2009年 国内パソコン出荷概要

2010年02月03日

■台数・金額とも前年割れ、法人市場の不調響く
■個人市場が牽引、初めて企業市場を上回る
■法人市場も政策効果でマイナス幅縮小、2010年はプラスへ

 ㈱MM総研(東京都港区、所長・中島洋)は2月3日、2009年暦年(09年1月~12月)の国内パソコン出荷実績を調査、結果を発表した。それによると、国内パソコン市場は、出荷台数で前年比4.2%減の1,305.1万台となり、マイナス成長に終わった。出荷金額はネットブック(小型低価格ノート)に加えて通常のA4ノートも平均単価の下落が進み、前年比21%減の1兆1,580億円に留まった。出荷金額は2000年以降9年連続の減少。

■2009年 (1~12月期)のポイント
 
 09年の市場動向を個人・法人別にみると、個人市場向けの出荷ルートである「個人系ルート」は、前年比4.2%増の662.4万台を出荷。企業・官公庁向けのメーカー直販と販売店販売を合計した「ビジネス系ルート」は前年比11.5%減の642.7万台に留まった。

 個人向けは、年前半はネットブックが台数を牽引し、10月に登場した新OS Windows7の効果で買い替え需要が活性化と年間を通じて成長したが、法人向けは、2008年下半期から顕著になった世界同時不況の影響を年間通じて受け、法人が設備投資を手控えたことから出荷台数が減少した。なお、95年の統計開始以来、個人系ルートの台数が法人市場を上回るのは初めて。

 タイプ別ではノート型が720.1万台で4.9%減。デスクトップ型は451万台で15.3%減と特に法人需要の多いデスクトップが大幅減となった。ネットブックは前年比86.% 増と大幅に出荷台数を伸ばし、全体に占める構成比も10%を超えた。メーカー各社はWindows7発売に合わせて画面サイズがネットブックとA4ノートの中間にあたる新モバイル製品を充実させており、ネットブックの急拡大に一服感が出ている。

 メーカーシェアはNECが0.2ポイント差で首位。2位富士通が、前年の1.3ポイント差を縮小して猛追している。国内勢では東芝がシェアを1.4ポイント上げて好調。得意のA4ノートに加えて、ネットブックなどモバイル分野でも積極的にラインアップを増やしたことが奏功した。日本エイサー、アスースジャパンが、ネットブック効果でそれぞれ順位を一つずつ上げた。
 
■2010年の展望 
~10年の市場規模は前年比4.2%増の1,360万台

 10年の国内パソコン市場は、個人市場はほぼ横ばいの670万台、企業市場は前年比7.3%増の690万台。合計で4.2%増の1,360万台となると予測する。個人市場は、ここ2年台数拡大を後押ししてきたネットブックに一巡感が出ており、各家庭のメインマシン買い替えが進む1年になると見る。一方、法人市場は、景況感の底打ちと共に、一般的に5~6年である製品耐用年数を超えて継続利用しているWindowsXP機のリプレースが進むと見ている。

 国内パソコン市場は、2000年から2009年の10年間で出荷台数は横ばいの1,300万台規模が続いたが、出荷金額は2000年の2兆3,140億円から2009年は1兆1,580億円とほぼ半減した。メーカーにはシビアな事業環境が続くが、ユーザーにとっては10年で1台購入する額で2台購入できる環境となった。これからの10年は、コモディティ化したパソコンを、個人レベル、企業レベルだけでなく社会全体で有効に活用し、日本全体の活性化に役立つような「ビジョン」であり「アイデア」が重要となるだろう。


◆2009年 国内パソコン出荷台数シェア


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