「MM総研大賞2015」審査結果のお知らせ

―スマート社会を支える製品・サービスを表彰、第12回目―

2015年06月15日

■「大賞」はソフトバンク ロボティクスの感情認識パーソナルロボット『Pepper』
■「スマートソリューション部門賞」はNECの顔認証技術、IBMの『Watson Analytics』はじめ、NTTドコモ、ソニー、KDDI バリューイネイブラー、ケイ・オプティコム、IIJ
■「ものづくり優秀賞」はサムスンの局面形状スマートフォン、NEC
■「話題賞」にはUber Japanのオンデマンド配車、富士通、タカラトミー、Sansan


 MM総研(所長中島洋)は「MM総研大賞2015」(審査委員長:安田浩東京大学名誉教授)の最終
審査を終え、「大賞」「スマートソリューション部門賞(分野別最優秀賞)」「ものづくり優秀賞」「話題賞」を決定致しました。

 「MM総研大賞」はICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2015年度の今回が12回目になります。優れたICT技術で積極的に新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰しております。

 「MM総研大賞2015」では次世代スマート社会の核となるスマートソリューション部門で6分野を選定し、分野ごとに「最優秀賞」を選び、さらにICT産業で大きな話題になった製品・サービスを「話題賞」として、“ものづくり” の分野で代表的な商品を「ものづくり優秀賞」としてそれぞれ選出します。最終的にこれらの中から、最もICT産業の発展に寄与した製品・サービスを「大賞」として表彰します。

■「大賞」はソフトバンク ロボティクスの『Pepper』

 最終選考は、安田浩東京大学名誉教授を委員長とする審査委員会の厳正な審査により、「大賞」はソフトバンク ロボティクスの『Pepper』に決定致しました。「Pepper」は、人とコミュニケーションを図る世界初の感情認識パーソナルロボットです。機械学習を行って、クラウド上のAI(人工知能)に知識を集積し進化するという革新的な機能を搭載しています。

 「Pepper」は、人型のコミュニケーション機能を持ったスマート・ロボットが一般家庭にも浸透し始める「ロボット元年」を代表するものだけでなく、今後、ビジネスシーンでの利用拡大にも期待できる点などが高く評価されました。これにより「話題賞」を獲得しただけでなく、全14 商品の中で最高の評価に値すると判断したため、MM総研大賞2015の「大賞」に選出されました。

■「スマートソリューション部門」賞は7件

 スマート社会の核となるスマートソリューション部門では6分野(光回線サービス、生体認証ソリューション、クラウド・アナリティクス、ハイレゾオーディオ、MVNOサービス、MVNE サービス)で7商品が最優秀賞に選定されました。

 通信サービスの多様化が進む中で、NTT東西は、光コラボレーションモデルとして、光アクセス回線「フレッツ光」の卸売りを開始。多種多様な企業がこの光コラボを利用したサービス提供に乗り出しており、新たな光回線サービス市場の創出が期待されています。この「光回線サービス分野」ではNTTドコモの『ドコモ光』がdocomoの携帯電話とのセット割引などによる通信費削減への貢献など、認知度、サービス展開力で高い支持を集め、最優秀賞を獲得しました。

 従来のネットワークID・パスワードやID カードに代わる認証の仕組みとして注目を集めているのが生体認証技術です。以前から存在する技術ではありますが、ここ数年、技術進化によるめざましい認証精度の向上や初期導入コストの低減化などもあり、生体認証技術を使った認証システムを導入する企業が増えています。この生体認証ソリューション分野で最優秀賞に選定されたのがNECの『NeoFace』です。米国国立標準技術研究所が主催した精度評価コンテストで世界1 位を受賞。国家レベルのセキュリティから民間企業、テーマパークなど幅広い用途で利用されています。

 クラウドサービスの深化が進む中で、クラウド技術を活用した分析サービスに注目が集まっています。この「クラウド・アナリティクス分野」で最優秀賞を獲得したのが、IBMの『Watson Analytics』です。クラウド上にデータをアップすれば誰でも簡単に分析や予測を自動実行できる、SPSSの強みを活かしたデータ分析クラウドサービスです。認知型コンピュータ「Watson」の対話インタフェースも継承。認知度、利便性、先進性など多くの項目で他社を圧倒する高い支持を獲得しました。

