全戸一括型マンションISPシェア調査(2016年3月末)

2016年11月15日

■ シェア首位はアルテリア・ネットワークスの「UCOM光レジデンス」

■ 全戸一括型マンションISPの提供戸数は163.2万戸で前年比12.0%増加

■ 上位事業者が賃貸物件向けに本腰、賃貸向け市場は競争激化を予想

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は11月15日、2016年3月末時点の全戸一括型マンションISP(インターネット接続業者)シェア調査結果を発表した。
 2016年3月末時点で全戸一括型マンションISP全体の加入件数(提供戸数)は前年比12.0%増の163.2万戸だった。事業者別シェアでは、全体の17.2(17.22)%を占めるアルテリア・ネットワークスが首位となった。2位は同17.2(17.16)%のシェアを獲得したファミリーネット・ジャパン。続いて、つなぐネットコミュニケーションズが14.0%で第3位という結果となった。前年調査で第3位だったファミリーネット・ジャパンは、コネクシオが提供していた賃貸住宅向けインターネットサービス「iのぞみネット」の事業を譲り受けた効果で、順位を上げた。

 

■全戸一括型マンションISPシェア(2016年3月末)


※全戸一括型マンションISP・・・集合住宅の全戸分にインターネット接続サービス(光回線ベース)を一括で導入・提供する事業者。
※全戸一括加入方式を対象とし、任意加入方式は含まない。また、数値は2016年3月末時点サービス提供分を対象とし、OEM提供分を除く。

 

~事業者動向~

 シェア1位のアルテリア・ネットワークスが展開する「UCOM光レジデンス」は、2016年3月末の提供戸数が28.1万戸だった。同社は2015年から開始した構内配線に光ファイバーを採用する「マンション全戸オールギガ光配線タイプ」で回線品質の差別化を狙う。さらに、セコムやセーフィーと提携したセキュリティカメラの提供や、4K・8K実用放送を視野に入れた「スカパーJSAT施設利用サービス」の構内光配線による提供など、接続サービスの高付加価値化を進め、さらなる事業拡大をめざす。
 「CYBERHOME」などを展開するファミリーネット・ジャパンは、2016年3月末の提供戸数が28.0万戸でシェア2位に浮上した。コネクシオが提供していた賃貸住宅向けインターネットサービス「iのぞみネット」の事業譲り受け分が上乗せされたことによる増加で、前年3位から順位を上げた。エネルギーサービスに力を入れている同社では、「エネルギーソリューション×通信」という形で次世代のスマートエネルギーサービスを提供する。
 シェア3位となった「e-mansion」を展開するつなぐネットコミュニケーションズは、2016年3月末の提供戸数が22.9万戸だった。注力する防災支援サービスやマンション管理組合向けグループウェア「Mcloud(エムクラウド)」等に加え、2016年8月からはマンション共用部向けの電力小売サービス「つなぐでんき」の提供を開始。インターネットと電力をセットで提供することでマンションの管理費削減を実現する。
 シェア6位のD.U-NETは大和ハウスの賃貸住宅「D-room」向けへの導入が進み、2016年3月末の提供戸数が前年比約65%増の8.9万戸とシェアが急拡大している。また、他社へのOEM提供も多く行うシェア8位のギガプライズは、OEM分を含めた提供戸数が2016年3月末で14万戸超となり事業拡大のペースを早めている。

 

~市場動向~

 全戸一括型マンションISP市場は、2020年東京オリンピックに関連したマンションの建設ラッシュやストック住宅の増加を背景に、物件の資産価値向上等を目的としたサービス導入が一層進み、今後も継続的に拡大すると予測する。また、同市場における事業者間での価格競争が続く中、上位事業者が賃貸物件向けの営業にも本腰を入れ始めたことにより、賃貸向け市場はさらなる競争の激化が予想される。
 一方で分譲マンションを中心に、サポートを含めより高品質な通信サービスが求められると同時に、セキュリティカメラなどのIoT商材や映像コンテンツ、電力サービスなどの付加価値商材に対する需要が増加している。賃貸物件向けにはオーナーや管理会社向けのポータルサイトなど、マンション・アパート経営を支援するためのサービスが顧客から高い支持を得ており、価格面以外のサービス提供が重要になってきている。


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