PCサーバー出荷台数は2年連続の減少
2020年度国内PCサーバー出荷台数調査
2021年06月30日
■2020年度の出荷台数は40万6515台と前年度比で8.6%の減少
■長引くコロナウイルスの流行で施設やオフィスのサーバー需要が低下
■出荷金額は2778億円と前年度比で2%減にとどまる
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2020年度国内PCサーバー出荷台数を調査し概要をまとめた。2020年度の国内PCサーバー出荷台数は40万6515台(前年度比8.6%減)となった(データ1)。新型コロナウイルスの流行で商業施設やオフィスの利用が減少したこともあり、店舗などの施設やオフィスでのオンプレミスPCサーバー※1需要が伸び悩んだ。
出荷金額は、2778億円の同2.1%減と台数と比較し小幅な減少となった(データ2)。財務会計、給与、生産&販売管理といった企業の基幹業務情報を扱うシステムやマイナンバー、医療情報、キャッシュレスなど個人情報をあつかう中規模以上のシステムはオンプレミス構築が多く、これらの出荷が出荷金額を下支えした。
※オンプレミスサーバー・・・サーバー利用者が管理する施設内(社内のサーバールームやデータセンターなど)に設置、運用されているサーバーのこと
【データ1】2020年度国内PCサーバー出荷台数実績と予測
新型コロナ流行でオンプレミスサーバー出荷は減少
2020年度は、台数金額とも前年度比で減少に転じた。長引く新型コロナウイルスの流行が、施設やオフィスの人流を抑制しており、施設に直接配備するオンプレミスサーバーの需要は減少し続けている。その一方で在宅勤務や企業や行政サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)によりクラウド需要が大きく伸びており、今後クラウドとオンプレミスの情報システムが連携して業務を遂行するハイブリッドクラウドがオンプレミスサーバー需要を牽引することとなろう。
【データ2】2020年度国内PCサーバー出荷金額実績と予測
2021年度も微減傾向が続く、将来の5G需要に期待
2021年度は、出荷台数が前年度比0.8%減の40万3450台を予測する(データ1)。ワクチン接種の進展で経済活動が回復すると、サーバー需要は徐々に回復すると予測する。しかし世界的な半導体不足の影響で、製品供給の遅れや部品の値上げなどが懸念され、本格的な回復は2022年度以降となろう。
一方で2021年度後半から2022年度にかけ、商業・物流・生産・医療施設やオフィスのDX化研究が本格化するであろう。安心安全、快適、自働化による生産性向上などをめざし、実地でのIoTやAIの投資が活発になる。今後、5GやAI処理を狙ったサーバー各社の開発競争は激しさを増すだろう。
以上
【PCサーバーの定義】
・PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、現在では、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。
・本統計には、メガクラウド事業者等が、ODMメーカー等から調達する、自社専用設計のPCサーバーを含んでいない。
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