2018年度通期国内携帯電話端末出荷概況

--前年度比7.7%減の3,456.6万台で過去2番目の低さ

2019年05月15日

■ 2018年度通期総出荷台数は前年度比7.7%減の3,456.6万台で過去2番目の低さ

■ スマートフォンは6.0%減の3,061.6万台で17年度に次ぐ2番目の高さ

■ SIMフリースマートフォンは4.9%減の299.5万台

■ フィーチャーフォンは19.1%減の395万台で、過去最低を更新

■ 19年度総台数予測は11%減の3,075万台。22年度は2,920万台と縮小トレンドへ

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は2018年度通期(2018年4月~2019年3月)の国内携帯電話端末(※1)の出荷台数調査結果を発表した。

 2018年度通期の携帯電話端末総出荷台数は前年度比7.7%減の3,456.6万台。MM総研による2000年度以降の出荷統計では2009年度(3,444万台)に次ぐ過去2番目に少ない台数となった。内訳をみると、スマートフォン出荷台数が3,061.6万台(6.0%減)、フィーチャーフォンは19.1%減の395万台となった。

 総出荷台数に占めるスマートフォン比率は88.6%(前年度比1.6ポイント増)、フィーチャーフォン比率は11.4%(1.6ポイント減)となった。スマートフォンは2017年度(3,258万台)に次いで2番目の台数を記録するも、フィーチャーフォンは2017年度を下回る過去最低出荷を更新した。

 SIMフリースマートフォン出荷台数は4.9%減の299.5万台となり、スマートフォン出荷台数に占めるSIMフリー比率は9.8%(前年度比0.1ポイント増)に留まった。

 2018年度携帯電話出荷が低調となった理由として①既に分離プランを導入済みのau、ソフトバンクのみならずNTTドコモを加えた大手3キャリアの台数減少 ②2018年度発売の新iPhoneが例年のモデルと比較すると不調 ③SIMフリースマートフォンの伸び悩み ④フィーチャーフォン市場の更なる縮小――の4点と分析する。

スマートフォン出荷台数で1位はApple5位のHuaweiがシェア2.7ポイント増やす

 2018年度のメーカー別出荷台数シェア1位はAppleで、2012年度以降7年連続1位を獲得。総出荷台数に占めるシェアは44.0%となった。以下、2位シャープ、3位京セラ、4位はソニーモバイルコミュニケーションズ(以下、ソニーモバイル)、5位富士通の順。

 スマートフォン市場(SIMフリー含む)の出荷台数シェア1位はAppleでシェア49.6%となった。以下、2位シャープ、3位ソニーモバイル、4位Samsung、5位Huaweiの順となった。

2019年度の総出荷台数は3,075万台、スマートフォンは2,740万台と予測

 MM総研では2019年度の総出荷台数を3,075万台(前年度比11.0%減)、2022年度には2,920万台と縮小トレンドに向かうと予測する。2019年度スマートフォン出荷台数は2,740万台(10.5%減)、うちSIMフリースマートフォンは330万台と予測。

分離プランにより端末市場は縮小トレンドへ 5Gによる活性化に期待

 改正電気通信法を受けて、下期には分離プランの義務化がスタートする見通しである。各社の新料金プランや10月の楽天MNOサービス参入により、4Gサービスとしての通信料金は徐々に安くなっていくだろう。一方で、端末に対する割引額は大幅に減少し、定価に近い金額をユーザーが負担する必要が高まるだろう。

 これにより端末市場の変化として①買い替えサイクルの長期化が加速 ②定価10万円以上はもちろん8万円から9万円台のミドルハイクラスの端末台数・構成比も減少――と予測する。国内スマートフォン市場シェア5割を占めるiPhoneの大部分は定価8万円以上であることから、今後のAppleとキャリアの販売戦略およびユーザーの反応が注目される。

 プラス要因として2020年春商用サービス開始予定の5Gと3G停波に伴い、フィーチャーフォン利用者のスマートフォン移行があげられる。今後、世界レベルでの5Gサービス競争が巻き起こる中で5Gサービスや対応端末に対する料金の法案整備の可能性もあるだろう。分離プラン・楽天参入・5Gと話題に事欠かない携帯電話市場であるが、キャリアやメーカー各社の販売戦略を弾みにした市場活性化に期待したい。

※1:携帯電話出荷台数に含まれる端末
① 従来型携帯電話(以下、フィーチャーフォン。Android OSの二つ折り端末を含む)
② スマートフォン(大手キャリア+SIMロックフリー)。大手キャリアは以下、MNOと記載
 ・MNO出荷:NTTドコモ(以下ドコモ)、au、ソフトバンク、ワイモバイル(Y!mobile)
 ・SIMロックフリー:MNO以外が取り扱う端末
  (メーカー直販やメーカーからMVNO・量販店・代理店等を経由して販売)。以下、SIMフリーと記載
③ 総出荷台数(①+②)

 

 

 


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