 音楽用CDを超える音質の音楽データとして人気が高まっているのがハイレゾリューション・オーディオ(以下、ハイレゾ)です。この「ハイレゾオーディオ分野」において最優秀賞に輝いたのが、ソニーの『ハイレゾオーディオ対応商品群』です。ソニーではオーディオ機器やスマートフォン等の多彩なハイレゾ対応商品群をラインナップ。高品位かつ快適に楽しめる対応機器を多彩に展開しています。同時に、音楽業界各社との連携を通じハイレゾ普及を積極的に推進。ユーザーに新たな音楽の楽しみ方を提案し、ハイレゾ市場を立ち上げた功績が高く評価されました。

 多様化する通信サービス市場においてMVNOサービスの市場が拡大しつつあります。「MVNO サービス分野」では、KDDIバリューイネイブラーの『UQ mobile』ケイ・オプティコムの『mineo』がともに最優秀賞に輝きました。両サービスともKDDI のau 回線を使用したMVNOサービスを提供。『UQ mobile』は、サービス開始直後より大手量販店各社で販売を行い、即時開通が可能な店舗は15年5月時点で100店舗以上に拡大。『mineo』も「必要なものを、必要なだけ」選んで利用できるサービスを全国展開するなど、これまでNTT ドコモの回線利用が中心であったMVNOサービス市場に新たな選択肢とサービスの多様化をもたらした点などが高く評価されました。

 拡大するMVNOサービス市場を支えているのが、MVNE事業者であり、「MVNEサービス分野」では、インターネットイニシアティブの『モバイルパートナープログラム』が最優秀賞に選出されました。法人再販、法人取次、個人再販、個人取次の4つを軸に、パートナー企業の業態や要望にフィットしたプログラムを提供。各企業の利用用途に応じた柔軟なサービス提供を可能にしていることが特徴です。同社の高い運用技術と通信の安定性、豊富な実績が高く評価されました。

■「ものづくり優秀賞」は2件

 “ものづくり”の分野で、卓越したハードウェア/ソフトウェア技術により「先進性」「革新性」などに優れ、市場からも高く評価されている製品に与えられるのが「ものづくり優秀賞」です。

 サムスン電子ジャパンの『Galaxy S6 edge』は、すでに製品化した片側ラウンドのエッジスクリーン(Galaxy Note Edge)に続いて、世界初の両端ラウンドのエッジスクリーンを実現。狭額縁で手になじみやすいフォルムとサイズを両立。次世代スマートフォンに向けた最先端のものづくりの技術が高く評価されました。

 NEC の『Micro Modular Server/相変化冷却ユニット』は、データセンター向けの次世代クラウドサービス基盤としての導入拡大が期待されています。手のひらサイズの省電力・高密度サーバ「Micro Modular Server」と動力や電力を使わずに熱を奪う「相変化冷却ユニット」が、データセンター全体の電力を大幅に削減する点などが高く評価されました。

■「話題賞」は4件

 話題賞では直近の話題性だけでなく、将来的な影響力が高いと期待される製品・サービス4
件が受賞しました。

 富士通の『モバイルイニシアチブ』はスマートデバイスなどモバイルの高度利用を検討する際に課題となる、活用基盤構築や業務スタイル変革、セキュリティ、ネットワークなどを7,000件の商談実績と富士通社内での実践をもとに体系化したものです。グループ会社のソリューションも幅広く盛り込み、将来性などで高い評価を獲得しました。

 タカラトミーの『Robi jr. (ロビジュニア)』は約1,000フレーズの言葉を話して、人とコミュニケーションを図ることのできる、ともだちロボットです。15,000円という低価格で販売しており、玩具という域を超えて、ロボットのある家庭を当たり前にしたという点が高く評価されました。

 Uber Japan の『UBER』は2010年にサービス提供を開始したハイヤー/タクシーのオンデマンド配車サービスです。世界58ヵ国300都市以上でサービスを提供、毎日100万人以上が利用しています。日本では2014年3月、東京において本格運用を開始。個人のほか、訪日外国人、法人の利用も増加しています。

