2016年度上期国内タブレット端末出荷概況
~上期出荷台数として初の前年割れ~
2016年11月17日
■ 2016年度上期のタブレット端末出荷台数は前年同期比13.0%減の388万台
■ Appleがシェア1位を維持
■ 2016年度通期は870万台(3.7%減)。2019年度に1,000万台超へ
MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は11月17日、2016年度上期(2016年4月~9月)の国内タブレット端末の出荷台数調査の結果を発表した。総出荷台数は前年同期比13.0%減の388万台となった。上期出荷台数としては、2010年度統計開始以来で初の前年割れとなった。このうち携帯電話キャリア(以下、キャリア)の3G/LTEネットワークを利用する「セルラータブレット」が228.7万台(8.2%減)。一方、無線LANのみをネットワークとして利用する「Wi-Fiタブレット」が159.3万台(19.1%減)となった。
セルラータブレットはKDDI(au)市場のみ前年同期より増加したが、NTTドコモ市場とSIMロックフリータブレット(以下、SIMフリー)の出荷台数が減少した。不調の要因として、Wi-Fiタブレットはスマートフォンの画面サイズが4.6~5.5インチが主流となる中で、9インチ未満のモバイルタブレット需要が減少。9インチ以上のホームタブレットも利用用途としてパソコンとの明確な差別化が確立できずにいる点が挙げられる。
メーカー別出荷台数はAppleが統計開始から13半期連続シェア1位
2016年度上期のメーカー別出荷台数・シェアでは Appleが1位を獲得。日本でタブレット端末が登場した2010年度より13半期連続で1位を獲得。ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリア向けに加え、SIMフリーを含めたセルラーiPadの好調が牽引した。
2位はHuaweiでドコモ向け「dtabシリーズ」、au向け「Qua Tab 02」のキャリア向け出荷台数が貢献した。3位はASUSでSIMフリータブレット「ZenPadシリーズ」が人気となった。4位は富士通でドコモ向け「arrows Tab」および法人市場向けWi-Fiタブレットが堅調に推移した。5位はNECレノボでソフトバンク向けに「Lenovo TAB2」を出荷。6位はLGでau向けに「Qua tab PX」を出荷。キャリア市場にタブレットを出荷するメーカーが上位にランクインした。
2016年度通期は前年度比3.7%減の870万台。2019年度に1,000万台超へ
MM総研では2016年度通期のタブレット出荷台数を前年度比3.7%減の870万台と予測。
2017年度以降は微増傾向となり2019年度には1,020万台と予測する。
セルラータブレットはキャリアによる販促強化で今後も台数増加が期待できる。特に、大容量データプランを中心にスマートフォン+タブレットのマルチデバイス契約の獲得強化を狙っている。Wi-Fiタブレットは①一般消費者市場における2in1タブレット需要の拡大(パソコン的利用による一台二役の利便性)、②2019年度までの文教タブレット需要の拡大(2020年度を迎えるまでに一巡)――の2点をV字回復のポイントとして予測する。2in1や文教市場はWindowsとの親和性が高く、停滞しているWindowsシェアが今後は拡大していくことが見込まれる。ただし、これらのプラス要因はキャリア施策や自治体の予算に依存するため、タブレット出荷台数は今後も楽観視できない状況が続きそうだ。
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