2009年 国内PCサーバー出荷概況

2010年03月17日

■09年通期は12.7%減の49万3,725台、暦年で過去最大の減少率
■下半期に回復の兆し、2010年は緩やかに回復
■仮想化で単価減に歯止め、出荷金額は14.1%減の1,850億円

 MM総研は、2009年(1~12月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、国内PCサーバー市場は、前年比12.7%減の49万3,725台で1996年の統計開始以来、過去最大の減少となった。リーマンショックを発端とする景気悪化に伴う設備投資抑制の影響を通年を通じて受けた。出荷金額は、前年比14.1%減の1,850億円、出荷平均単価は37.5万円と前年比5,000円の減少に留まった。

■2009年のポイント

①出荷台数49万3,725台 初めての台数二ケタ減

 国内PCサーバー市場は、上半期(1~6月)に前年比20.9%減の22万7,575台、下半期は同4.3%減の26万6,150台となり、通期で12.7% 減の49万3,725台となった。台数が二ケタ減少するのは96年の統計開始以来初めてとなる。ただし上半期に大幅減となったPCサーバー市場も下半期には減少に歯止めがかかっている。さらに2010年に入り、傾向としては、緩やかに回復基調に入っているようだ。各社は、市場の先行きに対して慎重な見通しを崩してはいないが、政府・官公庁系以外の民需分野(特に流通サービス・情報通信・また中小企業)で受注状況が好転し始めているとしている。
 
②首位はNEC、富士通が3位に浮上

 メーカーシェアは、首位のNEC、 2位の日本ヒューレット・パッカードに順位の変動はなかった。首位NECは、流通系で大口の案件があったほか、データセンター向け製品の拡販に注力して、シェアを1.3ポイント拡大した。特に日本のデータセンター事情(高密度実装、サーバーの軽量化、省電力)にあわせた製品開発が奏功している。

 また、前年4位だった富士通が3位に順位をひとつ上げた。前年比7.8% 増と上位5社のなかで唯一台数が前年比プラス成長となった。全社を挙げてPCサーバーの拡販に注力しており、2011年度に国内で20万台という高い目標を掲げている。特にブレードサーバーの拡販に注力しており、新規パートナーの開拓、またHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)市場向けの大口案件を立て続けに獲得していることが台数増に寄与している。

■2010年の見通し
~10年のPCサーバー市場規模は約4%増の51万2,000台 
 
 2010年は、景況感こそ不透明な状態が続いているが、サーバー需要は回復基調に入ると見られる。特にサーバー仮想化技術を利用したサーバー統合は、入れ替えの投資こそかかるものの、電力・サーバー台数のスペース削減、保守性の改善等、運用管理にメリットが大きく、中堅以下の企業規模でもコストメリットを得ることが出来るため裾野の拡大が期待できる。

 また大企業やデータセンター事業者は、クラウド対応を本格的に検討開始しており、科学計算、情報通信、金融、映像・エンタテイメント・ゲーム分野などでの拡大が見込まれる。



■注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
2. 報道機関が引用する場合は、出典を「MM総研」と明記してください(MMは全角)。数値等は表ではなくグラフ化して掲載してください。
3. 報道機関以外が本プレスリリースの内容を引用・転載する場合は、MM総研による承諾が必要です。
4. MM総研の独自調査結果であり、公的機関の統計や企業の公表数値等と異なることがあります。また、データ・資料は、作成時点におけるものであり、今後予告なしに変更されることがあります。
5. 本データを報道以外の以下用途で無断利用することを固く禁じます。
 -プロモーション(広告・販売促進資料・ホームページ掲載・チラシなど外部に発信する資料・データ)
 -セミナー・講演会
 -その他、営業目的・営利目的での使用
6. 調査の詳細、研究員コメント、データ利活用などについては、担当者までお問い合わせ下さい。

■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

本件に関するお問い合わせ先

(株)MM総研

担 当 : 中村

所在地 : 105-0011 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー

連絡先 : 03-5777-0161

電話をかけるお問い合わせ

おすすめのプレスリリース