2015年国内パソコン出荷概要

2016年02月18日

■出荷台数は前年比31.9%減の1,016万5,000台と低迷
■出荷単価は8.6万円で5年ぶりに8万円台に上昇

出荷台数  1,016万5,000台 前年比 31.9%減
出荷金額  8,738億円 前年比 26.6%減

 MM総研(東京都・港区、所長・中島洋)は2月18日、2015年暦年(1月~12月)の国内パソコン出荷実績を調査、結果を発表した。それによると、国内パソコン市場の総出荷台数は前年比31.9%減の1,016.5万台、出荷金額は前年比26.6%減の8,738億円となった。Windows XP機入れ替え特需の反動に加え、円安による部品代等の原価上昇がパソコン本体価格の値上げにつながり、大幅な減少となった。値上げの影響を受け、単価は8万5,962円と5年ぶりに8万円台に上昇した。
 個人・法人別に市場動向を見ると、個人市場向けの出荷ルートである「個人系ルート」は、前年比23.8%減の442.7万台となった。企業・官公庁向けのメーカー直販と販売店販売を合計した「法人系ルート」は前年比37%減の573.8万台。特にXP入れ替え特需が多く発生した法人向けで反動減が顕著となった。
 メーカーシェアはNECレノボがシェア27.1%で首位となった。2位富士通、3位東芝に順位変動はなかったが、HPが4位となり順位を一つ上げた。またアップルが個人市場中心に健闘し、シェアを2.1ポイント上げた。
 2015年の期初時点では、MM総研は通年の市場規模を約1,130万台と見ていたが、実績は予測を約100万台(10%相当)下回った。出荷減の要因としては、①円安によるパソコン本体値上げの影響が想定以上に購買意欲を減少させた、②店頭での光回線とのセット販売による値引きが大幅に減少し、携帯キャリアを通じた携帯電話回線と固定回線のセット割にシフトしてしまった、③マイクロソフトのOS無償提供の範囲が現行の主力OSであるWindows7機まで対象となった―ことなどが影響した。

市場・メーカー動向

 個人市場向けの出荷ルートである「個人系ルート」は、前年比23.8%減の442.7万台(表・グラフ2、3)。首位NECレノボはシェア29.3%と1.6ポイントのシェア増加となった。NECレノボはエントリーモデルからモバイルやハイエンド製品まで、豊富なラインアップでシェアを上げた。パソコン事業の分社化を予定している富士通、東芝は、個人市場では2社ともシェアを落とした。
 企業市場向けの出荷チャネルである「法人系ルート」は、前年比37%減の573.8万台となった。Windows XP入れ替え特需が個人市場より大きかったため反動も大きかった。ただし、法人需要の落ち込みは、四半期毎に縮小している。最も需要が落ち込んだ2015年1-3月期は50%減であったが、直近の2015年10-12月期は17%減まで回復している。今後も緩やかに回復していくと見られる。

2016年の展望

 2016年のパソコン市場は8.2%減の933万台と減少を見込むが、減少幅は徐々に縮小し年後半には法人市場を中心に一旦下げ止まると予測している。個人系ルートは13%減の385万台、法人系ルートは4.5%減の548万台を見込む。富士通、東芝、VAIO株式会社のパソコン事業統合についての検討などメーカー側の業界再編が進むが、中期的にみると17年~18年にかけて、法人市場で13年のXP入れ替え特需で導入したパソコンの入れ替え需要が徐々に発生し、日本のパソコン市場全体も一旦プラス成長となると予測している。クラウド化への対応、スマートデバイスとの棲み分けなど製品面での工夫や、教育分野、在宅業務への活用など利用の裾野を広げていくことが同時に求められている。

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注)本統計対象となる「パソコン」に含まれない製品群
 AndroidOS、iOS等モバイル用途を前提とするOSを搭載し、タッチパネル等の操作を前提とした「メディアタブレット型端末」や「スマートフォン」は本統計に含んでいない。


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