにシフトできない、もしくはシフトしてもメリットのないサーバーのリプレース需要に対して供給が追い付いていない側面もある。半導体不足や中国の都市封鎖に伴う部品供給などの遅れによって、納期の見通しが立たない、もしくは値上げの影響を受け、予算見直しが必要となっているサーバーリプレース案件の増加が目立っている。

【データ2】2021年度国内PCサーバー出荷金額実績と予測

2022年度の出荷台数は横ばい、値上げ影響で出荷金額は増加傾向へ

2022年度は、出荷台数が前年度比0.1%増の37万2460台を予測する(データ1)。未だサーバー供給は不安定な状況が続くが、財務会計などバックオフィスのデジタル化要求に伴い、オンプレミスサーバーの更新ニーズも高まることが予想される。2019年の消費税対応に伴って同年に導入されたサーバーの更新時期を迎えつつあり、サーバーの安定供給が進めば、2022年度は前年度を若干上回る出荷台数規模となろう。

今期から政府施策で、データセンターの地域分散を図るプロジェクトが始まる。Amazonなどのメガクラウドベンダーとの接続によるコストダウンだけでなく、日本全体でデジタルインフラを強靭化し、地域データビジネスを振興するなどの狙いがあり、サーバーの地域需要を見通す上でも注目される。今後、地域における5GやAI処理のニーズ取り込みを含め、サーバーメーカー各社は、性能向上、機能開発のみならず地域への安定供給や遠隔利用における利便性向上などの対応が求められよう。

【PCサーバーの定義】
・PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、現在では、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。
・本統計には、メガクラウド事業者等が、ODMメーカー等から調達する、自社専用設計のPCサーバーを含んでいない。

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