国内MVNO市場規模の推移(2017年9月末)
独自サービス型SIMの回線契約数は934.4万に増加
2017年12月14日
■ 独自サービス型SIMの回線契約数は前年比42.1%増の934.4万回線
■ 携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は5.7%
■ 事業者別シェアはインターネットイニシアティブが13.9%で1位
■ 個人向けでは楽天がシェア1位
■ 大手キャリアの新プランやY!mobileの攻勢により、MVNOへの顧客流入数が大幅減
■ 18年3月末の回線契約数は1,000万回線突破も前回予測から大幅に下方修正
MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は12月14日、国内MVNO市場の2017年9月末実績を発表した。独自サービス型SIMの回線契約数は934.4万回線となり、前年比42.1%増を記録した。
また、携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は5.7%に高まった事が明らかとなった。
※独自サービス型SIMはプリペイド契約の数値を含まない
独自サービス型SIMの回線契約数は934.4万回線
独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する独自サービス型SIMの回線契約数は、2017年9月末で934.4万回線となった。2016年9月末時点では657.5万回線だったので、1年間で回線数は42.1%増加した。
携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は5.7%
2017年9月末時点の携帯電話(3GおよびLTE)契約数は1億6,423.4万回線。独自サービス型SIMの回線契約数は、携帯電話(3GおよびLTE)市場全体から見ると、構成比で5.7%となり、2016年9月末の4.1%から1.6ポイント増加した。大手キャリアの新料金プランやソフトバンクのサブブランドであるY!mobileの販売攻勢により、個人向けスマホ用途としての成長にはブレーキが掛かったと見られる。しかしながら、IoT用途の需要取り込みは19年度以降に本格期を迎えると見られ、更なるシェアの拡大が期待される。
シェア1位はインターネットイニシアティブ、個人向けでは楽天が初の1位を獲得
※17年9月末時点より、NTTコミュニケーションズの独自サービス型SIM回線数を下記の通り見直しました。
・これまでMVNEとして提供されている回線の一部を自社ブランドとしてカウントし、同社の回線数に加算していました。その為、当該回線数を17年9月末より除外してシェアを算出しております。
2017年9月末時点の事業者シェアを見ると、1位はIIJmio SIM・BIC SIM等を提供するインターネットイニシアティブ。次いで、OCNモバイルONE等を提供するNTTコミュニケーションズ、楽天モバイル等を提供する楽天、mineoを提供するケイ・オプティコム、UQ mobileを提供するUQコミュニケーションズ、BIGLOBE SIM等を提供するビッグローブとなる。
なお、個人向けサービスだけに限定した場合、今回初めて楽天のシェアが1位となった。また、楽天は本年11月1日時点でプラスワン・マーケティングが提供するFREETEL SIM等の通信サービスを承継した。これにより、同日付のシェアはインターネットイニシアティブを抜いて1位になったと見られる。
ただし、インターネットイニシアティブやNTTコミュニケーションズはMVNEとして数十万規模の回線を提供しており、自社ブランドのシェアは楽天の後塵を拝したものの、MVNE事業を含めたトータルシェアで見た場合、依然として市場における優位性は高い。
18年3月末の回線契約数は1,000万回線突破も前回予測から大幅に下方修正
MM総研では、独自サービス型SIMの総契約回線数を18年3月末時点で1,075万回線と予測した。17年期初の予測と比較すると95万回線の下方修正となる。要因は大手キャリアの新プランやY!mobileの攻勢により、MVNOへの顧客流入数が大幅に減少した点にある。大手キャリアおよび、そのサブブランドを含めた競争環境に大きな変化が生じない限り、この傾向は続くと予想される。22年3月末時点には2,180万回線に達すると予測。個人向けスマホ用途としての成長スピードは鈍化するものの、19年度に入ってからはIoT向けの需要拡大が期待され、22年3月末時点におけるIoT向け回線比率は20%超に達すると予測する。
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