リモート デスクトップソフトウェアの活用 製品比較調査を実施

働き方改革導入の視点から製品を比較

2019年11月14日

■ リモートデスクトップソフトウェアはコスト面で優位

■ 既存機器へのソフト追加で働き方改革を実現できため働き方改革を実現するツールとして期待

■ 全体としては各社ともエンタープライズ管理、セキュリティ機能の充実を図っており、RSUPPORT TeamViewer XLABが相対的に多機能を実現

■ ホスト、ゲストともスマートフォンに対応する製品も存在

■ 多様な窓口数への対応でみるとTeamViewer社インターコム社が多様な窓口を準備している。

  MM総研は(東京都港区、所長・関口 和一)は11月14日、日本の法人を対象に提供されているリモートデスクトップソフトウェア6種を対象に製品比較を実施。製品比較は、各製品が公式に発表するWeb、カタログ、仕様情報の文献調査および、試用版を公開している5製品については弊社研究員が実際に利用して実施し、その評価を定量的、定性的に比較表としてまとめた。

■リモートデスクトップソフトウェアはコスト面で優位

 MM総研は働き方改革を「いつでも、どこでも、誰とでも、安心かつ公平公正に働ける環境を提供することで、従業員の「個」の能力を最大限に発揮できる環境を整えていくこと、またそれを目指していくこと」と定義し、働き方改革に役立つICT環境やサービスの調査と成果の発表を実施している。

 今回は働き方改革を実現するツールのひとつである、リモートデスクトップソフトウエア(RDP)に焦点を当て、国内主要製品の比較をおこなった。同ソフトは、様々な環境下から簡単に社内PCなどの端末にアクセスし、遠隔操作することができるツールだ。同種サービスは、VPNを活用したリモートコネクト、シンクライアントやデスクトップ仮想化など多様な展開を見せているが、導入コストや通信環境また端末やサーバ機器の入れ替えがネックになることも多い。一方RDPは既存機器へのソフト追加で働き方改革を実現できる点が優位だ。

 リモートデスクトップソフトウェアは、ユーザ当たり年間1万円以内の費用で導入可能な製品が多く、十分な機能性能を備えた製品で年間2~3,000円/ユーザで運用可能な製品も存在する。機材更新もほぼなく、既存設備を活用して導入可能であり働き方改革推進のために有用であると判断した。

 

 比較したのは下記6社の製品。製品利用調査は、弊社内の社内LAN環境下の研究員利用PCをホスト、モバイルPCをゲスト端末として社外から公衆インターネット回線(LTE回線)を利用してLAN環境下の研究員利用PCにアクセスする環境として、各製品とも同一環境下で実施をした。比較検証項目は大項目として機能、動作環境、使い勝手(非機能要件)、ライセンス体系、サービスサポートの5項目で比較した。

■働き方改革実施観点で比較を実施

 機能比較は1.システム管理機能24項目、2.ビューアーアプリケーションに関する47項目 3.ゲスト環境設定9項目、4.認証セキュリティに関連する機能10項目、その他1項目 合計92項目の機能の有無について比較調査した。項目設定として、RSUPPORT社のRemoteView製品仕様書を参考に項目を策定した。

 この中でエンタープライズ管理についてはRSUPPORT社、TeamViewer社の機能数が充実しており、セキュリティ機能ではRemote Viewはエンタープライズ(EP版)に限定する機能が多いが、エンドポイント(ホスト)に関する多くの詳細設定を準備している。またTeamViewer、ISL Onlineも、企業のセキュリティポリシーに合致する細かな機能を準備していることが明らかになった。

 また、今回働き方改革にも使える機能という視点でWeb会議、社内チャット、Webプレゼンテーション機能の有無も比較項目に追加。この結果ISLOnline、TeamViewerがそれぞれの機能を準備していることがわかった。

 全体としては各社ともエンタープライズ管理、セキュリティ機能の充実を図っており、RSUPPORT TeamViewer XLABが相対的に多機能を実現していることがわかった。

 動作環境の比較では5G導入を目前に控えており、特にモバイル系のOSにホスト側、ゲスト側とも現時点から対応していることは、今後のツール選びに重要になると考えている。この結果、XLAB社TeamViewer社の製品が、ホスト、ゲストともスマートフォンに対応している。インターコム社は社内Windows PC運用に特化しており、TeamViewer社が最も広範でありマルチデバイス+Linuxまでをカバーしている。

 使い勝手(非機能要件)の比較ではTeamViewerが最も高い評価でSplashtopが続く。評価は一般ユーザのセルフ遠隔利用を前提 社内外ヘルプデスクなど用途にあわせた評価も今後必要と考える。

 ライセンス体系では一般ユーザー用途ではセッション数課金が主流になっていることが明らかになった。

 サポート窓口の比較では多様な窓口数への対応でみるとTeamViewer社インターコム社が多様な窓口を準備している。

 今後、働き方改革をあまねく多くのユーザーが推進していく上では、セルフメンテナンスを促す環境を準備することが重要と考える。その観点でコミュニティを形成するメーカーの存在は重要である。 

(検証実験の結果は「PDFによる詳しいご案内」よりご覧になれます。)
https://www.m2ri.jp/report/market/detail.html?id=53

 

 


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