 Sansan の名刺管理サービス『Sansan/Eight』は、名刺をスマホで撮影したりスキャンするだけで正確にデータ化でき、クラウドを通じ名刺情報を活用できます。法人向けSansan は社内で名刺共有も可能です。クラウド型名刺管理サービスの分野で最も支持が高く、国内外でのさらなる利用拡大が期待されております。

 この他、大賞を獲得したソフトバンク ロボティクスの『Pepper』は話題賞も受賞しております。

 以上により、受賞製品・サービスは大賞および話題賞1、スマートソリューション部門賞7、ものづくり優秀賞2、話題賞4、の合計14件となりました。
評価理由の詳細につきましては別紙をご参照下さい。


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【参考】 これまでの「大賞」受賞企業は、以下の通りです。
MM総研大賞2004 : 松下電器産業(Panasonic)『DIGA』(DVD レコーダー)
MM総研大賞2005 : シャープ『AQUOS』(液晶テレビ)
MM総研大賞2006 : アップルコンピュータ『iPod + iTunes Music Store』
(携帯音楽プレイヤー+音楽配信サービス)
MM総研大賞2007 : JR 東日本『Suica』『モバイルSuica』とPASMO 協議会「PASMO」の
共同受賞(IC カード)
MM総研大賞2008 : ソニー有機EL テレビ『XEL-1』(有機EL テレビ)
MM総研大賞2009 : トヨタ自動車『Prius』
MM総研大賞2010 : 日本経済新聞社『日本経済新聞電子版』
MM総研大賞2011 : パナソニック『エコナビ』
MM総研大賞2012 : サムスン電子ジャパン『GALAXY』
MM総研大賞2013 : JR 東日本『Suica』
MM総研大賞2014 : エネット『EnneSmart』

■「MM総研大賞2015」概要

【参考1】MM総研大賞2015の開催主旨
「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2015年度の今回が12 回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

【参考2】表彰対象
1. スマートソリューション部門 (6分野)
①生体認証ソリューション分野
②光回線サービス分野
③クラウド・アナリティクス分野
④ハイレゾオーディオ分野
⑤MVNOサービス分野
⑥MVNEサービス分野
2. ものづくり優秀賞(2商品)
3.話題賞(5商品)

【参考3】評価基準/評価方法
◆スマートソリューション部門
スマート社会の核となるスマートソリューションが対象。その対象となる製品・サービス事業全般に対する「認知度」、「信頼性」、「使いやすさ」、「先進性/革新性」、「独創性」、「価格妥当性」、「市場性」に加え、将来性を図る評価軸として、「基盤製品・サービスとしての可能性」(※一つの製品・サービスの上に大きな付加価値市場ができ上がる基盤サービス・製品となる可能性)などの項目を評価基準とする。個人消費者およびビジネスユーザーを対象としたインターネットアンケート(1,500件)、またノミネート企業に対するMM総研研究員による取材活動等による評価を材料として、最終的には外部有識者からなる審査委員会の協議により、受賞企業を決定する。

◆ものづくり優秀賞
「ものづくり優秀賞」は、“ものづくり”の分野で、卓越した技術で「先進性」「革新性」などに優れ、市場からも高く評価されている製品を対象とする。

◆話題賞
「話題賞」は、ICT産業に大きなインパクトを与え、大きな話題を集めた製品・サービスを対象とする。14年度の話題性などに加え、今後のICT業界全体への影響度の大きさも評価基準とする。個人消費者およびビジネスユーザーを対象としたインターネットアンケート(1,500件)を基に選出された製品・サービスに関し、外部有識者を含む審査委員会が、「話題性」や「今後のICT業界への影響度」などを選考基準に、「話題賞」を選定する。

◆大賞
スマートソリューション部門賞、ものづくり優秀賞、話題賞に選出された製品・サービスに関し、外部有識者を含む審査委員会が、「スマート社会への貢献度」「今後のICT業界への影響度」などを選考基準に、大賞を選定する。

【参考4】審査委員
審査委員長 安田浩 東京大学名誉教授 東京電機大学特別専任教授
審査委員 前川徹 コンピュータソフトウェア協会専務理事
審査委員 藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク代表
審査委員 北村森 商品ジャーナリスト、サイバー大学客員教授
審査委員 横森忍 MM総研 研究部長

 

 


■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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