日本のiPhone販売価格は世界34の国・地域の中で最安

「世界のiPhone販売価格調査(2022年6月)」

2022年06月14日

■日本のiPhone販売価格は世界34の国・地域の中で最安
■急速な円安により日本の安さは更に顕著に
■2022年秋のiPhone 最新モデルは最大2割の値上げも懸念される


ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、世界34の国・地域を対象にiPhoneの販売価格を調査し、その結果を発表した。調査では2022年6月時点の各国のアップルオンラインストアの価格を比較分析した。対象モデルはiPhone 13 128GB(以下iPhone 13)/iPhone 13 Pro Max 1TB(以下iPhone 13 Pro Max)/iPhone SE第三世代 64GB(以下SE3)の3モデルとした。

比較分析では2022年6月現在の各国販売価格を6月1日時点の為替レートに基づき円換算している。また、参考比較として、iPhone 13シリーズの発売日である2021年9月24日の為替レートを適用した比較分析した。※1。
調査結果から2022年6月時点の日本販売価格は、iPhone 13(98,800円)、iPhone 13 Pro Max(194,800円)、iPhone SE3(57,800円)で3モデルともに最安となった。2021年9月の為替レートを採用した価格でも、iPhone 13が2番目、iPhone 13 Pro Maxが3番目、iPhone SE3が11番目に安く、総じてiPhone販売価格が安いことが明らかとなった。

世界のiPhone販売価格(2022年6月時点)

安い国の上位は日本に加えてアジア圏が目立つ。反対にブラジル・トルコが高い

2022年6月のiPhone 13販売価格が日本に次いで安いのは香港となった。香港は消費税や付加価値税がないのも特徴的である。以下、タイ、韓国、マレーシア、台湾といったアジア圏の安さが目立った。アップルが本社を構える米国ではiPhone 13が8番目、iPhone 13 Pro Maxが4番目、SE3が3番目と比較的安い価格に設定されている。ドイツ、フランス、スペイン、オランダなどの西欧ユーロ圏は概ね同様の価格設定となっている。iPhone 13の価格の安さではドイツの15位が最上位となった。一方、価格の高さでは、ブラジルが最高値となった。iPhone 13(207,221円)とiPhone 13 Pro Max(408,278円)が日本と比較すると2.1倍、iPhone SE3(114,504円)は2倍の価格でダントツとなった。ブラジルの次に高いのはトルコ、メキシコと続いた。

2021年9月24日時点の為替レートで比較すると、日本はiPhone 13が2番目、iPhone 13 Pro Maxが3番目に安い販売価格で発売されたことになる。iPhone 13の最安は香港、iPhone Pro Maxの最安は米国だった。反対に最高値は2モデルともにトルコで、次いでブラジルが続いた。

iPhoneは対応する周波数バンドなどの違いにより、世界でいくつかの型番が存在する。アップルのホームページで確認できるが、iPhone 13は6種類、iPhone 13 Pro Maxは5種類、iPhone SE3は5種類とそれぞれ販売する国・地域に応じて分類している。日本で販売されるiPhone 13及びiPhone 13 Pro Maxはカナダ、メキシコなどでも販売されている。なお、iPhone SE3は日本のみの型番となる。同一型番が販売されるカナダとメキシコの販売価格を日本と比較してみると、カナダのiPhone 13が126,733円(日本の販売価格と比較して28.3%高)、iPhone 13 Pro Maxが257,040円(同32%高)、メキシコのiPhone 13が137,731円(同39.4%高)、iPhone 13 Pro Maxが275,468円(同41.4%高)で日本の3割から4割高となっている。

円安の影響もあり日本iPhoneの安さは顕著に

2022年に入って急速な円安が進んでいる。2022年6月1日と2021年9月24日の為替レートを比較すると、トルコ(リラ)・ハンガリー(フォリント)を除く31の国・地域の24通貨は円安で動いている。約8カ月間での為替は米国ドル:16.5%の円安、ユーロ:6.6%の円安、韓国ウォン:10.4%の円安、中国元:12.8%の円安となる。特にブラジル通貨レアルとの為替レートは31%の円安になった影響もあり、上記販売価格差が生じている。iPhone 13 Pro Max 1TBの日本価格は194,800円である。本調査対象である34の国・地域で最安とはいえAndroidと比較しても最高価格に位置するスマートフォンといえる。日本以外33の国・地域での平均価格は2021年9月で237,995円、2022年6月で256,855円と更に高額となる。この高級品ともいえるiPhone Pro Maxが日本では2021年9月時点では4万3000円安く、2022年6月現在では6万2000円安く購入することができる。

世界中にファンがいるiPhoneが自国で購入するよりも安く買えると、海外利用を目的に日本でiPhoneを購入する外国人も一定数存在している。特にアップルストア直営店舗や家電量販店で発売されるオープン市場のiPhoneは海外旅行者などのインバウンド需要による販売も一定の割合を占めると分析する。日本人も円高時には海外旅行の際に、海外ブランドのファッション・装飾品を購入することが賢い選択となるケースが存在していたように、外国人にとって日本でのiPhone購入は同様のメリットが得られる状況となっている。上述の通り、iPhoneは対応周波数など世界で5~6個の型番を販売し分けているが、主要な周波数帯は網羅しているため、日本で購入した端末を海外で利用しても特別な問題が生じない仕様になっている点も影響している。

今秋のiPhone最新モデルは最大2割の値上げも懸念される

政府は新型コロナの水際対策の緩和に動いており、海外からの渡航者も増加することが予想される。今秋のiPhone最新モデルの販売価格次第では訪日外国人によるiPhone購入が更に増加する可能性が高い。例年通りであれば、今年も9月頃の発売が想定される。円安の影響に加えて部材費・物流費の高騰に伴う価格上昇要因が存在する。そのためiPhone 13シリーズと比較すると最大2割の値上げも懸念される。
今後発売されるiPhoneの日本販売価格は国内新品・中古市場に留まらず、海外市場からも注目を集めそうだ。

■調査手法
「販売価格」:アップルオンラインでの直販価格(2022年6月現在)
      (消費税などの税金を含む。米国はニューヨーク州、カナダはオンタリオ州として計算)
「為替」:2022年6月1日および2021年9月24日時点

(参考)日本のiPhone発売日
・iPhone 13シリーズ:2021年9月24日
・iPhone SE3:2022年3月18日

「対象国・地域(全34)」2022年6月のiPhone 13販売価格が安い順(”・”は同額の意)
 日本、香港、タイ、韓国、マレーシア、台湾、中国、米国、ノルウェー、ハンガリー、スイス、アラブ首長国連邦、ニュージーランド、シンガポール、ドイツ、オーストリア、オーストラリア、フィリピン、フランス・スペイン・オランダ、イギリス、ポーランド、カナダ、ポルトガル・フィンランド、チェコ、スウェーデン、イタリア、デンマーク、インド、メキシコ、トルコ、ブラジル。

※1  日本以外について、2021年9月の各国直販価格は確認できておらず為替のみの変化である点、iPhone SE3は2022年3月に発売された端末である点に留意する必要がある。日本では、iPhone13シリーズおよびiPhone SE3の直販価格は発売以降に変更されていない点を確認済みである。


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