低価格帯PCサーバーの需要低迷が続く

「2021年度上期国内PCサーバー出荷台数調査」

2022年01月12日

■2021年度上期の出荷台数は18万430台と前年度同期比で6.9%の減少

■在宅勤務の広がりでオフィス内利用など低価格帯サーバーの需要が低下

■出荷金額は1190億円と前年度同期比で9.1%減となる

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2021年度上期の国内PCサーバー出荷台数を調査し概要をまとめた。2021年度上期の国内PCサーバー出荷台数は18万430台(前年度同期比6.9%減)と20年度上期に続き2年連続の減少となった(データ1)。新型コロナウイルスの流行で在宅勤務が広がったこともあり、オフィス内などで利用されるオンプレミス向けのPCサーバー※1需要が伸び悩んだ。特に低価格のオフィス向けサーバー需要が縮小している。出荷金額は1190億円で同9.1%減となった(データ2)。通信、学術系の大型投資があったものの全体の出荷単価を押し上げるには至らなかった。

 

※オンプレミスサーバー・・・サーバー利用者が管理する施設内(社内のサーバールームやデータセンターなど)に設置、運用されているサーバーのこと

 

【データ1】2021年度上期国内PCサーバー出荷台数実績と予測

 

◆コロナ禍でクラウドシフトが続く

2021年度上期は、出荷台数および出荷金額とも前年度同期比で減少が続いた。在宅勤務の日常化は、Web会議システム、コラボレーションソフトだけでなく、業務システムのクラウド活用につながっている。今後はクラウドとオンプレミス型の情報システムが連携して業務を遂行するハイブリッドクラウドや、マルチクラウド需要がオンプレミスのサーバー需要を牽引することとなろう。

 

【データ2】2021年度上期国内PCサーバー出荷金額実績と予測

◆2021年度下期は半導体不足も重なり減少傾向が続く

2021年度下期の出荷台数は前年度同期比9.2%減の19万3050台と予測する(データ1)。サーバー出荷台数の減少は、半導体不足で生産に影響が出ていることも背景となっている。オンプレミスを検討していたSIプロジェクトでも、サーバー調達が滞るためクラウド活用に切り替えていくケースが増える傾向にある。特に地域や中堅中小法人でサーバー保有が必要になるSIプロジェクトにおいては、クラウド利用による現地配備や運用の簡素化に加え、地域のデータセンターを活用したプライベートサーバーを提供するサービスなど需要にあった付加価値の提供が求められる。

以上

 

【PCサーバーの定義】

・PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。

・本統計には、メガクラウド事業者等が、ODMメーカー等から調達する、自社専用設計のPCサーバーを含んでいない。

 

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