ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2020年3月末時点)

2020年05月28日

■ FTTH契約件数は2020年3月末3306.8万、2019年度の純増は前年度を上回る
■ 大容量コンテンツの利用増加で10Gbps以上のサービスが徐々に拡大
■ 固定ブロードバンド市場では光とワイヤレスの増加でソフトバンクが首位を維持
■ 2020年度のFTTH市場はテレワーク等の需要増加で2019年度を上回る純増を予測

   ※固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATV、ワイヤレスの合計)

 MM総研(東京都港区、所長 関口和一)は5月28日、2019年度通期(2019年4月~2020年3月)のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。2020年3月末時点のFTTH(光回線サービス)の契約数は3,306.8万件で、2019年度年間の純増数は133.7万件(伸び率は4.2%)。2018年度を上回る純増となった。携帯キャリアによるコラボ光や、集合住宅向け全戸一括型インターネットの導入、ケーブルテレビの光化などが市場拡大を牽引した。2020年度はテレワーク需要等により、2019年度を上回る141.7万件の純増を予測する。

FTTH市場の動向

コラボ光では携帯キャリアの2強が継続、10Gbps以上のサービスが徐々に拡大

 NTTの光回線(フレッツ光およびコラボ光)は堅調に増加し、2020年3月末の東西合計の契約数が2,165.8万件となった。2019年度の純増は前年度を上回った。FTTH市場におけるNTTのシェアは合わせて65.5%で、2019年3月末から約1ポイント減。

 コラボ光の2020年3月末の総契約数は1,388.8万件でFTTH市場全体に占める割合は42.0%、NTTの光回線に占める割合は64.1%となった。コラボ光の契約数シェアではNTTドコモが首位を維持。スマートフォンとのセット提案でシェアは継続的に拡大している。NTTドコモとソフトバンクを合せた携帯2キャリアのシェアは、引き続き7割超を占める。

 アルテリア・ネットワークスは年間9.6%の伸びと好調に推移し、2020年3月末に58.1万件となった。主力の「UCOM光レジデンス」で分譲・賃貸ともに集合住宅向け全戸一括型の導入が進んだ。マンション管理組合向けの支援サービスや賃貸向けサービスの拡充で、引き続き積極的に顧客を獲得する。法人向けは「ARTERIA光」の新規エリア展開や高速化ニーズ対応などで成長をめざす。

 KDDIグループの「auひかり」や「コミュファ光」、オプテージの「eo光」などで10Gbpsサービスが先行して提供される中、2020年4月にNTT東西および一部の光コラボ事業者が10Gbpsサービスの提供を開始。ソニーネットワークコミュニケーションズの「NURO 光」が2020年夏以降に20Gbpsサービスの提供を開始するなど、FTTH市場で超高速化対応が徐々に広がっている。動画やオンラインゲームなどの大容量リッチコンテンツの利用増加に伴って、一部需要が拡大している。

ISPではNTTコムとソフトバンクの差が徐々に縮まる

 2020年3月末のISP事業者のFTTH契約数シェアでは、NTTコミュニケーションズ(OCN)が首位を維持したものの、2位のソフトバンクとの差が徐々に縮まってきている。

 「NURO 光」が好調なソニーネットワークコミュニケーションズのほか、NTTぷらら、ビッグローブ、ニフティが堅調に顧客を増やした。

 

(注1) NTT東西にはフレッツ光のほか、光コラボレーションモデルの件数が含まれる
(注2) KDDIにはauひかりのほか、中部テレコミュニケーション(コミュファ光)および沖縄セルラー電話(auひかり ちゅら)などの契約数が含まれる

固定ブロードバンド市場の動向

ソフトバンクがシェア首位を維持

 固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATV、ワイヤレス*の合計)市場では、ソフトバンクが堅調に契約数を伸ばし、シェア首位を維持した。モバイルとのセット訴求を行う「SoftBank光」と、手軽に利用できる宅内据え置き型の無線インターネット「SoftBank Air」の両方で顧客獲得が進んだ。
 2位のNTTコミュニケーションズ以下のシェア順位も、2019年9月末時点から変動はなかった。

※無線を利用した宅内据え置き型の高速インターネットサービスを指し、モバイルルーターを含まない

今後の市場動向

2020年度のFTTH市場は前年度を上回る純増を予測

 固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATVインターネット、ワイヤレスの合計)市場は、2023年以降にサービス終了予定のADSLや、光化が進むCATVで減少が続くものの、FTTHおよびワイヤレスの増加により2020年度以降2025年度まで1.9%の年平均成長率で継続的に拡大すると予測。

 FTTH市場は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとした自宅でのテレワークや遠隔授業、動画視聴等の需要増を背景に、通信インフラとして再評価の機運が高まっている。2020年度は、前年度の134万件を上回る142万件の純増となり、2021年3月末の契約数は3,449万件と予測。2021年度以降は需要一服で伸びが鈍化するものの、CATVの光化や集合住宅全戸一括型市場の拡大等により純増基調が続く見込み。2020年度以降の5年間の年平均成長率は2.9%と予測する。

 ワイヤレス市場は2020年3月末時点で369万件となり、昨年度に比べて成長ペースはやや緩やかになった。2021年3月末は420万件、固定ブロードバンドに占める割合は9.1%まで拡大すると予測。開通工事が不要ですぐに利用できる手軽さや、5Gへの対応も徐々に進むとみられることから、従来のFTTH等の固定ブロードバンド回線を一部代替するサービスとして普及が進むと予測。2023年3月末に500万件を超え、固定ブロードバンドに占める割合は1割を超す見込み。2025年3月末にはCATVインターネットを超える規模まで拡大すると予測する。

 

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