PCサーバー特需一巡、コロナ後はハイエンドシフトも

2019年度国内PCサーバー市場調査

2020年06月17日

■ 出荷台数44万4985台(前年度比3.6%減)、出荷金額2837億円(同1.6%減)

■ 消費増税前の駆け込み購入などの特需効果は一巡

■ 2020年度はクラウドシフトが進むが、特定領域ではハイエンド化加速の見込み

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2019年度(2019年4月~2020年3月)のPCサーバー国内出荷実績の調査結果をまとめた。出荷台数は44万4985台で前年度比3.6%減となった(データ1)。出荷金額は2837億円で前年度比1.6%減、出荷単価は63.8万円で前年度から1.4万円上昇した(データ2)。上半期は堅調に推移したが下半期に失速した。

2020年度予測については、出荷台数は39万9800台で10.2%減(データ1)、出荷金額は2540億円で10.5%減を見込む(データ2)。消費増税前の駆け込み購入、OS更新への対応などを契機とする特需効果は2017~2019年度で一巡した。

新型コロナウイルスで浮上した“ニューノーマル”に適応するため、今後、オンプレミスからクラウドへのシフトが中堅~大企業の業務システムや教育、行政、医療といった分野で加速するだろう。ただし、ビッグデータ収集、AI(人口知能)によるデータ解析、5G基盤などの特定領域では、オンプレミス型ハイエンドPCサーバーへの需要が高まっていくと見られる。また、中小事業所では依然として低価格PCサーバーへの需要は底堅い。中期的には、出荷台数の漸減傾向が続くが、出荷金額は比較的安定的に推移すると予測する。

 

【データ1】国内PCサーバー出荷台数実績及び予測(半期別)

 

【データ2】 国内PCサーバー出荷金額と平均単価の推移及び予測

 

アナリストレビュー

「新型コロナウイルス禍において、企業IT市場では在宅勤務やワークフローの見直しが求められ、オフィス大再編の兆しも見える。教育、医療、製造、行政、交通、物流など様々な産業でIT活用による“ニューノーマル”への対応が急務となっている。多くがクラウドシフトに向かうが、特定領域ではオンプレミス型ハイエンドPCサーバーへの新需要が立ち上がると見られる。クラウドが持つスモールスタート、アジリティ、運用自動化といった特徴を備えた新型機もラインアップされるだろう」 

PCサーバーの定義

・PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、現在では、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。

・本統計には、メガクラウド事業者等が、ODMメーカー等から調達する、自社専用設計のPCサーバーを含んでいない。

 


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