携帯電話の故障・修理実態調査

2010年09月30日

■故障時に適応されるオプションサービス加入率は40%前後
■携帯電話の故障経験者は38%
■修理費用は「無料」を含めて「1万円未満」が約9割

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は2010 年6月に携帯電話・PHS(以下携帯電話)ユーザーに対するWEBアンケートを実施(国内最大級のインターネットアンケートサービスを運営する「クロス・マーケティング※1」のモニターを活用:サンプル数:22,182人)。携帯電話端末の故障・修理実態を発表した。

 MM総研調べによる国内携帯電話販売台数は2007年度:5,065万台、2008年度:3,785万台、2009年度:3,582万台と2年連続で減少、買い替えサイクルも2007年度:2.11年から2009年度には3.15年まで長期化している。その最も大きな理由の1つが2006年度から2007年度にかけて通信事業者各社(以下、キャリア)が導入した新販売方式の導入による端末価格の高騰となっている。加えて、同時期からキャリア各社は、端末故障時などに備えた会員向けの無料サポートサービスや月額約300円~約500円のオプションサービスを拡充した。

 MM総研で、端末の故障時などに適応されるオプションサービスの加入状況について質問した結果、ドコモ「ケータイ補償お届けサービス」について「加入している」と回答したユーザー35.4%、au「安心ケータイサポート」では44.5%、ソフトバンク「あんしん保証パック」では47.7%となった。
 
 この結果からも多くのユーザーがキャリアの保証・修理サービスを利用している実態が明らかとなった。つまり、端末価格の上昇と、買い替えの機会となりえる端末故障時に、キャリアの保証・修理サービス等を利用するケースが増加したことが、買い替えサイクルの上昇の一因であるといえるだろう。

■端末故障の経験者は38%。そのうち修理・交換による対応が69%

 過去に携帯電話が故障した経験があるかについて質問した結果、「故障したことがある」との回答は8,405人(37.9%)となった。
 故障した経験があるユーザー8,405人にどのような対応を取ったかを質問した結果、「携帯電話ショップ(ドコモ/au/ソフトバンクショップ等)に持っていって修理・交換」が5,797人(69.0%)と約7割のユーザーが故障した際には携帯電話ショップへ持ち込んでいたことが明らかとなった。次いで「3万円未満で新しい端末を購入(機種変更)」が1,248人(14.8%)、「3万円以上で新しい端末を購入(機種変更)」が789人(9.4%)の順となった。

■修理内容は「基板の修理・交換」39%が最も多い

 「携帯電話ショップ(ドコモ/au/ソフトバンクショップ等)に持っていって修理・交換」したと回答した5,797人に対し、どのような修理を行ったかを質問した結果、「基板の修理・交換」2,255人(38.9%)、「新品・リフレッシュ品に交換」1,312人(22.6%)、「外装の修理・交換」897人(15.5%)の順となった。

■修理・交換の際に支払った費用は1万円未満が約9割

修理・交換の際に支払った金額について質問した結果は「無料」3,962人(68.3%)、「3,000円未満」284人(4.9%)、「5,000円未満」287人(5.0%)、「1万円未満」609人(10.5%)となり、無料を含めて1万円未満の累計が約9割となった。

 ユーザーにとっては携帯電話が故障しないことが望ましいが、多機能な精密機器であることから故障による修理の必要性が生じることもあるようだ。しかしながら、今回の調査より、キャリアの無料保証やオプションサービスをユーザーが上手に利用していることが判明した。その結果、買い替えの機会となりえる端末故障時に、上記サービスを利用するケースが増加したことが、買い替えサイクルの上昇につながった一因といえるだろう。


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