スマートウォッチの国内販売台数が200万台を突破

「スマートウォッチ市場規模の推移・予測と利用実態」

2021年09月16日

■2020年度のスマートウォッチ国内販売台数は229.4万台(前年度比19.9%増)

■製品の低価格化と健康管理用途での需要拡大が市場をけん引、2021年度は302.5万台(同31.9%増)、2025年度には490万台に拡大する見込み

■メーカー別シェアではAppleが54.5%でトップ

■スマートフォン利用者のスマートウォッチ利用率は9.4%

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、スマートウォッチの国内販売台数の推移・予測とその利用実態に関する調査※1を実施し、概要をまとめた。2020年度通期(2020年4月~2021年3月)の国内販売台数は229.4万台(前年度比19.9%増)となった。2015年度の調査開始以来、5年連続で過去最高を更新した。製品の低価格化や健康管理への意識の高まりが市場拡大の追い風となっており、2021年度は302.5万台(前年度比31.9%増)、2025年度には490万台と市場の拡大基調が続くものと予測する。

※1 調査では、15~69歳の男女24,476人を対象にWebアンケートを実施し、利用状況や今後の購入意向について分析した。販売台数の今後の推移については、アンケート結果・取材を基に独自に算出。なお、スマートウォッチには腕時計型とリストバンド型の両方を含む。

スマートウォッチ販売台数の推移・予測


 2021年度販売台数は302.5万台(前年度比31.9%増)の見込み

今後のスマートウォッチの販売台数は、2021年度:302.5万台(前年度比31.9%増)、2022年度:369.1万台(22%増)、2023年度:426.3万台(15.5%増)、2024年度:464.9万台(9.1%増)、2025年度:490万台(5.4%増)と増加傾向が続くと予測する。

販売台数の増加要因としては、スマートウォッチ市場は成長途中であり、買い替え需要よりも新規購入ユーザーの方が多いためだ。各社が投入する端末価格も「Apple Watch SE」に見られるように全体的に価格帯を下げてきた。ウォッチ型は依然として人気だが、特に中国メーカー各社は5,000円を下回るバンド型端末も投入しており、エントリーモデルとして新規ユーザーにも手に入れやすい価格となっている。

新型コロナの流行とそれに伴う在宅時間の増加によって健康管理への意識が高まっていることも、市場拡大の追い風となっている。スマートウォッチ利用者は、健康維持やダイエットなどを目的にした運動記録の管理、心拍の測定や睡眠の記録など様々なヘルスケア関連の機能を利用している。スマートウォッチに限らないが、ヘルスケアの観点から医療や介護現場で、ウェアラブルデバイスの活用も始まっており、患者や高齢者による利用が進めばスマートウォッチ市場はさらに拡大するものと見ている。

 

メーカー別販売台数はAppleが1位

メーカー別販売台数・シェアでは、2020年度通期はAppleが125万台(シェア54.5%)でトップとなった。同社はこれまで1年に1度、1つのシリーズのみ発表をしていたが、2020年9月の発表では「Apple Watch Series 6」だけではなく「Apple Watch SE」を含めた2機種を発表。買い替え需要に加えエントリーユーザーの獲得にも成功した。

 

2020年度通期 メーカー別スマートウォッチ販売台数・シェア※2

※2:小数点第2位を四捨五入しているため合計値が100%とならない場合があります。

 

2位はFitbitで42.1万台(18.4%)となった。同社はスマートバンド(トラッカー)の製品で知られているが、近年は「Sense」や「Versa」といったウォッチ型の端末シリーズにも力を入れている。これらのウォッチ型端末や「Charge 4」といった一部のバンド型端末ではJR東日本のSuicaにも対応している。

3位はGARMINで16.8万台(7.3%)。昨年度から順位をひとつ上げた。スイミングやゴルフ、登山やeスポーツなどスポーツ種目に特化した端末が多いのが特徴で、同社製品の一部もSuicaに対応をしている。他にもSONYの「wena3」や前出のAppleなど現状では合計4メーカーがSuica対応となっている。

4位はHuaweiで12.2万台(5.3%)。スマートフォン市場では依然として苦戦しているが、IoT製品などで挽回を図っており、スマートウォッチではシェア4位につけている。定期的にコストパフォ―マンスの高い製品を投入しており、家電量販店を中心に販売台数を伸ばしている。

5位はSamsungで8.5万台(3.7%)となった。自社のスマートウォッチOSとして「Tizen」を採用してきたが、今年5月にGoogle「Wear OS」とTizenの統合を発表した。かつては競合関係にあった両社だが合従連衡により、効率的な製品開発が可能になった。同社のGalaxyスマートフォンのユーザーだけでなく、他メーカーのAndroidスマートフォンユーザーにもターゲットが広がる。

この他、OPPOやXiaomi、今年4月に日本市場に参入したrealmeなどの中国メーカーも低価格な端末を次々に投入しており、それぞれ自社のスマートフォンユーザーの囲い込みを狙う。realmeはまだスマートフォンを投入していないが、今後参入する可能性は充分にあるだろう。

 

スマホ利用者に占めるスマートウォッチ利用者は9.4%

Webアンケートでは、スマートフォン利用者にスマートウォッチの利用状況について聞いた。その結果「現在利用している」は9.4%、「過去に利用経験がある(現在は利用していない)」は3.3%、「利用したことがない」は81.5%、「わからない」は5.8%となった。

 

スマートウォッチの利用状況

スマートウォッチ利用者の買い替え意向者は47.8%

スマートフォン利用者にスマートウォッチの購入意向について質問した結果、「スマートウォッチの購入・検討の可能性がある」は15%、「スマートウォッチの購入は考えていない」は67.7%、「わからない」は17.3%となった。 

スマートウォッチの利用状況別でみると、現在利用しているユーザーでは47.8%が買い替え・買い替えの可能性ありと回答、一方、スマートウォッチを利用したことがない層では11%が購入・検討可能性がある、という結果となった。

 

スマートウォッチの購入意向

 ■スマートウォッチの定義――以下全てを満たす

①スマートフォン、タブレット端末、PCのいずれかと連携可能な端末
②腕に身に着けて利用する時計型、またはバンド型(トラッカー)の端末
③活動量計測機能(ライフログ)を有する端末
※活動量計測機能:歩数、歩行距離、消費カロリー、心拍、睡眠など、いずれかの機能 

■調査概要
1. 調査対象:15~69歳の男女
2. 回答件数:24,476
3. 調査方法:Webアンケート
4. 調査時期:2021年7月 

■報道に際しての注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。2. 報道機関が引用する場合は、出典を「MM総研」と明記してください(MMは全角)。数値等は表ではなくグラフ化して掲載してください。
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■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀近くにわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

 

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