2015年度上半期 国内PCサーバー出荷概況

 

2015年12月17日

■出荷台数は2.3%減の23万802台、出荷金額で9.8%増の1,230億円
■OS入れ替えやプライベートクラウド化に伴うサーバー集約で出荷金額が拡大

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は12月17日、15年度上半期(15年4~9月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、PCサーバー出荷台数は前年同期比2.3%減の23万802台となった(グラフ1)。出荷金額は同9.8%増の1,230億円(グラフ2)。サーバー仮想化による物理サーバーの集約、統合が進む中で台数減、金額増の傾向が続いている。15年度上期はマイクロソフト社のサーバー用OS「WindowsServer2003」のサポート終了に伴うOS入れ替えの影響もあったが、出荷台数への影響は少なく、出荷金額の拡大につながった。あわせて、円安による部品調達価格の上昇も、結果として製品価格の値上げとなり、出荷金額の拡大に影響している。

 2015年度下期はセキュリティの強化やマイナンバー対応などに注目が集まるが、サーバーユニット数の押し上げにつながる気配はあまりない。一方、パブリック、プライベート両面でクラウド市場が広がっており、物理サーバー1台への集約率が高まっているため、メモリ、ディスク等の大容量化に伴い1台当たりの金額単価は上昇が続く見通し。15年度通期では出荷金額で8.3%増の2,674億円、台数では3.8%減の48万6,997台を見込む。

2015年度上半期のポイント

出荷台数2.3%減の23万802台

 国内PCサーバー市場は、2015年4~6月期は前年同期比0.3%増 の10万5,277台、7~9月期は同4.5%減の12万5,525台で、上半期合計では同2.3%減 の23万802台となった。4~6月期は、前年の消費税増税後の落ち込みからの反動増に加え、WindowsServer2003OSのサポート終了に伴う入れ替え需要により5四半期ぶりに前年同期を上回ったが、7~9月期は再び台数減、ただし出荷金額は増加(7.1%の増加)と従来のトレンドを踏襲した。
 

今後の見通し

下半期も出荷台数減、金額増を見込む

 15年度下半期は、サーバーの出荷台数増に直結すると想定されるITテーマはないが、サーバーを含むITリソースの仮想化、またストレージやフラッシュメモリ容量の大容量化ニーズは高い。プライベートクラウド化が進展しており、今後はパブリッククラウドに加え、外部のクラウドとシステムを接続するハイブリッド型、もしくはマルチクラウド型のニーズが高まると予想される。
 15年度通期では出荷金額で8.3%増の2,674億円、出荷台数では3.8%減の48万6,997台を見込む。出荷金額ベースでの成長が続く背景には、スマートフォンからのアクセス拡大やクラウド間でやり取りされるデータ量の増大など、必要とされる仮想サーバー数の継続的な増加が背景にある。
 短期的には集約が続くサーバー市場だが、長期的に見るとIoT利活用に伴って、カメラ、ウェアラブルやセンサー、生産設備、自動車等の機器がインターネット通信を始めると、集中型システムだけではデータを処理できず、「エッジコンピューティング」と呼ばれる分散型サーバーが必要になる可能性もある。チャネル、サービス網のありかた、SEの育成を含めて長期的な展望が特にベンダーに必要となろう。


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